2007年05月29日

『鴨川ホルモー』万城目学

[ Book]

京都大学に入学したばかりの「安部」は食費を浮かすため,サークル活動には興味がないのに新歓コンパを回る毎日.
しかし,「京大青竜会」という怪しいサークルの新歓で出会った「早良京子」に一目ぼれした「安部」は,彼女と一緒にいたいがために京大青竜会に入会することに.
そして迎えた祇園祭の宵山.ついに京大青竜会の正体が明らかにされた.青竜会とは式神を使って戦う競技「ホルモー」を行うためのサークルだったのだ...

最初に書店で見かけたときから興味を持っており,チェックリストに入れてはいたのだが,なかなか遭遇できなかった.
そうこうしているうちに本屋大賞の候補になってしまったので,これは予約を入れないと読めそうにない判断,予約してみたところ,思ったよりも早く順番が回ってきた.三津浜図書館所蔵.

本屋大賞でもいいところまでいったというので期待して読み始めたのだが,期待どおり,かなり面白く(吉田神社の代替わりの儀式には爆笑してしまった),最初から最後まで一気に読みふけってしまった.

ただ,思ったよりもボリュームがなかったなあ,というのが正直なところ.いちおう作中では2年間が経過しているのだが...
まあ,これは本屋大賞を受賞した『一瞬の風になれ』と比較する方が間違っているんだろう(こっちは3年間で全3巻).
現在の構成のどこかに追加のエピソードを入れてしまうと,本作の持っているスピード感というか軽さが失われてしまいかねないしなあ.