2005年03月25日

『アーサー王と円卓の騎士』ローズマリ・サトクリフ

[ Book]

とあることから,円卓の騎士の「ボールス」という人物に興味が湧いた.

円卓の騎士はアーサー王伝説に出てくるわけだが,アーサー王伝説といえば,ゲーム好きの人なら「エクスカリバー」とか,最近では「ナイツオブラウンド」(私自身はやってないのだが弟がやっているのを隣で見ていて「いわゆる袋叩き?」と思ってしまった)などで,漫画好きの人なら『ライジング・インパクト』の元ネタとして知っているかもしれないが,実際にオリジナルを読んだことのある人は意外と少ないんじゃないだろうか.
私自身も周辺知識は色々とあるものの,オリジナルは読んだことがなかったので,この機会に読んでみることにした.

とはいえ,後述するようにオリジナルはあって無きがごとしなので(有名なのはマロリーの『アーサー王の死』),ここは以前から興味のあったイギリスの国民的児童文学作家らしいサトクリフのやつを松山市立中央図書館で借りて読んでみた.

タイトルに「アーサー王」とあるが,アーサー王が中心になっているエピソードは少ししかなく,ほとんどは「円卓の騎士」の話.
その円卓の騎士だが,円卓の最大収容能力はなんと150名(どんなサイズの円卓なんだ?).しかもメンバーの入れ替えがあるため,実数はもっと多くなる.
このため,いくらでも話が増設可能という構造を持っており,他の話や民間伝承などがアーサー王伝説に組み込まれていったらしい

それらの話の中には知っているものもあれば知らなかったものあるのだが,ランスロットが実はハンサムではなかったというのにはビックリした.
話としては「台所の騎士ボーマン」と「トリスタンとイズー」(オペラ版とは話がちょっと違うらしい)が面白かったかな.

当初の目的の一つだったボールスはこの巻ではチョイ役なのだが,次巻以降ではそれなりに活躍するらしい.ということで,次巻に期待.