2007年12月06日

『ポビーとディンガン』ベン・ライス

[ Book]

オパール鉱山の近くの町ライトニング・リッジに住む少女「ケリーアン」の友達「ポビー」と「ディンガン」は他の人には見えない.
しかしある日,二人の姿が見えないと騒ぎ出した「ケリーアン」は日に日に弱っていく.
その姿を見かねた兄「アシュモル」は,町中の人々に二人を捜してくれるように頼むのだが...

同僚の奥様から借りた本.
舞台は現代だし,超自然的な存在も基本的には出てこないんだけど,カテゴリーとしてはファンタジーになるのかなあ.

これから読む人に一つ忠告.

「カバー見返しのあらすじは読まないように」

これを読んでいなければ印象はかなり変わったと思うのだが,読んでしまったので先の展開が分かってしまったので,最後の展開がイマイチだった.

まあ,それを除いても,ちょっと「うーん」と思わなくもない.
話のベースになっているのは「目に見えないものを信じることの大切さ」なんだろうけど,同じように目に見えないものを信じる(ようになった)妹と兄では,かなり意味合いが違ってるんじゃないか?
感動するという感想も多いんだけど,それってどのあたりがヒットしての感動なのかなあ.
本作は映画にもなっているのだが,映画の感想にあった「兄のけなげ」がポイントだというのなら分からなくもないのだけど...

ちなみに,辻村深月の『子どもたちは夜と遊ぶ』に本作のことがちょっと出ていて,その後のある章には本作のタイトルがそのまま使われているのだが,本作を読み終えてもタイトルの由来が分からなかった.
なので,その章だけをざっと読み直してみたのだが,やっぱり分からない.
うーん,アレがアレだから? でも,そのことが判明する章じゃあないしなあ.



とか書いてたら,急に分かった.
なるほど,確かにあの章のタイトルとしておかしくはないわ.うまいなあ.

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