2005年03月19日

練(複合ショップ)

[ Spot]

大阪出張シリーズの番外編.
本当はホワイトデイに合わせて投稿しようと思っていたのだが,アルコールの過剰摂取が連続したり,疲れ切って記事を書く気力がなかったりした結果,時機を逸してしまった.

ありがたいことにバレンタインデイに各方面からチョコを頂いたわけだが,「好意には好意を,悪意には悪意を,無関心には無関心を」をモットーにしている私としては,お返しをせずにはいられない.
タイミングよくホワイトデイの前に大阪に出張に来ていたので,松山では買えないものでお返しをしようと色々と検索をしてみた.

それでヒットしたのがエクチュア.大阪では老舗のチョコレート専門店らしく,値段設定も安いものからそれなりのものまで幅広く揃っている.
買える場所を調べてみると,キタやミナミの百貨店でも買えるらしいが,心斎橋から歩いて15分ほどのところの「空堀」に蔵を改造して造った本店があるらしい.

あれ,何とか堀で蔵を改造した店? 以前,そういう雑誌記事を読んだぞ.確か古民家を再生してまちおこしがどうこうとかで,六波羅とかいう建築事務所が絡んでたはずだよな.
ということで再び検索してヒットしたのが六波羅真建築研究室.私が覚えていたのはのことで,確かにエクチュアもこの中にある.
距離的にもキタやミナミに出るのと変わらないし,せっかくなので練の視察も兼ねて,本店で買うことにしよう.

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ということで,練にやってきた.場所的には地下鉄 松屋町駅を出てすぐなのだが,台地の上にあるので,そのことを知らない人はとまどうかもしれない.
この門の左にも雑貨屋やクレープ屋,面白いところでは貸し自転車屋などの店があった.
で,門をくぐって中へ.中庭というほど広々としていないのだが,ちょっとスペースがある.端に案内板があったので見てみた.

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うーん,分からん.あまり案内板の意味をなしてないような...

そのまま進んでいくと,こんな感じで屋敷への入り口が.

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土足禁止に見えなくもないが,そのままどうぞとあったので,土足でズカズカと上がりこむ.
中には古道具屋や雑貨屋,占い屋(?),さらに2階には着物教室みたいなところもあるらしく,「和のテイストが好きな20代後半の女性」が喜びそうな場所ではある.
しかし,それは,「和のテイストが好きな20代後半の女性ではない私」には合ってない場所であることを意味しているわけで,急速に場違い感が高まってきたのだが,それとともに一種の不信感も高まってきた..

古民家を改装してお洒落系の店(あるいはカフェ)を入れてまちおこし(あるいは地域活性化)というのを最近あちこちで見かけるように思う.
でも,こういう形でお洒落系の店を入れても,その手の趣向を持っている客層というのは一定数しかいないだろうし,そういう客層は流動的で他に同じような違うスポットができたらそちらに流れてしまうだろうから,瞬間的には多くの集客が見込めても,長期的には行き詰まってしまうんじゃなかろうか.
となると,この手のスポットのブームもそう長くはなさそうだなあなどと漠然と考えつつ,見るべきものは見たので本来の目的であるチョコレートを買ってさっさと帰ろうと思った.

しかし,その時,どこからともなく食欲を刺激するカレーの匂いが漂ってきた.時間的にも昼食時だ.空腹時のカレーの匂いの破壊力はすさまじく,ついフラフラと匂いの源であるおばやに引き付けられてしまった.
店自体は思っていたよりもこじんまりしており,カウンターに4席くらい,あとはテーブルが1つくらいだろうか.店の内装が独特の感じで,どこか古い学校の理科室か昔の医院のような感じがしたのは店のど真ん中にタイル張りの手洗い場のようなものがあったためだろうか.
カウンターの中には中年の女性とそれより少し若い女性の二人が立っており,カウンターの端に座った常連らしい中年の女性と喋っていた.ちょっと入りづらい雰囲気が立ち込めていたのだが,出て行くのはもっと難しそうだったので,覚悟を決めてカウンターへ.

昼のランチメニューは特製カレーかおばんざい定食の2種類なのだが,色々とオプションがあるようなので,実際のバリエーションはもうちょっと多そうだ.入る前はカレーを食べようと決めていたのだが,常連さんが食べていたおばんざい定食が美味しそうだったので,そちらにすることにした.

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中心にある椀はわかめの吸い物だったのだが,不思議な甘さがあって非常に美味しかった.砂糖みたいなハッキリした甘さではないと思うのだが,あれは何の甘さだったのだろうか.奥にちょっと隠れてしまっている椀は鶏のチューリップを炊いたもの.骨が柔らかくなるまで煮込まれていて美味しかった(思わず骨まで食べてしまった).
全体的にあっさりした味付けではあるのだが,どれも美味しかった.量的にも結構あったので,これで600円というのはかなり満足度が高かった.大学周辺にもこの手の店ができて欲しいものだ.

面白かったのが,常連さんが店の人と交わしていた会話.常連さんは商店街の関係者らしく,商店街の○○の店が休んでるとか,××は潰れた,△△は安いとか,◇◇に新しい店ができた等,商店街のことを色々と話しており,店の人もそれを当然のように聞いていた.
この手の流行のスポットにやってくる若者がメインの客筋だと思っていたのだが,予想以上に地元に密着していて,地元客が多かったりするのだろうか.そうだとすれば,良い感じになるかもしれないなあ.

などと,全体をちょっと見直しつつ,エクチュアへ.

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こちらは通りに面した方の入り口で,練の中庭にも入り口がある.ちなみに2階はカフェになっているそうだ.
店員さんが色々アドバイスをしてくれたのだが,結局ほとんど無視して自分の好みでチョコを選んでしまった.
ついでなので,実家へのお土産と自分用のチョコも買い込んだのだが,お土産に買って帰ったシャポー(?)というポエムの半熟チーズみたいな形状のミニチョコケーキが激ウマだった.また大阪に行ったら買おう.
自分用のチョコはまだ食べていないので,今後のお楽しみということで.