2005年03月15日

『自己コントロールの檻』森真一

[ Book]

バイオリズムによって単純に左右されてしまう自分の感情に不甲斐なさを感じていた頃,どこかのBlogで紹介されていたので読んでみた.
副題に「感情マネジメント社会の現実」とあるので,「これを読めばバイオリズムに左右されずに感情をコントロールできるようになるかも」と思って,図書館検索をかけたところ,松山市立図書館の移動図書館所蔵でヒットしたので借りてきた.

しかし,借りてきてみてビックリ,思っていたのとは全然逆の本だった.
そもそも著者は社会学者であり,私のように感情マネジメントを求める現代人と現代社会について分析した本だったのだ.

現代人はキレやすくなっているので感情マネジメントが必要だという現代の風潮に対して,逆に現代人の感情マネジメントは非常に高レベルになっており,そのこと自体がさらに高度な感情マネジメントを求めさせているのだ,というのが基本的というか前提となる主張.

そこででてくるのが「人格崇拝」(自分および他者の人格を尊重しましょう)と「マクドナルド化」(効率性重視)という概念であり,それを実現するための「自助マニュアル」(心理学の知識を使ってより良く生きるための方法を説いているもの).

寝る前にぶつ切りで読んだのでちゃんと主旨を追えていないせいもあるのだろうが,「それはちょっとムリヤリじゃないか?」と感じるところが所々あった.まあ,私が元の概念をちゃんと理解していないだけで,オリジナルを知っていればムリヤリな展開・応用ではないのかもしれないが.


おまけ.
この本を読んでいる途中で『反社会学講座』も読み始めたのだが,これと併せて読むと非常に楽しめるので,ちょっとオススメである.