2005年04月19日

『ラッシュライフ』伊坂幸太郎

[ Book]

「金で買えないものはない」と豪語する事業家,独自の美学を貫く泥棒,神様の解体を描く青年,愛人の妻の殺害を計画する精神分析医,銃を拾った失業者.仙台を舞台に,5人の関係するそれぞれの物語は微妙に絡まりあい,そして...

前回の直木賞候補にもなった作者の第2作目らしい.
構成と○○の仕掛けには驚かされたが,そこまで凝るのならタイトルまで拘ってもよかったんじゃないだろうか.いくつか無理やりなエピソードがあったりもするんだけど,「ラッシュライフ」というタイトルは内容を適切に表現していないような気がする.同名のジャズがあるらしく,もしかするとそちらを知っていれば印象は違ってくるのかもしれないけど.

話的には泥棒の黒澤の話が一番「やられた!」感が強かった.この「黒澤」は他の作品にも出ているらしいので,そっちも読んでみようかな.