2007年11月28日

『鹿男あをによし』万城目学

[ Book]

周囲から神経衰弱と言われて大学の研究室に居づらくなった「おれ」は教授の勧めで,奈良の女子高に2学期の間だけ教師として赴任することに.
担任の女子高生「堀田イト」に目の敵にされて悩んでいるところ,鹿に話しかけられた.
「さあ、神無月だ――出番だよ、先生」

『鴨川ホルモー』でデビューした作者の新刊.三津浜図書館所蔵.

前作が面白かったので,図書館で見かけたところをサクッと借りてきたのだが,2007年の直木賞候補であり,2008年には玉木宏と綾瀬はるか主演で連ドラ化されるそうだ.

序盤は『坊っちゃん』で,途中に剣道小説が挟まりつつ,全体的には歴史伝奇ロマン コミカル風といった感じの作品.面白くて一気に読んでしまった.

ただ,伏線が色々と張られているものの,かなり読めてしまうので,謎解き的な要素はかなり小さいかな.まあ,そういう話ではないので,それは全然構わないのだが.

登場人物の名字が昔の都に所縁があるものばかりだということには気がついたのだが,「小治田」と「堀田」が分からなかった.
調べてみたら,「小治田」は「小墾田」とも書いて,推古天皇の宮殿があったところだそうだ.知らなかった.
でも「堀田」については分からないまま.名前が名前だけにこれかなあ?と思うものもあるのだが.

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