2004年10月23日

『機会不平等』斎藤貴男

[ Book]

松山市立中央図書館で借りてきた本.
教育,労働,福祉などの領域で,現在起こっている(起こりつつある)現象について丹念に調べて世に問うた作品.こういうのをルポルタージュというのだろう.
経済学者の立場や生い立ちについて書かれている第五章「不平等を正当化する人々」が特に面白かった.

感想だが,よく調べてあるし,著者の主張ももっともだとは思う.
現状の制度はよくない.(うんうん)
でも現在進みつつある改革の方向も間違っている.(そうかもなあ)
現在の指導者に足りないのは,独創性や創造力ではなく,常識的な想像力と最低限の優しさだ.(そのとおり!)
以上(え,それで終わり?)

ということで,「結局,制度はどう変えればいいわけよ?」という身も蓋もない感想を持ってしまった.
ジャーナリストである著者にそこまで要求するのは酷なのかもしれないが...