2004年05月15日

『グインサーガ外伝19 初恋』栗本薫

[ Book]

『初恋』というタイトルだと何をトチ狂ったのかと思われそうなので,いちおう正式タイトルで.

『グインサーガ』という超長編小説(現在本編で94巻,外伝を含めると100巻以上)があるのだが,この本はその外伝で,とある登場人物(絶世の美男で王子様)の若き日を描いた作品.

新刊案内でタイトルを見たときはどうしたものかと途方に暮れたものだが,中身はちゃんと面白かった.

でも,この面白さを分かってもらうためには,世界観や設定,さらには主人公の性格など理解する必要があり,そのためには本編を読まなくてはならない.しかし,その本編が90巻以上...
しかも本編が90巻以上ともなると,書いてる途中で文体は変わるわ,物語の性質は変わるわ(ファンタジーだったり,宮廷物だったり,戦争物だったり,SFだったり,恋愛物だったりする)で,なかなか人に勧めにくい.

で,登場人物の一人であるエライ学者さんのお言葉.

「女人への崇拝というのは,おおむねの男子の場合にはまず,『おのれにはありえない,すべすべして美しくてやわらかくて白くて優しいもの』への崇拝として発動するのですが...」

うーん,崇拝とか恋心というのは『発動』するものなのか...