2007年07月20日

『青空の卵』坂木司

[ Book]

保険会社に勤める「坂木司」は友人である「鳥井真一」の部屋を今日も訪れる.ひきこもりのプログラマーであり,料理が上手な「鳥井」を少しでも外に引きずり出すために.
そして,「鳥井」に外界への関心を持たせるため,「坂木」は自分の遭遇した小さな謎を語り,それを「鳥井」は...

この作者の本を読むのはこれが初めて.松山市立中央図書館所蔵.

最初は同じ作者の違う本を借りようと思っていたのだが,探偵役がひきこもりで社会復帰のために謎を解くという設定が面白そうだったので,本作を借りてみることに.結果として,これが正解だったようで,けっこう面白かった.

日常の謎系のミステリとしては非常にオーソドックス(助手役の話だけで探偵が真実を言い当てる)なんだろうけど,主人公二人の関係が微妙に(かなり?)歪んでいるので,好き嫌いが分かれそうだな.

で,主人公の一人が料理好きという設定なので,やたらと料理が出てくるのだが,一番印象に残ったのはカレーを食べるシーン.
こういうのを読むと,色々なスパイスを使った本格的なカレーを作って,それを作中のシーンのように手で直接食べてみたいなあ.

ああ,メイプルシロップのシーンも記憶に残ってるなあ.「最初の一滴」ってどんな味なんだろう?