2006年10月17日

『続 職業外伝』秋山真志

[ Book]

前作の『職業外伝』と同じく,滅びゆく職業人を描いた人物ルポ.
具体的には,イタコ,映画看板絵師,蝋人形師などの8つの職業とその職業についている人々の生涯について書かれている.

前作が面白かったので,続編を借りてきた.松山市立中央図書館所蔵.

相変わらず,「あなたの知らない世界(職業)」を知ることができて面白かったのだが,特に面白かったのが鵜匠と琵琶盲僧.

鵜匠はいわゆる「鵜飼い」のことなのだが,正式名称を「宮内庁式部職鵜匠」というらしく,いちおうは宮内庁所属のお役人になるのかな? 同じ立場の有名人として雅楽の東儀秀樹がいる(こちらは退職したらしいけど).
鵜飼いというのは万葉の時代,下手すると神話の時代から存在しているらしく,その時代の権力者と密接に結びついてきたそうだ.ふーん,鵜飼いって,見ていて面白いものなのかなあ?
紹介されているのは長良川の鵜飼いだけど,この近辺だと大洲の鵜飼いがあるな.時期的には今年は既に終わっているようなので,来年は行ってみようかな.どうせなら舟を一隻借りたいけど,12人も酔狂な人が集まるかどうかは少々疑問ではあるなあ.

もう一つの琵琶盲僧というのは,いわゆる琵琶法師のこと.
とはいえ,ここで紹介されているのは平家物語を吟ずるのではなく,琵琶を奏でながらお経(釈文というらしい)を歌う本物の「法師=僧侶」.うーん,本物のお坊さんで,しかも現在も存在しているのか.
しかも,ここで紹介されている永田法順さん,CD6枚,DVD1枚,写真集1冊が発行されているらしい.下手なアイドル顔負けだな.