2005年01月23日

『珈琲相場師』デイヴィッド・リス

[ Book]

何かの広告で石田衣良が絶賛していたので松山市立中央図書館で借りてきた.

17世紀のアムステルダム,破産の危機に追い込まれた相場師である主人公は新しい商品である「コーヒー豆」で大儲けしようと企む.妨害するライバル,信用しきれない協力者,さまざまな思惑と疑惑が絡まりながら,計画実行の日がやってくる...

2004年度の『このミス』にもランクインしていたらしく,かなり評価が高い作品.
しかし,人によってかなり評価が分かれているというのも事実で,個人的にはイマイチだった.ストーリー自体は面白いのだが,主人公がなあ... 立派なのか,情けないのか,色ボケなのか,人物像がちょっと一致しない.まあ,実際の人間というのはそういうものなんだろうけど.

ストーリーとは関係ないのだが,コーヒーがまだ珍しい時代の話なので,コーヒーに対する登場人物の反応が面白かった.性格が変わったり,神経が鋭敏になったりと,えらく過剰に反応するのだ.
私はコーヒーを飲んだからといって神経が鋭敏になったりすることはないんだが,これって飲み慣れてしまったからカフェインに耐性が付いてしまったからだろうか.そういえば,コーヒーを飲むと手が震えるという学生さんがいたような...

あと,コーヒーの飲み方がまだよく分かっていないため,コーヒー豆をそのままかじって満足してみたり,ワインに入れて飲んでみたりするシーンが出てくる.
コーヒー豆をかじったことは何度かあるが,さすがにワインに入れて飲んでみたことはない.入れるといっても,コーヒーを作ってワインに混ぜるというレベルではなく,コーヒー豆を乳鉢で擂り潰してワインに入れて,粉が沈むのを待ってから飲む,つまりコーヒーをお湯ではなくワインで作るのだ.一体どんな味がするのだろうか? 気が向いたら実際にやってみよう.