2005年07月13日

『螺旋階段のアリス』加納朋子

[ Book]

会社の「転職退職者支援制度」を利用して,昔からの夢だった私立探偵を開業した主人公.その前に現れたのはパートタイムでの助手を希望する不思議な少女と,当初の夢とは全然違った依頼の数々だった...

加納朋子作品を読むのもこれで10冊目.作者的には8作目になるのかな.
作者お得意の日常の謎+連作短編形式ということで,安心して読めることは読めるのだが...

タイトルから分かるように,『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』に関係するエピソードが山のように出てくるので,それが分からないと楽しみが半減するような気がする.
というか,私は両方とも読んだことがないので,そちら方面の面白さがあまり感じられなかった.
本作の続編である『虹の家のアリス』も既に刊行されているのだが,そちらを読む前に『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』を読んだ方がいいのだろうか...

本作には7編の短編が収められているのだが,個人的には「最上階のアリス」と「アリスのいない部屋」が気に入ったかな.