2004年04月30日

天丼

本当はワーム感染の話を書こうと思ったのだが,あまりにもインパクトがあったので天丼の話を.
色々と差し支えがあるとまずいので場所の公表は差し控えるが,とある店で天丼を食べた.
お腹が減っていたことに加え,大盛りでも値段が変わらないということなので,大盛りを注文してみた.

しばらく待っていると店員さんが丼を抱えてこちらに近づいてきた.
遠目で見る限り,私の注文ではなかったので,そのまま待っていた.
どんどん近づいてきた.
目の前で止まった.
注文の復唱と共に,その物体が目の前に置かれた.
その丼を前に,私は笑いをかみ殺すのに必死だった.
その丼の中身は,その値段ではあり得ないくらい多かったのである.

最近は昔ほど大食いではなくなったことを自覚しているが,在りし日の胃袋をもってしても結構多いと感じたのではないか.
しかも,あの値段.その店特有のシステムを利用して意図的に安く抑えてみたのだが,あの値段であの量というのは,近年まれに見るコストパフォーマンスの高さと言っていいだろう.

「この値段設定でやっていけるのだろうか」と心配しつつ,食べ過ぎで少し苦しくなったお腹を抱えながら店をあとにした.

投稿者 saihide : 18:26

2004年04月29日

イージーオーダー

最近,周囲の人たちにオーダーメイドの背広がどれほど素晴らしいものかを力説される機会が多くあったところ,タイミングが良いのか悪いのか,イージーオーダー3万円弱という三越のチラシを見かけた.
3万弱のものは限定30着だが,限定セールでなくとも4万円弱で作れるという.本当にオーダーメイドの背広がいいものかどうかを試すため,1着作ることにした.

背広を作るのなんて一部の金持ちだけだと思っていたのだが,会場には予想以上にお客さんがおり,ちょっと意外だった.限定品は既に終了していたようだが,こっちは予想通り.

まずは生地選び.生地の価格ごとに棚が分かれていたが,迷うことなく一番安い棚から選ぶことを決定.参考のために一番高い生地(約10万円)も触ってみたのだが,なんとなく手触りと厚みが違うような気がする.あくまでも気のせいかもしれないが...

生地の次はデザイン選び.担当の人が色々と説明してくれるのだが,その手の知識がないのでよく分からないというのが正直なところ.とりあえず無難なものになるように答えたつもりだが,さてどうなっていることやら.

最後に採寸.採寸専門の人(首からかけたメジャーがいかにも)が登場し,その人に測ってもらったのだが,予想以上に測られた.これまでの人生の中で,あれほど測られたことはなかったくらい測られた.
腕の長さや肩の高さの違いなんていうのまで測られたおかげで,以前から薄々そうではないかと思っていた左右の手の長さの違いが判明した.右手のほうが5ミリほど長かった.右利きだからか? このまま右利きを続けると右手が左手よりも1センチくらい長くなってしまうのだろうか?
なお,採寸時は測る人とそれを記入する人が分業していたのだが,サイズを口に出して告げるため,一緒に背広を作りに行った人とそれを見物しに来てた人に体中のサイズを知られてしまった.これも一種の「個人情報の漏洩」のような気がするのだが...

背広の完成までは1ヶ月ほどかかるため,本当にオーダーメイドの背広が素晴らしいのかはまだ不明.しかし,あれだけ細かいところまで測って作るんだから,やっぱり体にピッタリの背広が出来上がってくるのだろう.問題はそれが値段にふさわしいだけの着心地かどうかだ.

ちなみに通常買っている背広ならば4万円あれば2着買えるというのはココだけの秘密だ.

投稿者 saihide : 23:56

2004年04月24日

うどん屋さんと信頼

 このところ,大学近辺の飲食店が次々に消滅していたのだが,先頃,うどん屋さんが新しく開店した.昼食の選択肢が増えることは喜ばしいことであり,その下見もかねて早速行ってみた.

 店のレイアウトは近所の牛丼&うどんの大手チェーンとよく似ているが,店の奥でうどんを打っている姿が見えるようになっており,手打ちであることを強調している.
 また,最近流行の讃岐うどんチェーン店(もう終焉した感もあるが)のように,うどんとは別に天ぷらやおにぎりを自分でチョイスすることもできる.まあ,最近のうどん屋さんとしてはベーシックなレイアウト&システムといえる.

 しかし,この店の最大の特徴は,注文&会計が昔ながらのうどん屋さんシステム,つまり店員さんが客のところに来て注文を取り,うどんを渡し,食後に会計をするタイプのシステムだということだろう.
 それ自体は問題ない.しかし,そのシステムと自分で天ぷらなどをチョイスするシステムを同時採用するとどうなるか.自分がチョイスした天ぷらなどは食後に自己申告制で料金を支払うことになるのである.

 この手の「天ぷら自己申告制システム」は他のうどん屋で見かけたことがある.しかし,その場合の店は最近流行の讃岐うどんチェーンではなく,昔ながらのうどん屋であり,それほど高回転&薄利多売を狙っているタイプの店ではなかった.

 しかし,この新規開店したうどん屋は,讃岐うどんチェーンほど安くはないが通常のうどん屋に比べるとかなり安い部類にはいるだろうし,そのレイアウトと立地条件からしても客の高回転を目指していると思われる.

 客の回転が緩やかならば,どの客がどの天ぷらをチョイスしたかを店員さんが把握することも可能だろうが,高回転の店でそれが可能だろうか? ちなみにわれわれは比較的すいている時間帯に入ったが,自己申告しないままだと天ぷらの料金は請求されなかった(その時はもちろん自己申告して払ったが).

 商売のシステムとして考えた場合,高回転型店舗における天ぷら自己申告制システムは問題を抱えているといえる.悪意を持った客に対抗するのが困難だからだ.これに対抗するためには天ぷらチョイスに何らかの形で店員を介在させる必要があるが,これにはコストがかかってしまう.
 一方,そのような悪意を持った客などいない,または少数であるのであれば,天ぷらチョイスに店員を介在させるコストは全く無駄である.
 もしかすると,あのうどん屋は,客であるわれわれを「信頼」してくれており,その信頼に基づいてあのシステムを導入したのかもしれない.

 だとすると,あのうどん屋が撤退することがあるとすれば,その原因の一部として,われわれがあのうどん屋の「信頼」を裏切ったことが挙げられるのだろうか.

投稿者 saihide : 14:44