2005年06月30日

ぴあの株主優待

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ぴあから株主優待が届いた.
図書カード,音楽ギフトカード,ぴあギフトカード(チケット購入に使える)を自由に組み合わせてもらえるのは前回と同じで,やっぱり前回と同じく全部図書カードにした.
ちなみに今回の絵柄は中村勘三郎なのだが,これが全然分からなかったのも前回と同じ.

今回も無配なので届いたのは図書カードと事業報告書(前回と同様の読み物形式)だけだったのだが,事業報告書をパラパラめくっていて,財務諸表の項目でフリーズしてしまった.
優待がもらえる限りは保有し続けようと思っていたのだが,この調子だと優待が無くなってもおかしくないくらい財務状況が悪化している(まあ,もともと悪いのだが).

損切りも考える必要があるなあと思って,株価をチェックしてみたところ...

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なぜか6月半ばから急激に上昇している.5月半ばの急落分を取り返しているだけとも考えられるのだが,損切りをするなら今が絶好のチャンスと言えなくもない.

しかし,ぴあの株主優待は3期連続で名前が株主名簿に載っていると倍増する.つまり,現在2500円分の株主優待が5000円分になるわけだ.
現在の株価&優待制度が持続するのなら,現時点で損切りするのはかなりの機会損失になる.

理性は「今のうちに損切りしろ」と囁いているんだが,うーん...

投稿者 saihide : 00:01

2005年06月29日

懸賞応募

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〆切が6月末日まで(当日消印有効)だったのだが,危うく忘れるところだった.
当たりますように...

DVDテレ冷蔵庫が当たらなかった場合,Wチャンス賞で「本生オリジナル24本セット」が当たる.
DVDテレ冷蔵庫が5000名に対して,本生は3万名.あまり懸賞には応募しないので,これが多いのか少ないのかは分からない.

しかし,本生は飲み飽きたので,できればDVDテレ冷蔵庫の方向で一つお願いしたい.何だったら2つ当たっても可.

投稿者 saihide : 18:03

『夏の災厄』篠田節子

春だというのに夏のような暑さが続く頃,古くからの集落と新興住宅地が混在する埼玉県のある市で奇妙な症状の患者が多発するようになった.
それらの患者は日本脳炎と診断され,市や医療機関は従来の法律と治療法に従って対処を行うが,その発病率の高さや明らかにならない感染ルートは日本脳炎のそれらでは説明ができないものだった...

どういう経緯だったか忘れたが,面白いという情報を仕入れたので,松山市立中央図書館で借りてきた.

あらすじからも分かるように,いわゆる疫病物なわけだが...

洒落にならないくらい怖い

決してスプラッタなシーンが続出するわけではないのだが,乾いた怖さというか,リアリティのある怖さというか,そういう怖さがあった.

疫病物は『ドゥームズデイ・ブック』しか読んだことがなかったのだが,『ドゥームズデイ・ブック』の舞台が未来と過去,しかも西洋ということで,どこか他人事的な感じがしたのに対して,この作品は現代日本が舞台.
それだけでもリアリティがあるのだが,題材とか道具立てが異常にリアルで,いつ本当に現実世界で起こってもおかしくないような感覚に襲われた.

リアルといえば,この作品の主人公の一人は公務員なのだが,お役所や官僚(医療行政?)の硬直性もかなりリアリティをもって描かれている.実際にこんな感じだったら,それこそ洒落にならんよな...

ということで,これから暑くなっていく夏に向けて読むと,ますます怖さが増すと思われるので,この機会に読んでみるというのはどうだろうか.


おまけ.
よく考えてみたら,篠田節子の作品を読むのはこれが初めてだった.
この作者は直木賞も取ってるし,ドラマの原作としてもよく使われているのに,どうして今まで読んだことがなかったんだろうか.我ながら読書傾向がやっぱり偏ってるなあ.

投稿者 saihide : 00:43

2005年06月28日

『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』山田真哉

各方面で話題になっている新書で,周囲の教員も多数読んでいたりする.
この手の話題本は確実に古本屋に回ってくるので,よっぽど読みたい場合や衝動買いの神が降りてこない限り,書店では買わないことにしている.
そろそろ古本屋でも見かけるようになってきたので,機会があったら買おうかと思っていたところ,学生さんが読み終わったというので借りてみた.

メインタイトルだけで判断すると「さおだけ屋」の話だけで新書一冊分も書けるのかと思うかもしれないが,サブタイトルが「身近な疑問からはじめる会計学」ということで,さおだけ屋の話は最初だけで,住宅街の中の高級フランス料理店や割り勘の支払い役などの全7エピソードを通じて,会計のことが学べるようになっている.

で,感想だが,簿記や会計学,さらには経営学のことを知らない人にとっては面白い本だと思う.
でも,これらのことをある程度学んだことのある人は,既に知っていることや当たり前のことばかりだと感じるかもしれない.まあ,そういう人は本書の想定読者からは外れているのだろう.

しかし,会計への結び付け方がちょっとムリヤリじゃないかと感じなる点もいくつかあった.フランス料理店のエピソードでは「連結経営」が説明されているのだが,これは「連結経営」というよりも「関連多角化」や「シナジー効果」という方が正確だろう.

と,ツッコミを入れたい点もいくつかあったりはするが,あとがきに会計学・経営学・統計学はこれからのビジネスパーソンに欠かせない知識になるのではないか,と書かれており,これについてはほぼ同意(まあ,私は統計のことは全くダメなので「これからのビジネスパーソン」としては失格なのだが).
ということで,会計学や経営学を知らない人にとっては,退屈せずに読める良い入門書になるのではないだろうか.


おまけ.
本を借りる現場に同席していた別の学生さんが本書を手にとって「字が大きくて驚いた」と言っていたのだが,確かに大きい.
この字の大きさは光文社新書に共通だっただろうかと思って,手元にあった別の光文社新書と比べてみたところ,違いがはっきり分かるくらい本書の方が字は大きかった.
字が大きいということは,それだけ字が少ないということなので数えてみたところ,本書は38字×13行=494字,別の本は41字×15行=615字だった.
その上,取り上げられている会計や経営の概念は既に理解していたものが多かったので,あっという間に読み終わったのも当然か.

投稿者 saihide : 00:01

2005年06月27日

『分身』東野圭吾(BlogPet)

きょうは、北海道に死は出演したいなぁ。


*このエントリは、BlogPet(ブログペット)の「グラハム」が書きました。

投稿者 graham : 09:02

みつ蜂(お好み焼き)

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以前,一番美味しいと思ったお好み焼き屋について尋ねられたことがあるのだが,よくよく考えてみると松山では5-6軒くらいしか行ってない.
その中で一番美味しい店といわれて思い浮かんだのが,萱町のみつ蜂.一度しか行ったことない店なのだが,妙に美味しかった印象がある.
ということで,4年ぶりくらいに行ってみたのだが,店が微妙に移転したようで,以前と雰囲気が違っていた.表にメニューが張ってなかったら,夜のお店と勘違いしそうだ.

中に入ってみると,エントランスホール(?)があるという,やっぱりお好み焼き屋とは思えない造りになっていた.この構造は...焼き肉屋? と思ったらオーナーが自分で設計したもので,コンセプトは「庭とゆとり」らしい

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二階席もあるようだが一人だったので一階のテーブル席へ.こちらの方は,ちょっとお洒落系のお好み焼き屋くらいのイメージか.
関西風も広島風もあるのだが,大阪出身者としては悩むことなく関西風に決定.
トッピングは色々悩んだのだが,内容からするとミックスの値段が割安に思えたので,ミックスのモダン焼き(=そば入り)を注文.自分で焼くか焼いてもらうかを選べるのだが,久しぶりなので自分で焼いてみることに.

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これがミックスのモダン焼きの材料.ブタ・イカ・エビが入っている(他にも入ってたかも).
早速焼いてみたのだが...

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なんか形がいびつだな.まあいいや,食べれば一緒だ.
ソースを塗り,粉カツオをたっぷり,アオノリを少々振りかけて,マヨネーズをかけて完成.

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うむ,旨そうだ.

