2006年08月07日

『生首に聞いてみろ』法月綸太郎

[ Book]

病死した芸術家の,自分の娘をモデルにした遺作の首が何者かに切断された.ミステリ作家の法月綸太郎は,娘の叔父から切断事件とそれに前後して現れた不審人物の調査を依頼される.しかし,調査の途中,娘が行方不明になり...

卒業生にして同僚な人が昼休みに読んでいるのを見て,「ブードゥー教か殺人鬼の話?」と尋ねたところ,貸してくれた.

そのタイトルとホラーな感じの表紙からスプラッタな話かと思いきや,『このミス2005』国内編 第1位という,れっきとした本格ミステリ.

シリーズ物らしく,人物関係がよく分からないまま読み進めていったのだが,主人公が作家で,その父親が警察の偉い人,という火サスでドラマ化されそうな感じの設定なのだが,話が入り組んでいる&説明が多いので,映像化は難しそうだなあ.

で,その入り組んだ話なのだが,切断事件と彫刻の首の謎はすぐに分かったのだが,その背景ともなると...
全ての証拠は提示されているので,「卑怯」とか「飛び道具」とかいう気はないけど,種明かしを読むまで,全然考えもつかなかった.見事にやられてしまったというべきなんだろうか.