2006年10月27日

『イニシエーション・ラブ』乾くるみ

[ Book]

諸般の事情であらすじが書きにくいので,出版社による紹介文を引用.

大学四年の僕(たっくん)が彼女(マユ)に出会ったのは代打出場の合コンの席。
やがてふたりはつき合うようになり、夏休み、クリスマス、学生時代最後の年をともに過ごした。
マユのために東京の大企業を蹴って地元静岡の会社に就職したたっくん。ところがいきなり東京勤務を命じられてしまう。
週末だけの長距離恋愛になってしまい、いつしかふたりに隙間が生じていって…。

ネットの書評で「問題作」「予備知識なしで読むべき」と書かれていたのが気になっていたところ,タイミングよく松山市立中央図書館で遭遇したので,借りてみた.

確かに「問題作」で「予備知識なしで読むべき」作品.
なので紹介が難しいのだが,ネタに触れない程度に.

この作品はA面とB面の二部で構成されていて,A面が交際スタート編,B面が遠距離恋愛編になっている.表紙に今となっては懐かしいカセットテープが写っているのだが,A面・B面の各章には80年代にヒットした邦楽のタイトルが付いているという凝ったつくり.なお,作中の時代設定も『男女七人夏物語』と『男女七人秋物語』が放送されていた頃(=80年代)という設定.

私がこの作品を読み始めたのは深夜で,ちょっとだけ読んだら寝ようと思っていた.
しかしA面を読み始めたところ,その初々しさというか,読んでいて「キーッ!」となるようなこっぱずかしさのため,ついついA面の最後まで読んでしまった.
で,その勢いのまま,B面も読み始めた.よくある遠距離恋愛のすれ違いを描いたもので,「何が問題作なんだろう?」と思いつつ,そのままラスト...

えっ?


えっ?!


えぇぇぇぇーっ?!


次の日は早起きをしないといけなかったのに,読み終わった後,速攻でネットで検索を始めてしまった.
なるほど,問題作だわ,これは.

ちなみに作者の乾くるみだが,女性名だけど40代の男性とのこと.
これは他の作品も読んでみるべきかな.