早速食べてみる.うーん,やっぱり美味しい.
どうしてこんなに美味しく感じるんだろうと色々考えてみたところ,甘めのソースの味が大阪の実家の近所にあったお好み焼き屋(個人的には日本で一番美味しいと思っている)とよく似ているせいだと気がついた.
その店はどうも閉店してしまったらしいのだが,みつ蜂のお好み焼きの生地をもうちょっとふっくら柔らかにすれば,かなり近いものになりそうだ.生地の配合は店のものだからどうしようもないだろうけど,焼き方を工夫すればもう少しは近づけることができるかもしれないな.

しかし問題もある.値段だ.周囲の学生さんに聞いても「高い!」という意見が多数.確かにお好み焼き1枚で1000円程度はちょっと高いかなあ(ちなみに今回は995円).
でも,ランチタイムを利用すればもうちょっと安くなりそうなので,今度はランチタイムに来よう.

投稿者 saihide : 00:36

2005年06月26日

日東工器の株主優待

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日東工器から株主優待が届いた.図書カード2000円分だ.
いつものように配当利率と株主優待で目をつけ,四季報情報で特に問題がなさそうだったので購入した銘柄.
微妙に含み損を抱えていたりもするのだが,まだ許容範囲内だ.

今回,配当&株主優待と同時に事業報告書が届いたのだが,これを読んで日東工器の主力製品である「カプラ」のことが分かった.
「継手」という訳語があてられていることが多かったのだが,ホースとホースをつなぐジョイントのようなもののことらしい.

昔からパソコンに携わっている人間だとカプラ=音響カプラという構図ができていると思うのだが,実は元の単語は同じcouplerで「二つのものをつなぐもの」くらいの意味のようだ.しかし,ここを読んでいる人で音響カプラを知っている人はどれくらいいるんだろうか...

投稿者 saihide : 00:03

2005年06月25日

『現実入門』穂村弘

「人生の経験値」が異常に低い著者が,人生で初めてのことにチャレンジしていくという体験記的エッセイ.
そもそも穂村弘のエッセイを読むきっかけになった本であり,作者と同じく人生の経験値が低く,世界音痴の傾向がある私としては,かなり期待の高い一冊.

献血から始まり,モデルルーム見学,占い,合コン,相撲の升席などなど,多くの人が普通に経験していることもあれば,経験したことのない人も多いんじゃないか?的なことまで,様々なことにチャレンジしており,相変わらずの視点&妄想が展開されているのだが...イマイチ物足りなかった.

これは多くのチャレンジの際に美人編集者のサクマさんが付き添っているため,妄想が一人の中で加速度的にグルグルしていくのではなく,サクマさんに対する妄想になったり,あるいは現実のサクマさんにぶつかって妄想が止まっているからだろうか.

サクマさんへの妄想それ自体や作者のダメ人間さは相変わらず面白いし,そういう意味ではネット上でも評価が高いのは頷けるんだけど,もうちょっと突き抜けたものを期待してたためか,ちょっと期待はずれだった.


おまけ その1.
予備知識なしで読むと,最後の方で「ええっ!?」となり,さらにあとがきで「???」となると思う.私も「???」になってしまい,しばらく検索してしまった.


おまけ その2.
この本は,自分が読みたいがために図書館に入っていない本を初めてリクエストしたという,記念の一冊(『スタア・バーへようこそ』も同時にしたが).
これで人生の経験値が一つ上がってしまったわけだが,記念すべき初リクエスト先の図書館は松山市立中央図書館だった.ということで松山市立中央図書館所蔵.

投稿者 saihide : 00:50

2005年06月24日

『異国伝』佐藤哲也

「その昔、とあるところにそれは小さな国があった。あまりにも小さいので地図に載ったことがなかったし、旅行者向けの案内書にも載ったことがない。」という書き出しで始まる,「あ」から「ん」までの45文字で始まるタイトルを持った45編の掌編集.

この作者が書いた『熱帯』が面白かったので松山市立中央図書館で借りてきた.

さて,肝心の中身だが...これが難しい.一番最初に収められた「愛情の代価」がなかなか雰囲気がある作品で良かったので,「こういう話ばっかりなのかな」と思って読み進めたところ,2つめの「威光の小道」は全然違う作風.しかし,これはこれで面白いなあと思って次の「鬱々の日々」を読むと,これまた違う味わい.

という感じで,色々な話が収められている.なので,読んでみると気に入った話が見つかるような気がするが,不条理な話が多いので,やっぱり基本的には読む人を選ぶ本なのかなあ.

個人的に気に入ったのは,『熱帯』の不明省につながるような味わいの「魔王の機械」「排外の気風」,不思議だけどじんわりする「愛情の代価」「冷気の感触」,そういえば密輸業者なんだよなあの「帝国の逆襲」かな.

投稿者 saihide : 04:52

2005年06月23日

シャルトリューズ ジョーヌ

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既に数えるのも面倒な薬っぽいお酒シリーズ.
第3弾のシャルトリューズ ヴェール(緑色)の色違いで,黄色だからジョーヌ.イエロー・シャルトリューズとも呼ばれている.
ちなみに作られたのはヴェールの後なのだが,なぜかこちらの方が「リキュールの女王」という立派なあだ名を持っている.

ヴェールが薬草っぽいのに対して,ジョーヌは蜂蜜の香りが特徴的だということなのだが,確かに甘い.薬草っぽさもあるのだが,それが来る前に蜂蜜っぽい甘さが直撃する.
この甘さにプラスして,ヴェール(55度)に比べるとアルコール度数が低い(といっても40度)ので,ヴェールよりは一般受けするかなあ.
でも個人的にはヴェールのほうが好きかな.ただ,ヴェールだとロックで飲むのは厳しいが,ジョーヌのロックならば普通に飲める.甘いけど.

次はカクテルを作ってみた.

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ジンとジョーヌを3:1でシェイクしたアラスカ
うーん,ヴェールで作ったグリーン・アラスカの方が好みかなあ.

諸般の事情で手元に何種類かカクテルの材料が揃っていたので,手持ちのもので別のカクテルが作れないかと公式サイトを見てみたところ,ほとんどのレシピがヴェールのものだった.確かにサントリーのサイトでも紹介されているカクテル数はヴェールのほうが圧倒的に多いしなあ.
その中で手持ちの材料でつくれそうなのは「Trois Roses de Grenoble」くらい.フランス語は習ったことがないのだが,「グレノーブルの三本のバラ」かな?
レシピだが,ジョーヌとウィスキーとジンを4:2:1か... 何となくラスティーネイルっぽい味になりそうな気がするが,とりあえず作ってみよう.

chartreuse_jaune_3.jpg

シェイカーを使うのが面倒だったので,ビルドで作ってみた.
さて味のほうだが...確かにラスティーネイルっぽい味,というか蜂蜜っぽい味がするのだが甘すぎる.
ラスティーネイルはドランブイの甘さがスコッチで薄められていい感じの甘さになるのだが,こちらは甘さの元であるジョーヌが多すぎるんだよな.
あれ? ということは,スコッチとジョーヌを3:1くらいで混ぜれば甘さ的には問題なくなるのか? 今度試してみよう.

投稿者 saihide : 00:03

2005年06月22日

『スタア・バーへようこそ』岸久

世界のカクテル・コンクールのロングドリンク部門で日本人初のチャンピオンになったバーテンダーによるバーの入門書,というかエッセイか?
どういう経緯だったか忘れたが,ネットで存在を知って読みたくなり,図書館を検索したのだが見つからない.ということで,初めて図書館にリクエストしてしまった.なので松山市立中央図書館所蔵.

基本的なカクテルの種類から始まり,スタンダード・カクテルと著者が経営するスタア・バーのアレンジ版の違い,お酒の種類とバーテンダーの裏方仕事,さらにはこの世界に入るきっかけと心構えなど,バーについての知識を得るだけでなく,読み物としても楽しめる一冊に仕上がっている.

個人的にはスタンダード・カクテルとそのアレンジ版の違いが特に面白かった.
単にレシピの違いを載せるだけでなく,こういう狙いがあるので,こういう材料を使って,こういう技術で仕上げるのだ,とか書かれいて,「おおっ,それは飲んでみたい!」と思ってしまう.
しかし,カクテル2杯で4000円ですか... はぁ...

バーには何度か行ったことがあるが,この本を読んだため,バーへの接し方が変わりそうだ.

