2006年01月09日

『水滸伝 青龍の章』北方謙三

[ Book]

北方謙三による『水滸伝』の第八巻.松山市立中央図書館所蔵.

本巻では梁山泊軍VS祝家荘&官軍の対決が描かれている.

祝家荘戦で重要な役目を果たすキャラに解珍・解宝という二人組がいて,本巻の主役はこの二人みたいなものなのだが,裏の主役とでもいえるのが猪.

原典の水滸伝では解珍・解宝は兄弟なのだが,この北方水滸伝では親子になっている.ここでもオリジナリティが存分に発揮されているのだが,それよりも猪とか熊とかの料理関連の描写がかなり多いという点でも北方節が炸裂.

戦を控えて厳戒態勢にある祝家荘に解珍・解宝が出入りできるようにするために用いられるのが猪なのだが,そのくだりで,5頭の猪を料理すると2000人の兵士にいきわたると書かれていた.

えっ,たったの5頭で2000人分になるか?
5頭で2000人分だから1頭当たりだと400人分か.
一人100グラムとすると...40キロか.あれ? 思ったよりも少ないな.
とはいえ猪の標準的な重さが分からんな.こういうときは検索だ.

すると,中国新聞の「猪変(いへん)」という企画特集ページがヒット(しかし,すごい企画だな...).
その中のぼたん鍋の「主役」 独自ルートで流通というページが参考になった.
野生の猪は生後4-5年で100キロになるらしい.体重の半分程度しか売り物にならないそうだが,それでも40キロは十分超えるので,確かに5頭で2000人分はいけるようだ.

ちなみに豚は半年で100キロ以上になる上,猪は生後5-6年になると肉が硬くなって値段が下がるので,家畜としての効率は悪いとのこと.猪の効率が悪いというよりも,豚の成長速度が速すぎるんだと思うが...

そういえば,以前,同様の教員が実家でもらった猪肉を鍋で食べたことがある.
ちょっと硬めの豚肉という感じ程度の硬さだったので,それほど大きくなっていない猪だったのだろうか.