2006年09月26日

『寂しいマティーニ』オキ・シロー

[ Book]

さまざまなカクテルをテーマに,バーで繰り広げられる男と女のドラマを描いた短編集.
松山市立中央図書館所蔵.

以前,ネットでカクテルのレシピを検索していたときに,カクテルを扱った小説のひとつとして紹介されていた本.
正確には,紹介されていたのは同じ作者の別の本だったのだが,図書館で検索をかけてみると,この作者の本はどれもカクテルまたは洋酒関係の本のようなので,本棚にあったものを借りてきた.

短編集といっても全部で21本の作品が収められているので,カクテルをテーマにしたショートショートというべきか.

1本のページ数はあまりないのだが,その少ないページの中に,カクテルの由来やレシピ,場合によっては関連するエピソードなどが盛り込まれており,それにプラスして(というか,こちらが本体なのか),カクテルを小道具に使った話が展開されている.
どれも凝った話ではないのだが,ちょっと修羅場モードで本をちゃんと読む余裕がなかった私にはちょうど良かった.

ちなみに,最初の数本を読んでみて,「この手の小説ってどこかで読んだことあるよなあ」と思ったのだが,記憶を手繰ってみても思い出せない.
そうこうするうちに「あとがき」まで読み進んでしまい,そこでようやく分かった.
ここに収められている作品はすべて,ANAの機内誌である『翼の王国』に連載されていたものらしい.
なるほど,それなら読み覚えがあるはずだ.私も飛行機に乗るときは掲載されているカクテルの話を楽しみにしているし.

そこで,改めて「翼の王国 オキ シロー」で検索してみると,全日空ホテルズに今月のカクテルというページがあるのを見つけた.さすがは全日空グループだ.
ちなみにバックナンバーも見れるのだが,知らないカクテルばっかり.有名なカクテルはもう使い切ってしまったのかもしれないな.