投稿者 saihide : 08:10

2005年06月21日

ストップ安

先ほど,たまたま株価をチェックしていたところ,「エラーかな?」と思うような数字が並んでいた.よく見ると,いわゆるストップ安だった.

今回ストップ安を喰らったのはアルビスという富山・石川を中心とした食品卸で直営店(要するにスーパー)も運営している会社.
配当利率と主要指標,そして四季報情報を見た限りでは割安に思えたので購入した銘柄なのだが...

Albis_Chart.gif

この始末である.私が喰らったショックを少しでも感じていただくため,画像をクリックして大きな画像でぜひ見ていただきたい.

ニュースなどを見る限りでは,今回のストップ安は主要販売先が取引停止を通知してきたためらしい.売上の20%というのだから,経営的にはかなりのインパクトがありそうだ.

アルビスとしてはどこかで妥協する事になると思うのだが,どちらにしても利益率とイメージの低下は避けられそうにない.
個人的には現在と同じくらいの配当を出し続けてくれれば,短期的には株価が下がっても良いのだが,ちょっと難しいかなあ.

投稿者 saihide : 12:05

大成ラミックの株主優待

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大成ラミックから株主優待が届いた.前回も書いたが,食品などの包装フィルムを製造している会社で,その業界では大手らしいのだが,一部では株主優待&高配当銘柄として有名である.

昨年秋に送られてきた品物に比べると,ざるそば・ざるうどん・そうめん・冷やし中華と夏向きのものが揃っている.ちょっと楽しみだ.

使い方に悩むのが炊き込みご飯の素.前回も入っていたのだが,結局は自宅では使わず,大学で学生さんたちに炊いてもらった.そういえば,それも1つ余ってたような...

こうなったら,株主優待でもらった米&海苔と組み合わせて,株主優待定食を作るしかないのだろうか.そういえば,ハム・ソーセージの類も株主優待で届くはずだなあ...

投稿者 saihide : 00:40

2005年06月20日

『分身』東野圭吾

自分を避けていた母の不可解な死に疑問を持った鞠子はその謎を調べるため,北海道から東京へと向かうが,訪ねた先で初めて会った人に見覚えがあると言われる.
一方,母から禁止されていたTV出演を強行した双葉は自分のことを調べている男の存在を知るが,その矢先に母が交通事故死する.母の死と父のことについて聞くため,母の知人に会いに東京から北海道に向かう双葉だが,初めて訪れた北海道で,やはり初めて会った人に知人のように声をかけられる...

学生さんが面白かったということで貸してくれた作品.
東野圭吾の作品は何冊か読んでいるが,医学系(『宿命』とか『変身』とか)の作品を読むのは今回が初めて.

学生さんが勧めてくれただけあって,確かに面白いのだが,問題はタイトル.タイトル&医学系の作品ということを知った上で読むと,タネがすぐに分かってしまうのだ.

まあ,タネが分かっても十分面白いのだが,根本のタネが分かってしまうと,その後の展開がかなり読めてしまうので,面白さがその分目減りしてしまったように思う.

もうちょっとひねったタイトルだったら,もっと楽しめたと思うのだが,もともとのタイトルは『ドッペルゲンガー症候群』だったそうだ.このタイトルもちょっと微妙だなあ...

投稿者 saihide : 00:18

2005年06月19日

第3回 ユーモア路上観察展@エスパス21

rojoukansatsu2005.jpg

少し前のこと.エスパス21から絵葉書が届いた.毎年恒例(?),ユーモア路上観察展のお知らせだ.

ということで昼ごはんを食べに行った帰りに寄ってみた.通常とは逆方向から行った&相変わらず分かりにくい場所にあるため,辿り着くのに少々苦労した.

朝日新聞にも取り上げられていたのだが,約100点の写真がタイトルと共に展示されている.
写真自体は名所や美しい自然などを写したものではなく,松山市や今治市などの普通の街中の写真であり,展示されていた写真のなかには普段から見慣れている光景もあった(大学近くの場所の写真もあった).
しかし,それを特定の視点から捉えることで,さらにはそれにタイトルを付けることで,「日常のありふれた光景」が「思わず笑ってしまう作品」になるのだ.

ということで,今回もニヤニヤ笑いながら展示を見て回った.
見た瞬間に笑えるものもあれば,タイトルを読んで面白さに気がつくものもある.
そのタイトルのつけ方も一ひねり,二ひねり加えられていたりするので,できればすべての作品を一度見終わったあと,もう一周してもらいたい.きっと新しい発見があると思う(「おたたさんの行商舟」(?)という作品は2回見てようやく意味が分かった).

26日まで開催(火曜日は休み),しかも入場無料なので,時間がある方は一度見に行ってもらいたい.

今回ヒットした作品は「おやつ、まだかな」と「お笑いへの階段」かな」(両方ともタイトルはうろ覚え).


おまけ.
記事を書くときに「『おたたさん』って何だ?」と思ったので調べてみた.なるほど,確かにそういう写真だったわ.

投稿者 saihide : 00:33

2005年06月18日

『ささらさや』加納朋子

突然の交通事故で最愛の夫を亡くしたサヤは,生まれたばかりのユウスケを奪おうとする義父一家から逃れるため,伯母が残してくれた田舎の家に引っ越すことに.
赤ちゃんを抱えた慣れない生活でさまざまなトラブルに巻き込まれるサヤだったが,ユニークな住人たちと,幽霊になっても彼女を助けてくれる夫に見守られて...

ということで,加納朋子作品を読むのもこれで9作目.
私の中では「加納朋子≒乙女チック」という図式が出来上がっているのだが,本作も道具立てからすると,かなりの乙女チック度を誇っている.なんたってハンサムで頭が良い夫(ちなみに映画会社の社長の息子)が死んでからも愛する人たちを見守るという話だ.

でも,本作の魅力はそれだけじゃない.
ユニークな住人,というかパワフルなおばあちゃんズがいい味を出しており,全体として乙女チックで,ほんわかしていて,やさしくて,面白くて,ちょっと切ないという,非常にいい作品に仕上がっている.
ただし,そういう他の要素が多い分,ミステリの要素はちょっと低めだった.
軽い気持ちでサラッと読めるので,結構オススメかもしれない.

個人的には加納朋子作品で一番好きなのは『掌の中の小鳥』で,第2位が『いちばん初めにあった海』だったのだが,ミステリとして読んだ場合は順位は変わらないけど,作品の雰囲気だけでいくと本作が第2位になるかな.


おまけ.
レディースコミックには育児物というジャンルがあるのだが(何故そんなことを知っているのかというツッコミはナシの方向で),それっぽいよなあと思っていたところ,実際に漫画化されているようだ.

投稿者 saihide : 00:01

2005年06月17日

ハウス食品の株主優待

house2005_yutai.jpg

既に結構な時間が経ってしまったが,ハウス食品から株主優待が届いた.
見てのとおり,カレーのルウが2種類,レトルトカレー1つ,フルーチェ1つ,チューブわさび1本.後ろに見えている袋には社長挨拶と広報誌が入っている.

書くべきことは昨年の記事に全部書いてしまったので,特筆すべきことはないのだが,同封されていた広報誌を読んでみたところ,思いのほか充実していた.
年4回発行で,登録すれば毎回無料で送ってくれるらしいのだが,こういうのはPDFにしてネットに置いてくれないかなあ.

投稿者 saihide : 17:48

『太陽の簒奪者』野尻抱介

水星を材料にして突如形成され始めた巨大なリングによって,日照量が激減した地球はリングの破壊を計画する.異星文明との遭遇に憧れていた女性科学者は,異星文明が造ったと思われるリングを破壊して人類を救うため,宇宙へと旅立つ...

非常に評価が高いSF小説で,いわゆるファーストコンタクト物.
この著者の作品については,これまでもライトノベルの方でかなり読んできたのだが,そのノリを期待したのがまずかったのか,ちょっとハード過ぎ&淡々とし過ぎで,あまり楽しめなかった.

個人的には,この作者の最高傑作は『ロケットガール』シリーズで,特に『私と月につきあって』だと思っているのだが,このシリーズ,2重の意味で人に勧めにくい.

