2005年10月13日

『東京ガールズブラボー』岡崎京子

[ Book]

札幌育ちのオシャレ女子高生サカエは両親の離婚のために東京へ引っ越すことに.
憧れの東京生活に夢は膨らむが,住むことになったのは「お婆ちゃんの原宿・巣鴨」.
それにもめげず,サカエは級友やボーイフレンドたちを巻き込みながら,80年代の東京を爆走する!

『リバーズ・エッジ』と共に学生さんが貸してくれた本.
読み終わって思ったのが,

主人公,バカ過ぎ

これはあとがきの対談(相手が浅田彰というのが少女漫画界における岡崎京子のポジションを示している?)で作者自身も「自分で書いていて腹が立った」とあるくらいだから,客観的に見てもそうなんだろう.

で,対談相手の浅田彰によると,あの主人公のパッパラパーさ加減&パワフルさというのが80年代をよく表しているそうだ.
舞台になっているのは80年代でも初めの方なので,そのころはまだ小学生高学年だった私にはちょっと分からない感覚だなあ.

まあ,このはた迷惑な主人公の爆走っぷりを楽しむための作品なんだろうけど,同じ「先のことを考えない」でも『リバーズ・エッジ』との違いはなんなんだろう?

『リバーズ・エッジ』の方は「未来が暗いのが分かっているので,それに目をつぶって現在を刹那的に生きる」という感じだけど,本作は「未来は明るいに決まってるぜ! だから気にしないで今を生きるぜ!」という感じだろうか.

もちろん,それぞれの作品でテーマが違っているといえばそれまでなんだろうけど,舞台になっている80年代と90年代の時代の違いが影響しているのかなあ.