2004年12月14日

『いま、会いにゆきます』市川拓司

[ Book]

2003年3月に刊行された本なのだが,つい最近映画化されたこともあって,いまだにベストセラーのリストに載ってたりする.
その関係であちこちで紹介もされているので,妻に先立たれた父子の元に妻が期間限定で戻ってくるという内容はなんとなく知っていると思う.
しかし,主人公の男性が身体に問題を抱えており,そのために通常のシングルファーザー父子よりも生活が困難であったり,戻ってきた妻が記憶喪失だという設定があったとは知らなかった.
まあ,こういう設定がなければストーリーとして非常に起伏の少ないものになってしまうもんな.

話の方は,冒頭のアーカイブ星がどうこうというメルヘンチックなくだりを読んだときは少々不安を感じたりもしたが,とてもよくできている.
特にラストで明かされる事実を知ってから話を思い出してみると,「おおっ,そういうことか!」と思うところがあったり.
ベストセラー本なので貸してもらわない限り自分から手に取ることはなかったろうが,面白かった.