2005年09月23日

『レインレイン・ボウ』加納朋子

[ Book]

9人しかいなかったソフトボール部のチームメイトが7年ぶりに再会する.再会の場はチームメイトの一人の葬儀.しかし,葬儀に参加したのは7人だけで,故人と一番仲の良かった人物が出席していなかった.7人はそれぞれの生活に戻っていくが,そこに現れる故人の影,そして出席しなかった人物が行方不明になったという知らせが...

加納朋子作品を読むのもこれで12作目.いつものように松山市立中央図書館所蔵.

チームメイト7人のそれぞれの物語が短編になっており,全体を通じて一つの話にもなっているという作者お得意の連作短編集形式の作品.

登場人物の一人が『月曜日の水玉模様』の主人公なので,できれば先に読んでおいた方がいい.まあ,読んでなくても大筋には関係しないけど.

個人的には『月曜日の水玉模様』はイマイチだったのだが,本作はとても楽しめた.
一話ごとに主人公が変わる&短編のため,登場人物の名前&関係の点で少々混乱もしたが,全体を通じて面白く読めた.
特に面白かったのは看護婦,管理栄養士,OLの話かな.

これを書いていて気がついたけど,各話の主人公はそれぞれ違う職業だったんだ.
そういう意味では女性の職業に関する小説としても読めるのかな.
でも,それほど仕事内容とかが前面に出てないから,そういう読み方は間違ってるか.