2007年05月13日

『あさきゆめみし 全13巻』大和和紀

[ Book]

日本が誇る文学作品『源氏物語』のマンガ版.
某教員の奥様に貸していただいた.

いわゆる名作文学とは縁遠い読書生活を送ってきた私なので,『源氏物語』はもちろん未読.
そんな私の『源氏物語』像というのは,

ロリコンとマザコンを併発したプレイボーイがあちこちの女性に手を出しまくる話

というもの.あながち間違ってはいないと思っていたのだが,実はかなり間違っていた.

ロリコンじゃなかったし,マザコンでもなかった(単なる「藤壺の宮」マニアなだけ?).プレイボーイであちこちの女性に手を出しまくるのは間違っていなかったけど,思ったよりも政治的要素もあって,面白かった.

ただ,好きになった人の血縁であったり,その人に顔が似ているらしいという理由だけで,一方的に燃え上がっていくというパターンはどうなんだ? しかも「やっぱり彼女と違う」って,そりゃそうだろうが...
まあ,当時は女性の顔を明るいところで見ることのできるのが結ばれた後だったそうなので,そういう情報の少ない状況では血縁関係という情報は相手の容姿を推定するのに重要だったんだろうけど...
うーん,平安貴族の考えることは分からん.

あと,読みながら思っていたことが,「このマンガ版,どれくらい原作に忠実なんだろう?」ということ.
全巻読破した後,これまた奥様が一緒に貸してくれていたムック本に掲載されていたインタビューを読んでみたところ,大枠は原作どおりらしいのだが,作者による補完もかなり多いようだ.
となると,これ以外の『源氏物語』も読んでおかないと,正確な『源氏物語』はわからないということか?
でも,かなり少女マンガ的にアレンジされたらしい本作でも,主人公って時々ヒドイ奴(特に玉鬘とか)なのだが,少女マンガ的アレンジが完全にはずされてしまうと,単なるエロオヤジでしかなくなってしまうような...