2005年01月13日

『お厚いのがお好き?』フジテレビ出版

[ Book]

関東ローカルで放送されていたフジテレビの深夜番組をまとめた本.三津浜図書館で借りてきた.

タイトルだけではどういう内容か分からないだろうが,この「厚い」というのは本の厚さのことで,なかなか手に取りにくい哲学書や名作文学を紹介している.
それだけだと単なるあらすじ本になるのだが,そこはフジテレビ,マキャベリの『君主論』をラーメンに,モンテスキューの『法の精神』を六本木ヒルズに,と独特の見立てで内容を噛み砕いて(曲解して?)紹介してくれている.


1つの本に割かれているページ数は少ないし,字間もスカスカ,イラストも多数,という感じで,この本を読めば紹介されている本を読まなくても済むはずは絶対ない.
しかし,通常の生活をしていればおそらく読むことのないであろう名著の一端に触れられるという意味では結構いいかもしれない.フロイトの歪曲の4法則とかベンサムの快楽計算とか,結構面白いことも知れたしね.

あと,各章の最後にその作者のエピソードが取り上げられているのだが,これが結構面白かった.アダム・スミスとワット(蒸気機関の発明者)の関係とか,キルケゴールが自費出版を続けた理由とか.

ちなみに,フジテレビはこの手の教養バラエティとでもいう番組を作るのが伝統的に得意なのだが,もしかしてと思ったら,やっぱり小山薫堂が絡んでた.
しかし,小山薫堂と聞いて脳裏に浮かんでくる姿がフジテレビの牧原アナウンサーなのはどうしてだろうか.
小山薫堂の代表作ともいえる『カノッサの屈辱』のナレーションを担当していたので,つながりはあるのだが,あくまでもナレーションで画面には出てこなかったはず.そもそも『カノッサの屈辱』は大阪では放送してなかったから,番組自体もほとんど見たことがないはずなんだが...