2005年03月26日

『アーサー王と聖杯の物語』ローズマリ・サトクリフ

[ Book]

サトクリフによるアーサー王伝説三部作の二作目.これも松山市立中央図書館で借りてきた.

ガラハッドの登場によって150名全員がついに揃った円卓の騎士たちは,聖杯を求めて冒険に出るのだが,聖杯に近づくことのできたのはほんの数名だった...

本作では騎士たちが聖杯(キリストの血を受けた杯)というキリスト教に深く関係した神秘的存在を探す旅に出るわけだが,聖杯を見ることができた騎士の条件がよくわからない.
不義の罪を犯しているランスロットが近づけないというのは分かるし,聖杯探索のために生まれたようなガラハッドと純粋なパーシヴァルが成功するのもいいとしよう.
問題はボールスだ.一作目に比べると活躍しているのだが,やっぱり地味で,どうしてこいつが聖杯探索を成功させ,しかもただ一人だけ生きて戻ってくるのかがわからない...

全体的にキリスト教くさく,ストーリー的にはあまり面白くなかった.
あとがきによると,色々な象徴が込められているらしく,それが分かればまた別の見方もできるのだろうけど...