2006年12月10日

『黄色い目をした猫の幸せ』高里椎奈

[ Book]

妖怪の存在を隠すため,薬屋と同時に探偵稼業も営んでいる「秋」「座木」「リベザル」の三人.
彼らの元を普通の中学生「良太」が依頼人として訪れた.その依頼は「ある中学生を妖怪に食べさせてほしい」というもの.依頼を無視した三人だったが,その中学生がバラバラ死体として発見されて...

前作『銀の檻を溶かして』に続く薬屋探偵シリーズ第2弾.前作同様,松山市立中央図書館所蔵.
これまた前作同様,ぶっとんだ設定なわけだが,それなりに普通に読めてしまったのは私が慣れてしまったせいだろうか...

本作はシリーズとしては2作目になるのだが,あとがきによると,一番最初に書かれたのはこの話なのだそうだ.
前作はミステリとしてはかなり卑怯というか,「そんなん分かるかー!」的だったのに対して,本作はかなりマトモ,というと語弊があるな,かなり正統派というか,ちゃんとヒントを組み合わせていけば,それっぽいところまでは辿りつける.
まあ,最後のとどめは「そんなん知ってる奴いるかー!」的ではあったけど.

あと,本作はミステリとしても読めるし,同時に主人公の一人である「リベザル」の成長物語としても読める.
読めるのだが...
中学生の「良太」と友達になるくらいなので,「リベザル」の年齢設定も中学生なんだろうけど,どう考えても幼すぎるだろ?
この記事を書くために色々調べたり,ちょっと読み直したりするまで,小学生だとばっかり思ってたぞ...