2005年01月15日

『OZ 全4巻』樹なつみ

[ Book]

『星の王子さま』で砂漠と麦畑が出てきたので,久しぶりに『OZ』を読み直してみた.

砂漠化が進む核戦争後のアメリカ大陸を,兄に会うために科学の都「OZ」を目指して旅をする世間知らずの天才少女「フィリシア」と,それを守る若き傭兵「ムトー」,そして狂った人工知能をもつ機械人間「1019」を中心にし,天才である妹にコンプレックスをもつ姉「ヴィアンカ」やムトーの部下の傭兵「ネイト」,人間に近づくことを求める人造人間「1024」などを巻き込みながら重厚なストーリーが展開していく.
そこかしこに見せ場があるのだが,何といっても最終巻の盛り上がりが凄い(その分,本も厚い).特にラストは,もう... ああ,ハリウッドで映画化してくれないかなあ.

作者の樹なつみは少女漫画家ではあるのだが,絵柄がシャープで,ストーリーもしっかりしていることが多いので,男性でもそれほど違和感なく読めると思う.実際,青年誌に連載していたこともあるし(個人的にはイマイチだったが).

最近になって文庫化が始まったのだが,そちらは完全収録版ということで外伝が追加されている.以前,書き下ろしを読むために他の作家のコミックスをほぼ全シリーズを買い直したという前科を持っているので,そのパターンでいくと完全収録版も買ってしまいそうだ.

しかし,『OZ』は大阪にいた頃に全巻揃えており,愛媛に来る際に段ボール箱に詰めて持ってきたはずなのだが,部屋の中をいくら探しても見つからず,改めて買い直したという経緯がある.それを考えると,今度買い直すと同じ本を3回も買ってしまうことになるしなあ...