2006年09月10日

『少女には向かない職業』桜庭一樹

[ Book]

山口県下関の島で生活する13歳の「大西葵」は,友人たちの前では明るく振る舞っているが,家では酒びたりの義父に苦しめられている.
そんなある日,クラスでは目立たない「宮乃下静香」と親しくなった「葵」は,「静香」から義父の殺すための方法を教えられる...

桜庭一樹の作品を読むのもこれで3冊目.これまで読んだ作品はすべて文庫で,どちらかというとライトノベル系(『ブルースカイ』は早川書店から出ているSFだけど)だったわけだが,本作は東京創元社から出ているミステリ・フロンティアの一冊として刊行された,作者初の一般向け単行本.
松山市立中央図書館所蔵.

内容的には,地方在住で家庭的に恵まれていない少女が戦うという,『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』と同系列の作品.
いちおうミステリ作品のレーベルから刊行されているので,ミステリっぽい道具立ては揃えられているのだが,うーん,これってミステリ??
作品の冒頭から主人公は2人を殺すことが明らかにされているので,犯人探しという点ではミステリではないのだが,まあ,それっぽい仕掛けがあるので,ミステリではあるのか.

個人的には,既に『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』を読んでいたため,そのときの衝撃を超えられなかったのだが,一般的な評価は高いようで,GYAOで映像化されたりもしていた模様.
しかし,女子中学生がバトルアックスで襲い掛かるって,どう考えても真面目なミステリの映像化作品じゃないよなあ.