2007年10月31日

『りかさん』梨木香歩

[ Book]

リカちゃん人形を欲しがる「ようこ」に「おばあちゃん」がプレゼントしたのは,真っ黒な髪の市松人形の「りかさん」.
おばあちゃんに説明書に従って,りかさんの世話をして1週間が経った夜,りかさんはようこに喋り始めたのだった...

以前読んだ『からくりからくさ』の前日談である表題作と,後日談である短編「ミケルの庭」の2本が収録されているのだが,どちらも執筆時期というか出版時期は『からくりからくさ』の後のようだ.

『からくりからくさ』を読んだのが1年半以上前のことなので,細かい話は忘れてしまっているのだが,かなり印象が違っているように思う.
これは本作がもともとは偕成社という児童文学がメインの出版社から出版されていたせいだろうか.でも,中身はけっこう難しいよなあ.
と思って,偕成社のサイトで検索をしてみたところ,対象年齢は中学生以上だった.なるほど.

主人公が小学3年生で人形が話すというファンタジー的な設定なので,大人の読者は読みにくいかもしれないが,そういうファンタジーな話の裏には養子問題とか戦争とかのリアルな要素が含まれているので,大人にとっても十分面白いのではないだろうか.
というか,中学生がこの話を読んで理解できるのか?

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