2005年03月21日

『ドゥームズデイ・ブック』コニー・ウィリス

[ Book]

以前読んで面白かった『航路』の作者の作品.松山市立中央図書館で借りてきた.
最初は『犬は勘定に入れません』を読もうかと思っていたのだが,これは本作『ドゥームズデイ・ブック』の続編になるというので,まずはこちらを借りてきた.

過去へのタイムトラベルが可能になった未来,オックスフォードで歴史を研究する女子学生は恩師の反対を押し切って準備不足のままで14世紀へのタイムトラベルを行うが,その直後からオックスフォードで謎の伝染病が発生し,過去へ旅立った女子学生のバックアップができなくなってしまう.
一方,過去へやってきた女子学生も直後に病に倒れ,未来に帰還するための方法を見失ってしまう...

タイムトラベル&伝染病ものというのは事前に知っていたのだが,現代編(未来編?)では,タイムトラベルについての説明が不十分&よく分からない「鳴鐘者」なる存在がいきなり登場した状態で話が走り出してしまう.
過去編も当時の小道具や衣装,生活風俗の名前があまり説明のないままでガンガン出てくる.
なので,最初の方は非常に読みづらいのだが,概念が徐々に頭に入ってくると面白くなってきて,第二部の後半からはスルスルと読み進むことができた.

病気の描写が結構えげつないので(現代に生まれてよかったと心底思う),そういうのが苦手な人は読まないほうがいいような気がするが,メインのストーリーとは別に繰り返しの面白みが満載なので,そういうのが好きな人にはいいかも.
ただし,かなり長いので,覚悟して読むように.

個人的にはコリンくんが「アポカリプティック!」だった.