一つは既に絶版になっているため.amazonマーケットプレイスだと2倍以上のプレミア価格になっているくらいだから,結構人気はあるのだろう.
でも,こまめに古本屋を探していると,時々売っていたりもする.ちなみに私は2年くらいかけて3冊とも古本屋で揃えた.ちょっと自慢だ.

もう一つは...第1巻が異様な雰囲気を醸し出しているのだ.特に表紙が.2巻以降はカバーなしで人前で読んでも平気なのだが,第1巻だけはちょっと遠慮させて欲しい.作風も第1巻とそれ以外ではちょっと違ってるし.
いちおう各巻ごとに独立しているので,2巻めから読んでも大丈夫なのだろうが...

投稿者 saihide : 06:55

2005年06月16日

『桜宵』北森鴻

住宅街の中にひっそりと営業しているビア・バー「香菜里屋」.
マスターである工藤の料理と推理に今日も常連たちは酔いしれる.

以前読んだ『花の下にて春死なむ』の続編.形式も前回と同じ連作短編集で,今回は5つの話が収められている.
前作では「うーん,解決したのかなあ?」的な話が多かったのだが,本作ではその傾向は少し薄まっている感じがする.
その意味では,前作よりも面白く読めたのだが,話の掲載順に問題があるようで,読み進んでいくにつれて「...」となっていき,最後には「うわぁ...」となってしまった.

あと,相変わらず出てくる料理が美味しそうなのだが,今回は料理だけでなくカクテルも出てくる.
そのうちの一つはジン,シャルトリューズ,ドランブイという,私の好きな酒を三つとも使ったカクテルなのだが,これは作ってみろという神のお告げだろうか?

おまけ.
表題作の中に「御衣黄」という珍しい桜が出てくるのだが,実物を一度見てみたいと思って検索してみた.
ちゃんと調べ切れていないのだが,いちばん近いところだと小豆島になるのだろうか.ちょっと遠いなあ.「鬱金」は新居浜にあるみたいだけど.

投稿者 saihide : 00:25

2005年06月15日

満足度と継続性の関係

別件の調べ物のためにネットをうろうろしていたところ,面白そうな調査を見つけた.
顧客満足度(CS)と購買行動の関係性に関する調査という難しそうなタイトルが付いているが,満足しているけど次は違うブランドを買ったり,逆に満足していないけどその店を使い続けたりすることに関する調査だ.

特に面白そうなのは「満足していないけど継続する」ユーザーが多い商品.調査では携帯電話,ガソリンスタンド,コンビニが挙げられている.
これに関係しそうなネットワーク外部性とか顧客満足度については専門家が周囲にいるので,詳しい分析はそれらの方々に任せたい.
でも携帯電話については不満があっても使い続けるのは納得できるのだが,ガソリンスタンドとコンビニはどうしてなんだろうかね.
調査の要約(24ページ)も無料で読めるので,時間があったら読んでみよう.

投稿者 saihide : 11:58

『ホテルカクタス』江國香織

いちおう小説の部類だと思うので,いつものスタイルなら紹介文から書き始めるのだが,普通に紹介文を書いてしまうと,BlogPetのグラハムによる電波系な記事と思われてしまいかねない.

『ホテルカクタス』という名前のアパートには「帽子」と「きゅうり」と「数字の2」が住んでいて,競馬に行ったり,誕生日を祝ったり,里帰りしたりしました.

ほら,電波系でしょ.

この本はそもそも学生さんが貸してくれたものなのだが,作者が恋愛系小説で有名な江國香織で「ホテルカクタス」というタイトルだから,てっきりタイトル名のホテルを舞台にした恋愛物だと思っていた.
貸してもらうときに説明を聞いたので,その誤解自体は読む前に解けていたのだが,説明を聞いて逆に「???」となってしまった.

実際に読んでみると,寓話にしてはちょっとリアルだし,小説にしてはちょっとメルヘンだしで,不思議な話だった.でも,これが面白かったりするから,さらに不思議だ.
非現実的な登場人物たちなのだが,彼らが感じることに「そういうことってあるよな」と共感してしまったり,「そういうことってあって欲しいよな」と羨んでみたり,そういう面白さがあった.

江國香織の本はそれほど読んではいないのだが,今まで読んだのとは違うタイプの本で,「江國香織ってこういう話もかけるんだ」ということで,ちょっと意外な発見があった一冊.

投稿者 saihide : 00:53

2005年06月14日

ぴあの株主総会&上映会(の案内)

ぴあから株主総会の案内が来た.
ぴあは株主優待目当てで購入した銘柄なのだが,赤字&無配転落で含み損が順調に拡大しているという悲しい銘柄でもある.

この手の業種としては当然のことだが,本社は東京にあるため,株主総会も当然東京で開催される.
愛媛県松山市在住の身としては到底出席できないわけだが,今回の株主総会は終了後に株主懇談会と映画上映会が行われるそうだ.

懇談会はどうでもいいのだが,上映会で上映される映画「運命じゃない人」がかなり面白そうだ.
こういうときは地方在住であることを悲しく感じるなあ.

投稿者 saihide : 12:05

ダイキとMSCB

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諸般の理由から松山近辺にある上場企業の株は買うようにしており,ホームセンター事業でおなじみのダイキの株も持っている.
しかし,高値で掴んでしまったため,10%以上の含み損を抱えている.まあ,愛媛にいる限りは売るつもりはないので,配当さえ順調に出してくれればそれほど不満はないのだが,数日前から株価がおかしな動きをしていることに気がついた.
特に悪材料が出ていないのに株価が急速に下がり始めたのだ.

daiki_mscb_2.gif

しかも日中足のグラフでみると,大引け直前になって急激に下落しているという不自然さ(グラフは6/10と6/13の日中足).
なんだか不気味だなあと思っていたところ,月曜日に株価をチェックしていて理由が分かった.価格修正条項付き転換社債,いわゆるMSCBのせいだったのだ.

ライブドア騒動のときにニュースでも取り上げられていたので知っている人も多いだろうが,転換社債というものがある.借りる方,今回の場合はダイキからすると,この転換社債は「負債」(=借金)であり,返済期日には返済する義務がある.
しかし転換社債は一定の条件の元で株式と交換することができる.株式というのは「資本」であり,これには返済義務がない.それどころか金利の支払い義務もない.

借りた方からすると万々歳かもしれないが,貸した方がどうしてそんなリスキーなことをするのかというと,社債と株式の交換レートである「転換価格」よりも株価が上昇すれば,転換した株式を売却することでより高い利益を得られるためだ.

単純な転換社債だと,今回のように株価が下がることは社債の保有者にとってデメリットのほうが大きい.転換価格よりも株価が下がった場合には転換による利益を得られないためだ.

しかし,これがMSCB,つまり価格修正条項がついていると話は変わってくる.この価格修正条項というのは,一定の条件によって転換価格を随時見直すという条項であり,多くの場合,転換価格をそのときの株価に応じて下げるための条項である.
この条項があると,転換価格よりも株価が高くなることが多いため,社債の保有者は社債を株式に転換する可能性が高くなるというのが本来の目的だと思う.

しかし,最近はこの条項を悪用することが多い.具体的には,空売りを行うことで一時的に下がった株価をもとに転換価格を過度に下方修正させ,その転換価格で社債を株式に転換するのだ.
これによって,通常よりも多くの株式を手に入れることができるのだが,あとはこれを通常の価格に戻った頃に売ってしまえば,本来得られたであろう利益よりも多くの利益を獲得することができる.

ライブドアのMSCBのときはリーマンブラザーズがこれをやったわけだが,今回のダイキの相手は誰か分からなかった.しかし,今回の株価下落によって転換価格は当初の1262円から950円まで低下した.
今後の株価次第ではあるが,単純計算だとMSCBの保有者は通常得られたはずの利益よりも30%以上も多くの利益を獲得できる計算になる.

しかし,ここで発生した利益は,従来からの出資している株主の持分が薄まったことによって生み出されていたりする.つまり,既存株主が損をしているのだ.
この調子だと含み損がまた拡大したりするのだろうか...

投稿者 saihide : 00:10

2005年06月13日

『勝負の分かれ目』下山進(BlogPet)

グラハムはここまでロイターで労働するつもりだった?


