2006年01月08日

『水滸伝 烈火の章』北方謙三

[ Book]

北方謙三による『水滸伝』の第七巻.松山市立中央図書館所蔵.

本巻では宋江たち5人VS官軍1万5千人の対決,史進率いる小華山の一党の梁山泊入り,魯達の鎮関西殺しなどが描かれている.

原典の水滸伝だと魯達の鎮関西殺しのエピソードはかなり最初の方.
しかし北方水滸伝では全く出てこなかったので,楊志の吹毛剣のエピソードと同様,省略されたのだろうかと思っていたのだが,こんなところで出てくるとは.

面白かったのが,魯達と鎮関西が立札を介してやりとりをするのだが,無関係な野次馬がその立札をとっておいて,順番に並べてそれまでの経緯が分かるようにするという,2行ほどのくだり.
なんだか,事件や論争が起きるたびに無関係な周囲のギャラリーが「まとめサイト」を作り上げる今のネット社会みたいだな,などと思ってしまった.

まあ,ある程度の匿名性を維持しながら社会に対しての主張ができるという意味では同じなのかな.
しかし,後々まで残って教科書にも掲載される二条河原落書みたいなのが今のネットで残るのかなあ.
ああ,のまねこ問題とかは,もしかすると知的財産関連の教科書とかには載るかもしれないなあ.