2005年04月27日

『オーデュポンの祈り』伊坂幸太郎

[ Book]

外界との交流が1世紀半以上途絶えていた島で,島民の拠り所となっていたカカシが殺された.未来を知っているカカシがどうして殺されたのか?
交流が途絶えてから2人目の来訪者に図らずもなってしまった主人公は,奇妙な島民との交流を通じて,カカシ殺害の謎を追うことに...

『ラッシュライフ』に続いて読んだ伊坂幸太郎作品だが,順番としてはこれがデビュー作になるのかな.これも松山市立中央図書館で借りた.

『ラッシュライフ』にも「神様」のような現実離れした存在が出ていたが,本作はそれに輪をかけて現実離れしている.未来を知っているカカシもそうなのだが,150年以上外界との交流がほとんどないにも関わらず,車が走っていたり電気が通っていたりする島の設定自体が現実的にはありえない.
だが,その設定さえ受け入れてしまえば楽しく読めるだろう.特にラストの方になると,それまでの伏線が一斉に開花していくため,落ち物系ゲームの大連鎖のような爽快感が得られた.