2005年01月11日

『エンディミオン 上・下』ダン・シモンズ

[ Book]

正月休みの課題その2.
『ハイペリオン』二部作の続編で,上下巻で完結という形式にはなっているが,これも真の意味では完結しておらず,次の作品とで二部作を構成している.つまり,四部作の三番目の作品と考えた方がいい.

で,やっぱり分厚い.

endymion_1.jpg

比較対象の単三電池で比べると分かると思うが,前作よりもちょっと厚くなっている.
ということは,これも読むのに時間がかかりそうだなあ...

ところが,これは結構読みやすかった.
内容だが,主人公が前作の主人公の一人の娘を守りながら旅をするという非常にシンプルな話であり,それを逃げる主人公側と彼らを追跡する敵役(裏の主人公?)側の両面から描く形式になっている.前作の,多数の主要人物があちこちに話を飛ばしまくる悪夢のような複雑さからすると,非常にわかりやすい.

とはいえ,やっぱり分厚い本&翻訳物特有のクセがあるため,普通の小説を読むのに比べるとえらく時間がかかってしまった.

余談だが,宇宙を舞台にしたSFでは,超長距離を短時間で移動する方法(とその理屈)をどう処理するか(要するにワープのこと)というのが一つの腕の見せ所だと思うのだが,この作品の移動方法の発想はスゴイ.
なんと,星々の間を超高速で移動するたびに乗組員が圧死するのだ.
で,そのことが話の根幹に関わってきたりする.このあたりの発想と構想力は流石だ.