2006年12月31日

『チキタ★GUGU 1-6巻』TONO

[ Book]

人喰いの妖怪「ラー・ラム・デラル」に家族を食べられてしまい,一人生き残った「チキタ・グーグー」.
チキタだけが生き残ったのは,彼が「死ぬほどまずい人間」だから.しかし,まずい人間は百年育てると夢のように美味になるという.
100年後に食べられるために,ラー・ラム・デラルに飼育されることになったチキタだが...

2006年も本(マンガを含む)に関する記事を115個ほど書いた.去年に比べると少し少ないが,それでも年100冊以上というのは何とか維持できたようだ.

ということで,去年もやった各部門のベスト1を選ぶことにしたわけだが,今年の少女マンガ部門のベスト1は,この『チキタ★GUGU』.

『ネムキ』という知る人ぞ知る雑誌に連載されているということから想像できるかもしれないが,ホラー系の話.
いや,ホラー系というよりもスプラッタ系というほうが正しいか.
というのも,白骨死体や腐乱死体やバラバラ死体やらがゴロゴロ登場するわ,人喰いシーンはバンバン出てくるわ,という話だから.
絵柄がかなりシンプルなので,それほどエグくはないのだが,これがもうちょっとリアルな絵柄だったら,読み進めるのはかなりキツイと思う.

私は怖い話やグロい話が苦手なのだが,それにもかわらず,この作品が少女マンガ部門のベスト1の座を勝ち取ったのは,この作品,ストーリーというか,エピソードがめちゃくちゃいいのだ.
ある種,動物ネタのシャルボンヌのエピソードはともかく,準主役で美形キャラであるクリップのエピソードもともかくとして,どう考えても悪役キャラのギスチョが,ギスチョが...

最終的にはこの作品が少女マンガ部門のベスト1になったわけだが,実は最後までおがきちかの『エビアンワンダー』と迷った.
先ごろ,『エビアンワンダー』が見事に完結したことを考えると,『エビアンワンダー』のほうがベスト1作品に相応しいかとも思ったのだが,最終的にはオルグのあまりの可愛さでこちらに.

で,他の部門のベスト1は以下のとおり.

・活字本 フィクション部門
『犬はどこだ』米澤穂信
2006年の最大の収穫は米澤穂信だったことは迷わず確定.同じ作者の『クドリャフカの順番』と悩んだのだが,単発物(シリーズ1作目?)ということでこちらを.

・活字本 ノンフィクション部門
『ぐるりのこと』梨木香歩
山田ズーニーの『理解という名の愛が欲しい』と悩んだが,2年連続で山田ズーニーというのも癪だったので.

・少年マンガ部門
『ヨコハマ買い出し紀行 全14巻』芦奈野ひとし
マンガ喫茶などでは少年マンガ(青年マンガを含む)も多数読んでいるのだが,手元においておきたくなるような作品がめっきり減ってしまった.これは少年マンガ部門でコミックスを買い続けていた数少ない作品の一つだったんだけどなあ.


ということで,2007年も面白い本に出会えますように.