2004年08月31日

夏休み最後の日

世間的に8月31日といえば夏休み最後の日.
で,夏休みといえば夏休みの宿題.全国各地では小学生が泣きながら夏休みの宿題に取り組んでいることだろう.

小学生時代の私は,スタートダッシュとラストスパートのみで宿題を片づけていたタイプなのだが,一番苦手としていたのが蓄積型の宿題.毎日の天気を記録したり,日記をつけたり,というやつで,こればっかりはラストスパートが利かない.結果として,夏休み明けの教室でよく怒られたものだ.

現在,私は宿題を出されるのではなく,逆に出す立場になっているわけだが,相変わらず継続型の宿題,というか毎日コツコツ継続的にやるような仕事は苦手だ.
幸いなことに,毎日コツコツやらなくても,短期間に集中することで,今までは帳尻を合わせることができたのだが,長期間継続して積み上げていく能力の必要性は痛感している.

ということで,この夏は自分自身に夏休みの宿題(7月下旬から8月末まで)を出していた.それは,この「memorandumに毎日投稿する」こと.

やる前は「毎日投稿なんて続くのだろうか?」と我ながら疑問だったのだが,実際にやってみると,それほど辛くはなかった.

まあ,授業がないので通常よりも時間の余裕があったことや,ネタがないときは読んだ本の感想を投稿できたこと,そして本来の趣旨からいくと少しズルをしていることになるが,時間がないとき用に記事をいくつか書き溜めておいたりしたということもある.

しかし,何らかの形でアウトプットすることを常に意識することで,普通なら見過ごしそうなものに気が付いたり,普段なら分からないままにしておくようなことについてネットで調べてみたり,という風に認識&行動パターン自体が通常時とは違っていたことは大きいと思う.

それに毎日アウトプットをしつづけるうちに,アウトプット自体に慣れてきた気がする.
これは文章が美文になっているとかそういうことではなく,アウトプットすること自体の心理的障壁,つまり「面倒くささ」が小さくなっていったということだ.

しかし,このアウトプットの慣れについては問題も自覚している.他の人のBlogに比べると,どうも一つの記事が長くなる傾向があるようだ.
内容によっては長くなっても仕方ないものもあるとは思うのだが,もう少し短めでキレのある記事を書けるようになりたい.まあ,これは今後の課題にしたい.

# ちなみに論文などで「今後の課題にしたい」と書かれている場合,それが解決される見込みはあまり無いというのがこの業界における一般的な見解だ(もちろん例外はある).

ということで,「夏休みの宿題」期間は本日をもって終了したので,明日からは通常営業に戻る予定.
とはいえ,毎日投稿が「義務」でなくなるだけで,とんでもなく忙しかったりしない限り,毎日投稿するように心がけますがね.

投稿者 saihide : 17:36

2004年08月30日

V401SH(プリペイド携帯電話)

keitai.jpg

ネットで注文しておいた携帯電話が先日届いた.

周囲の人にいうと変な顔をされるのだが,私は携帯電話を基本的に持っていない.
別にブラックリストに載っているので契約できないとか,電磁波過敏症なので携帯電話を使うと具合が悪くなるとかいうのではなく,根本的に持つ必要を感じないためだ.

さすがに自宅には電話があるのだが,これも99%はADSLのため.ちなみに残りの1%は受信のためで送信は0%.基本料金(ADSL料金を含む)以外の通話料を払った記憶は...そういえば2年くらいないなあ.

そこの人,可哀想な人を見るような目で見ないように.
そもそも電話が嫌いということもあって,用事のほとんどはメールを使うようにしているので,相手のメールアドレスがわからない,あるいは相手がメールを使っていない場合以外は電話をかける必要が無いのだ.

しかし不便を感じないことが無いわけではない.出先で誰かと待ち合わせをする場合だ.

遊びなどでの待ち合わせならば,約束の時間に遅れたり,連絡がうまくつかなくて会えなくても問題はないのだろうが,仕事の待ち合わせとなるとそうはいかない.
私の場合,学外で仕事の待ち合わせをすることはほとんど無いので,それほど必要性を感じないし,他に誰かが一緒の場合はそちらの携帯電話を使えば済むので,やっぱり必要性を感じない.
しかし,たまには必要になることがある.今回は9月の東京出張と北海道出張で必要になりそうだったので,プリペイド携帯電話を調達した.

初期費用だけを考えると,ハッキリいってプリペイド携帯電話のほうが高い.しかし,私のような利用形態を前提とすると,月1000円で必要なときに待ち受けができるプリペイド携帯電話のほうが安くつくはず.だから通常の携帯電話の契約はしなかった.

実は以前も一度プリペイド携帯電話を調達したことがある.そのときの携帯電話は,私が契約システムをちゃんと理解していなかったため,使えなくなってしまった.
なので,今回は全く新たに調達する必要があったのだが,どうせ調達するならデジカメ代わりに使えるものを,さらにはテキストビューワーとしても使えるものを,と思って探した結果,白羽の矢が立ったのがこのV401SH.メガピクセルのデジカメ機能とSDメモリを利用しての電子ブック機能がついている.光学ズームがついていないのが残念だが,とりあえずの条件は満たしている.

ただ,問題が一つ.通常のプリペイド携帯電話は機種の選択の幅が非常に狭いのだ.たとえば四国のボーダーフォンでプリペイド携帯電話を購入するとすると,選択できる機種は3つだけ.しかも2-3世代前くらいの機能しか持っていないものばかりなのだ.V401SHは1世代前の機種なのだが,もちろん選択できない.
しかし,抜け道もある.どういう経緯か知らないが,同じボーダフォンのプリペイド携帯電話事業でも東海地方のボーダフォンだけは別のシステムになっており,機種を自由に選択できるのだ.そこでネットで業者を探して,そこを通じて購入したわけだ.