*このエントリは、BlogPetの「グラハム」が書きました。

投稿者 graham : 10:03

PEPSI X

pepsix.jpg

サントリーがオリジナルのヘルシー系カクテルを募集しているという話を聞いたので,ちょっと見てみようとサントリーのサイトにアクセスしたところ,それとはまったく別の情報にヒットしてしまった.
「コーラとガラナの刺激!ペプシ X(エックス)新発売」
昨年の夏,その毒々しい色彩で評判になったPEPSI BLUEに続く,夏季限定ペプシだ.しかも今回はガラナ配合.怪しい,怪しすぎる!

ということで,夜中にもかかわらず,すぐさまコンビニに走ってしまったのは,アルコールのなせる技か,それとも「怪しいもの好き」の業なのか...

中身なのだが,通常のコーラよりも紫がかっている気がする.通常のコーラに比べて甘ったるい匂いがすることもあり,ファン○グレープが混じっているような感じ.

続いて味.ガラナは北海道で飲みまくっていたのだが,既に10ヶ月近く前の話なので味の記憶があまりない.でも,確かにこんな感じの味だったような気もする.
しかし,色と匂いのためか,ガラナというよりもファ○タグレープのような気がして仕方がないのだが...

基本的に好きな味ではあるのだが,クセになる味,直撃かどうかは微妙.
まあ,夏の終わりに特価で売られていたら大量購入することにしよう.


おまけ.
ウェブ上のニュースリリースには「対象製品がなくなり次第終了」とある.
ということは,初期ロットがなくならない限り店頭に並び続けるのかな?

投稿者 saihide : 00:56

2005年06月12日

『福祉を変える経営』小倉昌男

著者は「クロネコヤマトの宅急便」で有名なヤマト運輸の元社長であり,現在ではあって当然の存在になっている宅急便(宅配便)事業を開発した人.
ビジネスの世界を引退してからはヤマト福祉財団を設立し,福祉の世界に経営を導入しようと活動をしている.
この本は福祉に経営を取り入れることの必要性と財団で行っているセミナーの内容を紹介したもの.

「福祉の世界にこそ経営が必要である」という主張については全面的に賛成なのだが,この本を読む以前に財団の活動を取り上げたTV番組を見たことがあったし,経営のことについても経営学をある程度学んだ人ならば当然のことばかりなので,そういう方面では新しい発見はあまりなかった.
しかし,財団についての予備知識なしでこの本を読むと色々なことに驚かされると思う.

どうやら,一部の人の善意だけでは世の中は良くならないというのが,この世界の悲しい現実のようだ.
このような状況においては,世の中を良くしようと現在の世の中を動かしているルールを変えるために努力することも重要だろうが,そのような大きな変革はかなり難しい.
ならば,少しでも良くしていくためには現行のルールの中で善意が活かせるような行動をしなくてはならない.
そして,そのためには,現行のルールについて学び,その上で各種の知識や技法を学ぶ必要があるんじゃないだろうか.

おまけ.
ヤマト福祉財団以外にも,福祉と経営を結びつける活動はいくつかあるようだ.
この記事で紹介されている兵庫セルプセンターふれ愛洋菓子PontTiede事業などはヤマト福祉財団が手がけているスワンベーカリーをさらにパワーアップさせたような感じで,この方式は他の事業にも応用が利きそうだ.

投稿者 saihide : 00:01

2005年06月11日

『勝負の分かれ目』下山進

取引所の電子化がもたらすチャンスにいち早く着目し,通信社から金融情報企業への転身を図ったロイター.
そのチャンスに気づきながらも通信社であることに固執した時事通信.
早くから情報化の利点に気づき,ロイターにライバルと認められた日経新聞.
強者連合として生まれながら時流の流れに取り残されていった,ある意味で日本を象徴しているようなQUICK.
その独自の商品の優秀さと若い企業特有のバイタリティで追撃するブルームバーグ.

情報ベンダー企業の盛衰を描いたルポルタージュであり,国際経済の動きから企業の戦略,情報化,労働組合,ジャーナリズムまで,さまざまテーマを含んだ非常に読み応えのある一冊.

というか,二段組みで550ページというのはちょっと読み応えがありすぎ.

読んでいる最中は時事通信の組合運動の章が退屈で仕方なかったんだが,最後の記者の過労死の話につながってくる以上,無いとまずいんだろうなあ.
色々なテーマが含まれているのだが,著者のメインの主張はどうやらジャーナリズム論の方にあるようだ.
個人的にはジャーナリズムには興味がないので,ジャーナリズム論は別冊にして,企業戦略とか情報かのあたりを中心にして薄くしてくれれば他の人にも勧められるのだが...

ちなみに松山市立中央図書館所蔵なのだが,古本屋で安く発見できたら買おうかな.


最後に気に入った箇所を引用.

 我々の世界は何によって動いているのだろうか。政治だろうか。外交だろうか。いや、違う。政治も、外交も、ある大きな流れを少しだけ変えることのできる調整機能にしかすぎない。流れそのものは、人々が生活をし消費をし、富を蓄積し、投資をするという金の流れ――すなわち経済にある。先のふたつの戦争も、もとはと言えば、もっと豊になりたいという人々の欲求がぶつかりあった結果ではなかったか。株価のひとつひとつ、商品の値段のひとつひとつは、そうした我々の世界を映し出す鏡なのだ。資本主義である限り、この分野こそが成長していくのだ。
 技術というものはいったん発明されてしまえば、それを使わないでいることはできないのだ。昔のやり方に拘泥するのは、馬車で、自動車と競争をしようとするのと同じだ。
しかし、活字がなくなることの本当の意味は、合理化だけにあったのではない。デジタル化したデータは、回線を通じて引き出せる。もう紙である必要はない。つまり『総合情報化戦略』の本当の成功は、デジタル化したデータをどう使うかにかかっていた。
「誰に対してもわかる言葉で自分の仕事を説明すること。共通のわかりやすい言葉で縦横に語り合え」太田哲夫QUICK社長
投稿者 saihide : 00:19

2005年06月10日

シノブフーズの株主優待

shinobu2005a_yutai.jpg

先日,シノブフーズの株主優待が届いた.
シノブフーズといってもピンと来ない人がほとんどだろうが,コンビニにおにぎりなどを提供している会社.愛媛だとファミリーマートがメインの供給先になるのだろうか.
大学生協にも供給しているようで,授業の関係で昼に食べに行けない時はお世話になることも多い.

本業がコンビニへの提供となれば,株主優待はコンビニ弁当あるいはおにぎり?と思いきや,おにぎりに使っている関係でか,高級海苔5000円分...ご飯を炊かなくなって久しい私に,この海苔をどうしろというのだ? 韓国海苔だったら酒のアテとして消費できそうだけど,味付け海苔でもイケルかなあ...

ちなみに,株価のほうは購入時に比べると10%以上下落している.
さらに追い討ちをかけるように,来期の予想純利益は18億円の赤字.どうやら減損会計の関係らしいが,おかげで一株あたり利益で110円のマイナスの予定.
となると,もっと下げる可能性もあるけど,現状でPBRが1を大きく下回ってるから(=株式の時価総額よりも会社の持っている資産の方が大きいので割安),実はそれほど下げないかもしれない.
基本的に配当金目当てなので,それほど売る気はないのだが,配当金が下がるようだったら考えてしまうなあ.というか,一株あたり110円のマイナスとなると配当金は出しにくそうではあるな.

投稿者 saihide : 14:38

indexページのダイエット

以前から気になっていたmemorandumのindexページのダイエットを決行した.

どこかのBlogで見た「続きを読む」をクリックするとページを移動せずにズラッと表示するのが気に入ったので,当サイトでもこれまではそのスタイルでやってきた.
しかし,これはクリックするたびに続きを読みに行くのではなく,最初に続きも含めた全データを読み込んでおき,クリックされるまで隠しておくことで実現されていた.

クリックするたびに続きを読みに行くのと,最初に全部読んでおくのでは,トップページ(=indexページ)のサイズが全然違ってしまう.
文字データだけでなく,表示されていない部分の画像データも読み込んでいるため,トータルではかなり違っていたはずだ.

ということで,今回のダイエットによって,「続きを読む」を押すと個別記事に飛ぶスタイルに変更してみた.まあ,MovableTypeの最初のスタイルに戻してみたわけだ.
これだけだとトップに戻るのが面倒なので,個別記事の最後に「戻る」ためのリンクもつけてみた.

