2006年02月25日

『水滸伝 折戟の章』北方謙三

[ Book]

北方謙三による『水滸伝』の第15巻.松山市立中央図書館所蔵.

本巻では梁山泊攻略のための総力戦とその戦後処理,そして禁軍の戦闘準備などが描かれている.

前巻で登場した張清たち3人もついに梁山泊入り.これで108人の好漢が全員梁山泊のメンバーとなった(と思う.ちゃんと数えてないけど).

水滸伝と同じような構成の話に,滝沢馬琴の『南総里見八犬伝』があるが,これは馬琴が水滸伝を参考にして作った,というのは有名な話.

八犬伝は正月もドラマ化されていたらしいが,八犬士が揃って後に何をしたのかまで描かれていたのだろうか?
主君である里見家に仕えて戦争をしたり,8人揃って主君の娘(だっけ?)を娶ったりしてたのだが,そこまでは知らない人がほとんどじゃないだろうか.

水滸伝も同じで,好漢全員が梁山泊に集まるまでは有名なのだが,これは70回本というやつ.
その後を描いた100回本,120回本というものもあって,そこでは最終的には官軍として迎えられて,地方の叛乱鎮圧に出向いてボロボロになって終わることになっている.
このあたりのあらすじや結末は知っていても,その詳細まで知っている人はあまりいないようだ.というか,私はよく知らない.

この北方水滸伝は全19巻なのだが,15巻でようやく全員梁山泊入り(したと思う).
しかし,原典では全員集結するまで108人が一人も死ぬことはなかったのだが,こちらでは既にポロポロ死んでいる.
ちゃんと数えたわけではないが四分の一くらい死んでいる.従来の水滸伝では考えられないことだ.
どれくらい考えられないことかというと,これが八犬伝だとこうなってしまう.

八犬士全員登場! ただし既に2名死亡!

うーん,ありえない...