2007年09月24日

『インシテミル』米澤穂信

[ Book]

大学生の「結城理久彦」は車を買うために夏休みのバイトを探していた.
コンビニでアルバイト情報誌を読んでいたとき,住む世界の違うお嬢様「須和名祥子」に声をかけられて見つけたバイトは,なんと時給11万2千円.
「人文科学的な実験」だというそのバイトの正体は...

米澤穂信の新刊.
どういう話だか予備知識を持たずに作家買いしたわけだが,最初のページをめくると館の見取り図があった.なるほど,「館もの」か.
と思いつつ,さらにページをめくると...

警告
この先では、不穏当かつ非倫理的な出来事が発生し得ます。
それでも良いという方のみ、この先にお進みください。

...なんなんだ,これ?
あの激苦だった
『ボトルネック』にもついてなかった警告文があるとは...

ということで,ドキドキしながら読んでいったところ...
うーん,確かに非倫理的な話だ.

閉鎖空間の中で殺人が起こるという,ミステリとしては常道の話なのだが,実験の参加者の疑心暗鬼と古今東西のミステリから選ばれたアイテムがスパイスとして振りかけられている.
ミステリファンだったら,アイテムの元ネタが分かってさらに楽しめたのだろうが,そのあたりはあまり分からなかった.

謎の方だが,とある登場人物を買いかぶっていたためか,大筋については全然分からなかった.
小道具の使い方とかは分かったんだけどなあ.

ミステリファンであればあるほど楽しめる作品だと思う.

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