これでトップページのファイルサイズがかなり小さくなった.
今まではトップには記事10件を表示していたのだが,ダイエット前の時点で39KB.実際には画像のデータも読み込まれるので,平均すると100KB以上のデータがトップページを表示するために読まれていたことになる.
今回のダイエットの成果だが,39KBが27KBにまで減少した.三分の一弱のダイエットに成功したわけだが,実はダイエットついでに記事の表示件数を10件から14件に増やしてこのサイズ.読み込まれる画像もダイエット前よりも少なくなるので,多くて50KBくらいのデータで済むと思われる.

最近ではほとんどの人が定額料金&ブロードバンドでネットを使っているので,あまりファイルサイズのことは気にしないでいいのかもしれない.
また,検索エンジンへのヒット率のことを考えると,ファイルサイズのことは無視すべきなのかもしれない.
そういう意味では時代に逆行しているような気がしないでもないが,このあたりは個人の好みの問題だしね.

投稿者 saihide : 00:11

2005年06月09日

tinyurl.com

最近,メルマガや掲示板などでtinyurl.comというURLをよく見かける.
ちょっと気になって調べてみたところ,長いURLを短縮&転送してくれる無料のサービスのようだ.
ためしにGoogleへの短縮URLを作ってみたら,http://tinyurl.com/86cy9に変換された.
この手の無料サービスは広告収入モデルがほとんどなのだが,サイトには広告は1件しか表示されていない.しかも転送時にはこのサイトは表示されないので,広告料収入の源泉は短縮URLを作る人だけ.

こんなので運営できているのかと心配になったのだが,紹介記事を読んだところ,2004年の時点では大儲けはしていないものの赤字ではないらしい.
少しでも利益が出ているのであれば,それなりに継続されるだろうが,利用者が増えた場合の問題は残っていそうだ.

で,利用者側からすると,このサービスを悪用する奴らがいるという問題がある.
通常のURLの場合,クリックしても安全かどうかの判断はURLを見ればある程度つく.
しかし,短縮URLでやられると,クリックしてみないとリンク先が分からないのだ.
アフィリエイトとかクリック保証広告に飛ばされるくらいだったらいいのだが,悪意のあるサイトに飛ばされることを考えると,なかなかクリックできない.

本来の用途は善なるものなのに,同じ技術でも悪用できてしまうからといって,サービス自体が休止に追い込まれたりしませんように.

投稿者 saihide : 12:27

『伝わる・揺さぶる!文章を書く』山田ズーニー

傍から見ると私の本の選び方は訳が分からない,支離滅裂に思われるかもしれないが,自分自身ではそれなりのスジが通っているつもりだ.
で,そのスジの中には「こういう本には手を出さない」というスジもあって,実はこの本はその「読まないスジ」にバッチリはまっていた.そのため,書店で並んでいるのを見ても手にも取らなかった.

その後,ネットでえらく絶賛しているのを複数読んだので,古本屋にて105円で購入.出張のときに読んでみた.

ごめんなさい,私が悪うございました.

はっきり言って名著です.

タイトルからすると,文章術の本のように思われるかもしれないが,文章術というよりも思考術&コミュニケーション術の本という方が正しいだろう.

「コミュニケーション」については色々と考え方があるのだが,実は「コミュニケーション」というのは「えげつないもの」だと私は考えている.
このあたりは福田和也の『悪』三部作の記事を書くときにでも改めて書くと思うが(読んだのはずいぶん前だけど本当に書くのか?>自分),本書はそこまでえげつなくはないものの,「機能するかどうか」を重視すべきだと主張しており,その観点から色々な考え方やテクニックを教えてくれる.

今年のゼミ生の「夏休みの友」はこれにしようかな.


最後に気に入った箇所を引用.

 今日も、そうした教科書に載らない名文が、どこかで書かれている。おかげで、電車は走り、ビルは建ち、宅急便が届き、世の中がまわっていく。
 状況の中で、人との関係性の中で機能し、望む結果を出す文章たち。それらは、花のように美しくはないが、人を動かし、よく状況を切り開く。いわば、機能美の文章だ。
意見と問いは呼応している。いい意見を出す人は、「問い」も深い。「問い」が浅薄だと、意見もそれなりになってしまう。
 多くの場合、問いは無意識の中にある。正体不明の違和感、ひっかかりを抱えて、ある日、ふと、自分が何に悩んでいたのかに気づくことがある。「問い」の正体がわかるだけで、ずいぶんはっきりする。
 さて、視野を広げて問題の全体像を見た上で、どういう意見を出すかは、再び自分自身にかかっている。同じ事実を前にしても、生まれ育った環境や世界観が違えば、意見は異なる。あなたと同じ人間はいない。だから、あなたが考える価値がある。
投稿者 saihide : 00:01

2005年06月08日

約20個の質問 その後

一部方面で多大な反響を呼び起こした人工知能研究所だが,運営が中止されてしまった.

あちこちの有名サイトで取り上げられた結果,サーバおよびネットワークの負担が半端じゃなくなってしまったのが理由ではないかとしている人もいる.

しかし,有名になった結果,変な情報を入力する人が多くなってしまい,そのために当初の目的(=正解率を上げるための学習)がうまくいかなくなったのが本当の理由じゃないだろうか.

アプローチも目的もちょっと違うのだが,利用者が登録することによって情報の精度を上げようとする試みとしてフォークソノミーというのがある.folks(群衆)+taxonomy(分類学)の合成語なのだが,「集団で寄って集って分類しよう」という感じの意味だ.

フォークソノミー系サービスにはいくつか種類があるのだが,有名なものとしてFlickrというオンライン写真アルバムサービスがある.
これは単に画像データを登録・保管するだけのサービスではなく,登録した画像にタグ(=属性)を複数設定することができ,その属性(例:dogとcarとか)で画像の検索ができたり(googleのイメージ検索みたいな感じ),その画像を介して他の人とつながったりできるらしい(Blogみたいなもの?).

人工知能研究所の今回の顛末からすると,フォークソノミー系サービスでも変な情報が登録されることによって情報の精度が落ちてしまった結果,サービス自体が破綻してしまうう可能性はある.

しかし,人工知能研究所のサービス(実験?)が興味本位&匿名で利用されるのに対して,フォークソノミー系のサービスは,自己利益本位(=自分のために登録した情報を共有しましょう)&登録制が基本になるため,変な情報を登録する人はあらかじめ除外できそうだ.

やっぱり,長期的に持続可能なシステムというのは,個人の利益につながるような仕組みを持つ必要があるということなんだろうなあ.

投稿者 saihide : 18:23

パオスブタ@緑モス?

そういえばモスバーガーの期間限定商品であるパオチキンは食べたけど,もう一つのパオスブタは食べてないなあ,ということで松山東環状店の緑モスならぬ緑モドキに行ってみたのだが...

mos_subuta_1.jpg

表の看板に「緑モス限定商品」の販売を開始したとあるではないか!

ということで,松山東環状店は緑モドキではなく,正真正銘の緑モスだったようだ.お詫びして訂正したい.

早速店内へ.限定商品が販売されたからといって店内が大きく変わっているはずもないのだが,気のせいか店内も立派に見えたり...はしないか.まあ,いいや.

当初の目的はパオスブタだったので,まずはパオスブタをオニポテセットで注文.
続いて,緑モス限定商品を注文しようとしたところ... あれ,ないぞ?
と思ったら別のシートに限定商品であるサラダが掲載されていた.今回は値段の都合でトマトとレタスのサラダを注文してみた.

どうやらアルバイトが新人さんだったようで,えらくオペレーションが悪かったが,しばらく待っていると注文したものが順次やってきた.
まずはパオスブタ.

mos_subuta_2.jpg

正式名称はパオスブタ 黒旨酢仕立てだ.
思わず笑ってしまうほど酢豚っぽい匂いがする.味も酢豚っぽいのだが,酢豚にしてはハンバーグがちょっと柔らかすぎるかな.まあ,予想していたよりも美味しかったので一安心.

