2004年07月19日

『山アラシのジレンマ』遠藤淑子

[ Book]

自分でも意外だったが,このBlogでマンガを紹介するのはこれが初めてのようだ.
ということで,マンガ,しかも少女漫画だ.

チームメイトに裏切られて屈折した転校生と彼にお節介を焼く応援団長&幼馴染の活躍する表題作も面白いのだが,個人的に感慨深いのが巻末に収録された『シンシアリー』という短編.雑誌掲載時にリアルタイムに読んだのだが(うわぁ,中学生の頃だよ),ハートウォーミングなのに笑えるという,それまでに読んだことのなかったタイプの話で,かなり衝撃を受けた.

その衝撃はかなりのものだったらしく,バイトを始めて自由になるお金が増えてから,遠藤淑子の単行本を集め始めることになる.
しかし,単行本の刊行ペースが遅いため,すぐに収集が追いついてしまった.しかも,なんだか話がパターン化しているような気がして,大学受験の前には買うのをやめてしまった.

その後,時々は単行本を読み返すこともあったが,新刊はまったくチェックしないまま時は流れ,そして現在...

ということで,次回?に続く.

で終わってしまうと,「遠藤淑子と私」みたいなので,もう少し遠藤淑子作品の説明を.
絵は...まあ,味があると表現するにとどめておくが(婉曲話法),ストーリーテリングと台詞回しが絶妙なので,ハートウォーミングな話が嫌いではなければ,そして絵柄をそれほど気にしないのであれば,かなり楽しめるのではないかと思う.
ちなみに,遠藤淑子自身は自分の作品を「説教くさい」「時代劇っぽい」「爆発が多い」と書いているが,確かにそのとおりだと思う.