さて,次が本命のトマトとレタスのサラダ(350円)

mos_subuta_3.jpg

緑モス限定のサラダは3種類あるのだが,残りの2つに比べると普通のサラダだ.
しかしサラダセットにしたときのグリーンサラダSに比べると結構な量がある.グリーンサラダSが190円で,こちらは350円なのだが,量的には2倍くらいあるかもしれない.
ドレッシングは和風とシーザードレッシングが選べたのだが,今回は和風にしてみた.ちなみに容器いっぱいにドレッシングが入っており,しかもドレッシングが分離していたため,かき混ぜるのに苦労した.
味は普通に美味しくて,久しぶりに美味しいトマトを食べた気がした.

今回はスープは注文できなかったが,次回はスープにチャレンジしたい.


おまけ.
モスバーガーのウェブサイトで愛媛県の店舗を検索してみると,松山東環状店には匠味&十段のマークが付いている.ということは,将来的には匠味&十段も食べられるようになるということだろうか?
十段はもうどうでもいいのだが,匠味は普通に食べたいので,ぜひ復活させてもらいたい.

投稿者 saihide : 01:25

2005年06月07日

ベルト通しの正式名称

タイムフラッシュの記事を書くとき,一番困ったのが「ベルト通し」のこと.

「ベルト通し」という名称を思い浮かべるまでに,ベルトホルダーとかベルトホールとか色々な単語で検索したのだが,ことごとく違っていた.

最終的に「ベルト通し」という単語を思い出し,これで分かってもらえるだろうということで落ち着いたのだが.どうも釈然としないものがあった.

ということで,先ほど「ベルト通し 正式名」でググってみたところ(何故この検索語を昨夜のうちに思いつかなかったのか?),「ベルトループ」という単語がヒット.
おおっ,これこそ探し求めていた名称!

と思ったのだが,googleのヒット数でいくと「ベルト通し」が24500件,「ベルトループ」が29600件.うーん,思ったよりも差がないなあ.

投稿者 saihide : 12:49

ZIPPO タイムフラッシュ

timeflash_2.jpg

壊れた時計の代わりに新しい時計をネットで注文していたのだが,それが届いた.
今回もZIPPOの製品なのだが,方位磁石付きとなると,以前のやつの後継機種(モデルチェンジしてた)か,この「タイムフラッシュ」くらいしか見つからなかったのだ.
どちらも値段は同じくらいだったのだが,前回と同じやつというのも芸がないので,今回は「タイムフラッシュ」を買ってみた.

梱包用のダンボールを開けてみると,えらく立派な木箱が出てきた.それを開けてみると...

timeflash_1.jpg

なんだかえらく大きいんですけど?

とりあえず持ってみると...

なんだかえらく重いんですけど?

とりあえず以前のようにベルト通しにぶら下げてみると...

なんだかえらくブラブラするんですけど?


かなり違和感があるので,以前のやつと並べてみた.

timeflash_4.jpg

こうやってみると,それほどサイズは変わらないのだが,厚さ&ボリュームがかなり違うのだ.

timeflash_3.jpg

その厚さ&ボリュームの原因の一つになっているのが,このスライド式の温度計.温度計は要らないんだけどなあ...

もう一つの原因が名前の由来にもなっているLEDライト機能.時計の下の方にレンズっぽい部分があるが,反対側のボタンを押すとこれが光る.かなり光る.
暗い廊下で鍵穴を探すときなどにライトがあると便利だなと思っていたので,これは便利そうなのだが,この厚さ&ボリュームに見合うだけの機能かどうかは疑問.

そして,サバイバルツールなどと銘打っているのに,この時計,日常防水さえ付いていないのだ.つまり,前回のやつみたいにベルト通しにつけたまま洗濯すると一撃で壊れてしまうということだ.
しかも,ベルト通しにぶら下げて持ち運ぶことを前提とした構造のはずなのに,そのままでは時計が逆向きになってしまうという構造的欠陥も抱えている.

これと比較すると,以前買ったタイムコンパスというのは実は完成度が非常に高かったのだということを思い知らされた.
使い慣れると変わってくるのかもしれないが,現時点では全体的に失敗感が強い買い物といえる.
やっぱりこの手のやつは実物を手にとって実際に見た上で買うべきだなあ.

投稿者 saihide : 00:20

2005年06月06日

日本ライトンの株主優待 その後

liteon2005a_yutai.jpg

4月の中旬に日本ライトンから株主優待のカタログギフトが届いたことを記事にした.
書いた時点では何を選ぶか決まっていなかったのだが,結局,たこ焼き焼き器を選んだ.
大阪では一家に一台たこ焼き焼き器があると言われるが,これでようやく私も大阪人としての正しい姿を取り戻したといえる(しかし大阪の実家にたこ焼き焼き器がやってきたのは私が松山に来てからだったりする).
しかし,自宅で一人さびしくたこ焼きを焼く&むさぼり喰らうという状況は悲しすぎるので,研究室に置いておくことにした.これでたこ焼きを焼きながらゼミを行うことも可能になった.

まあ,可能というだけで実行するかどうかは別の話ではあるが.

ちなみに松山に来て驚いたのが,たこ焼きにキャベツを入れることだ.
松山オリジナルかと思っていたのだが,たこ焼き用の粉の袋にあるレシピではキャベツを入れるとあるし,検索をかけても普通に入れているところが多い.
しかし,大阪の屋台で売っているようなたこ焼きには確実にキャベツは入っていないと思うのだが...

投稿者 saihide : 00:55

2005年06月05日

パスカード

PassCard_1.jpg

かなり前のことだと思うが,研究室に黒っぽいスーツの男性がやってきて「お得なカードを買いませんか?」と誘われた.あまりにも怪しかったので「結構です」と断りそうになったのだが,とりあえず話を聞いてみたところ,カードを購入して飲食店に行くと,そこで割引が受けられるという.
いわゆるクーポンみたいなものかと思ったのだが,どうもビジネスモデルが違うらしい.そのまま話だけ聞いて追い返すのも悪いので,その「パスカード」とやらを購入する代わりに詳しい話を聞かせてもらうことにした.

いわゆるクーポンの場合,利用者,発行者,店舗という三者が存在している.
利用者はクーポンは無料で手に入れることができ,それを持っていけば店舗でサービス(割引などを受けられる.
店舗はクーポンと引き換えに利用者にサービスを提供するのだが,これは店舗側の負担になる.それでも利用者が増加するので店側にメリットがないわけではない.
では無料でクーポンを発行する発行者はどのようにして利益を得ているのかというと,店舗側から受け取る広告費で儲けることになる.いわゆる広告型ビジネスモデルだ.この手のビジネスモデルの代表例はTV(NHKを除く民放各局)であり,就職・住宅情報誌などもこのビジネスモデルを利用または併用(雑誌が有料の場合)している.
このビジネスモデルの場合,サービス負担分&広告費で店舗が一方的に損をすることになるのだが,一組あたりの利幅が小さくなっても客が十分に増加すればトータルでは利益を出すことも可能だ.
しかし,広告費が客の数に関係なく一定である(=固定費)のに対して,サービス負担分は客が増加すればそれに比例して増加する(=変動費)ため,どれくらいの割引を行うかなどをちゃんと計算しておかないと,予想以上に客が増えて利益が出なくなってしまう可能性もある.

これに対してパスカードの場合,利用者はカードを有償で購入することになるのだが,発行者はこのカード代金で利益を得ることになる.で,店舗側はサービス負担分だけで広告費は負担しない.つまり,発行者はクーポンの場合には店舗からの広告費で得ていた収入を利用者からのカード代金で得ることになる点が大きく違うわけだ.
それだけなら負担者が違うだけのように思うかもしれないが,実はもう一つのメリットがある.どのようなサービスが受けられるかは店舗と発行者の契約次第だが,サービスを受けるたびにスタンプを押していくことでサービスの提供回数を制限していることが多い.この回数制限に加えてカードの発行枚数をコントロールすれば,店舗側のサービス負担分の最大金額がコントロール可能になるのだ.
また無料のクーポンと違い,有償のパスカードの場合は「金を払ったからには絶対に元を取り返す!」と考える人が多いだろうから,のべ来客数はクーポンよりも少ないかもしれないが,カードを購入した特定客が繰り返しやってくる確率は高くなるだろう.

と,このあたりの詳しいことはパスカードの発行元であるニューポートにある説明のページにも書いてあった.うーん,これがあることを知っていれば,買わずにすんだのに...

で,この1月になって,またもやパスカードを販売しに研究室までやってきた.相変わらず黒っぽいスーツだ.今回のパスカードは牛角とカプリチョーザ.周囲の学生さんたちに相談した上で,すべてのサービスを使い切ることを目指して購入.
その後,かなりの時間が経過したが,あまり利用状況は芳しくない(とりあえず元は取ったが).
そろそろ有効期限が迫ってきたので,学生さんたちと共に牛角へ.3人で8000円分食べて3000円のディスカウントを狙ったのだが,ドンブリ勘定で7000円になった時点で肉はもういいかなという雰囲気になった.今からドリンクを注文というのもおかしな感じがする.となると残るはデザートしかない.ということで...

PassCard_2.jpg

3人なのにデザート5皿.何か間違っている気がするが,ドンブリ勘定で1000円くらいにするためにはこれしかなかった.
しかし,おかげで目標金額にかなり近い8300円で勘定を締めることができた.

さて,今月末の有効期限切れまでに,あとどれだけ利用できるだろうか.


おまけ その1.
家計簿を調べてみたら,最初にパスカードを購入したのは2003年11月のことだった.真面目に家計簿をつけていると色々なことが分かるものだ.

おまけ その2.
パスカードのウェブサイトで各地でどのようなパスカードが販売されているかをチェック&購入できるようになっているのだが,愛媛県を見てみると,今回使ったもの以外にもパスカードが流通しているらしい.また研究室に売りに来るのかなあ.

投稿者 saihide : 00:15

2005年06月04日

『蒲生邸事件』宮部みゆき

予備校受験のために上京した主人公は泊まっていたホテルの火災に巻き込まれるが,時間旅行能力を持つ男に助けられる.しかし,辿り着いた先は二・二六事件が起きる直前の東京だった.
男が回復するまで,元陸軍大将のいる屋敷に身分を隠して世話になることになった主人公だったが,銃声と共に屋敷の主は死亡.それまでの言動などから自殺かと思われたが,自殺ならば現場に残されるはずの銃が残っていなかった...

ネットでの感想などを読む限り,えらく評価が分かれている作品.大阪出張のお供として持って行き,西梅田で読み終えた.

日本SF大賞を受賞しているのでSFだと思って読めば肩透かしをくらうだろうし,密室(?)殺人があるからミステリかと思えばそうでもない.ジャンルとして微妙なところも原因の一つだとは思う.

しかし,評価が分かれた最大の理由は主人公にあるのだろう.主人公がひたすら「現代の若者」的,と書くと年寄り扱いされてしまいそうだが,行動が首尾一貫しておらず,その場しのぎで適当に行動し,しかもワガママという,かなり魅力的でない若者なのだ.で,その主人公があちこちに迷惑を振りまきながら行動するので,読んでいて時々腹が立ったりする.

しかし,そういう主人公も作者の計算によって作られた人物像であって,実はこの作品,SFでありミステリでもあるのだが,主人公の成長物語でもある.文庫版だと全部で670ページほどあるのだが,ラストの方になると見違えるように立派になっている.

感動のポイントもラストの方に集中しているので,そこまでテンションを維持したまま読みきることができれば,きっと満足できるのではないだろうか.
基本的に移動中に読んでいたのだが,ラストの方は西梅田の地下街のベンチに座って集中して読んでしまった.


最後に気に入った箇所を引用.

「だが僕はこの時代の人間だ。この時代をつくっている臆病者のひとりだ。そして、臆病者としてこの時代を生き抜く義務がある。これから先何が起ころうと、僕は必ず生き抜いてみせる」
蒲生貴之
投稿者 saihide : 01:21

2005年06月03日

過剰仮骨

私には鏡を見てウットリしたり,ポーズを決めたりする趣味が無いので,鏡とじっくりご対面するのはひげを剃ったり頭を刈ったりするときくらいなのだが,先日,風呂あがりにふと鏡を見て気が付いた.
左右で鎖骨の形が違っている.左は普通なのだが,右は中央辺りに変な盛り上がりがあるようだ.指でなぞってみると,節というか,枝分かれというか,とにかく変な形になっているのだ.

最初は生まれつきのものだと考えたのだが,色々と調べてみると,分娩損傷で鎖骨骨折した後,そこに過剰仮骨ができた可能性が高そうだ.

これまで骨折をしたことはないと思っていたのだが,自分の知らないところで人生の経験値を獲得していたらしい.うーん,得したようでもあり,損したようでもあるな...

「骨折をした骨は以前よりも強くなる」という話をよく聞く.強くなるのは大歓迎だが,こんな感じに節ができたりするのはちょっとイヤだなあ.
でも,過剰仮骨で済んだだけまだマシで,偽関節とかになってたら洒落にならなかったよな.
「鎖骨の関節のある男」



ちょっと,いや,かなりイヤだ.

投稿者 saihide : 00:05

2005年06月02日

映画『バタフライ・エフェクト』

そういえば最近映画を見ていないなあ,スギ・ヒノキのシーズンも終わったし,そろそろ行っても大丈夫かなあ,と思っていたところ,ネット経由ではあるが全く別のルートから『バタフライ・エフェクト』という映画が良くできているという情報を複数キャッチした.

どうやらタイム・スリップを絡めた恋愛物で,ラストが異常に切ないらしい.
心のイチオシ短編がジャック・フィニィの『愛の手紙』である私としては,これは見ておかなければなるまい.

ということで,映画の日を利用して,大街道シネマサンシャインまで観に行ってきた.

時々失神して記憶が途切れてしまう体質(どうやら遺伝っぽい)である主人公の少年時代から話が始まるのだが,これがかなり不幸&ショッキングで,予告編を見て恋愛ものだと思って観に来た人は結構引いてしまうことだろう.

そんな主人公も大学生になるのだが,医師の指導で書くようになった日記の失神前後の箇所を読み上げると過去に戻れること,そして過去をそのまま繰り返すのではなく,自分の意志で変えられることに気がつく.
しかし,それを確かめるために「いつか迎えに行く」と約束した幼馴染を訪ねたことが,彼女を自殺に追いやってしまう.

主人公は彼女を救うために過去を変えようとし,それに成功してもまたもや悲劇が彼らを襲う.悲劇を回避するべく過去に戻るということを繰り返す主人公が最後に選んだ方法とは?


ということで,話としてはよくできていると思うのだが,結構えげつないことも出てくるので見ていると暗くなってしまう.

で,問題のラストなのだが,うーん,切ないかなあ? 確かに切ないといえば切ないかもしれないけど,あれだったら『ダークマン』(サム・ライミ監督作品,ちなみに当時はゾンビ映画監督として有名)もかなり切ないぞ.

ちなみに,アメリカでは既にDVD版が販売されていて,そちらにはラストが全然違うディレクターズカット版も収められているらしい.検索してもう一つのラストも知ったのだが,個人的にはそちらのラストの方が衝撃的だった.

投稿者 saihide : 00:01

2005年06月01日

5月の検索語

月初め恒例の検索語のご紹介.

検索語件数コメント
ジンギスカン(だるま)関連173先月に続いてトップだが,ヒット数自体は先月よりも増えている.そういえば近所のスーパーでも羊肉を売るようになったなあ.
松山市の地図関連59毎月上位な割に掲示板が利用されている気配はない.いちおう動いてはいるのだが.
カルフール東大阪関連55これも先月と同じ.
卒塔婆28だから,どういうシチュエーションで検索するんだ?
元祖にんにくや24先月と同じ.行ったことがないのも先月と同じ.
バタ足23このところ,泳ぎ始めると途端に足が攣りそうになる.運動不足か?
ディッピンドッツ22おおっ! 結構検索している人がいるんだなあ.
ストロベリーキャンドル19先日行きそびれてしまったようなので,近いうちにリベンジしに行こう.

ということで,5月の崔研究室 仮営業所は「ジンギスカン」「松山市の地図」「カルフール」なサイトだった.
ちなみに先月と全く同じ.5月に書いた記事は大勢に影響を与えないような記事ばかりだったようだ(涙).結構色々書いたつもりだったんだけどなあ.

投稿者 saihide : 00:38