そこそこ新しい機種(それでも1世代前だが)を注文したため,初期費用が2万円程度になってしまったが,この機種ならばプリペイド携帯電話として使っていないときでもデジカメ&テキストビューワーとして使える.まあ,PDAを買ったと思えば安いものだ.

残る問題は,機能をちゃんと使いこなせるかどうかだな...

投稿者 saihide : 22:07

2004年08月29日

洋食酒家 キートン(洋食)

農学部の近くにある店.
以前から気にはなっていたものの,一度も行ったことがなかった店,つまり「一度行ってみたい店リスト」の中に入っていた店の一つ.

先日,ご飯を食べたとき,この店のことが話題になり,ランチとしては値段が高いかもしれないが,量が結構あると聞いた.
調べてみると日曜日でもランチをしているというので,早速行ってみた.
農学部の近くなので地図がなくても迷うことはないだろうと思っていたのだが,目印の農学部に辿り着くまでに迷ってしまった.むぅ,誤算である.

店に着いたのは12時半くらいだったのだが,店の前には車がいっぱい止まっていた.満席かなと心配していたら,ちょうどお客さんが一人出てきた.ラッキー.
ということで,すかさず入店.

店に入って気がついたのがレイアウトのこと.
いわゆる洋食屋のレイアウトではないように感じた.

長いカウンター席.
囲われていないテーブル席.
いくつかの座敷席(というか小上がり?).

カウンターの向こうは厨房になっており,大勢の料理人が忙しそうに働いているのが見える.よく言えば「活気がある」だし,悪く言えば「騒がしい」.

これって,洋食屋じゃなくて,別の店のレイアウトに近いような...なんだろう?



おおっ,そうか! これは中華料理屋のレイアウトに近いんだ!

と安心したところで,ほぼ満員の客層を見てみる.農学部の前というロケーションに加えて,「量が多い」という事前情報から,男ばっかりだと思っていたのだが,逆にほとんどのお客さんが女性だった.ちょっと意外.で,なぜか2人連れが多い.そういえばカウンターの席も二人掛けのベンチシートだな.

さて,料理の方だが,基本的には日替わり,パスタ,カレーの3種類のランチ(どれも900円だったはず)がある.日替わりにしようかと思ったのだが,メインが魚だったので,単品メニューから特製ハンバーグを頼んだ.ランチよりも100円弱高くなるが,ランチタイムだとランチメニューと同じように,スープ,サラダ,ライスorパン,コーヒーが付くので,他の単品メニューよりもお得っぽい.

で,肝心の味についてだが,ネットで「味が濃い」という書き込みを見かけていたのだが,それほどでもないと思う.
私が注文したハンバーグにはソースがこれでもか!というくらいかかっていた(正確にはソースの海にハンバーグが乗っかっていた)のだが,そのソースもスプーンですくって全部食べてしまった(笑).
個人的にはもう少し味にパンチがあるくらいの方が好みだが,これでも十分美味しいと思う.

量のほうは,まあ,女の人だとちょっと多めというくらいかな.食後のコーヒーなども加えると,男の人でも満足できるのではないか.

しかし,どうして女性客の比率があれほど高いのかがよく分からない.
確かに店内は,レイアウトこそ中華料理店だが,天井から模型の飛行機がかかっていたり,カウンターの上に銅鍋(?)がぶら下げてあったりして,オシャレっぽい店ではあることは間違いないと思うのだが...
まあ,ランチで1000円近く出そうという男は少ないだろうから,相対的に女性客が多くなっているだけのことなんだろうか.

投稿者 saihide : 14:30

2004年08月28日

白水台&道後平

「そうだ,白水台に行ってみよう」

そう思ったのが19時前.
前フリとして,一昨昨日に自転車の変速機を直し,今日になって自転車のタイヤに空気を入れたので,自転車のコンディションが整っていたということはあった.
しかし,我ながらとんでもない時間にとんでもないことを考えたものだ.
っていうか,既に太陽が沈んでいるのに,どうして実行に移そうとする>自分

ということで,急遽準備を整えて,19時5分過ぎに部屋を出発.
県文の横の道をひたすら北上.途中からは坂道になるが,そんなことは気にせずひたすら北上.

おっ,珈蔵だ.ここは来たことがあるからいいや.
なんだ,この建物は? ああ,これがsolaか.この距離だったら行動範囲内だな.今度行ってみよう.

しかし,余裕があったのもこの辺りまでだった.

そろそろ坂が厳しくなってきたかな,と思ったところでホテルが見えてきた.これが白水台の近くにあるホテル伊台城というやつかと思ったのだが,全然違うホテルだった.

このあたりから周りに民家がなくなってきた.とりあえず街灯があるので,周りが全く見えないということはないのだが,かなり暗い.
しかも,道の外側に草木が茂っているので,どうしても道の中央側に行ってしまう.自動車にとっては迷惑この上なかったことだろう.

ひたすら坂道が続くので,いつものギア(=2番目に重い状態)ではさすがに持たなくなってきた.
少しずつ後輪のギアを軽くしていくことで凌いでいったのだが,変速機を直してなかったら絶対にリタイアしてたな.

しかし,坂道が途切れることなく続くため,まったく休めない.ううっ,腰が痛い...
そうやって厳しくなるとギアを一段落とすということを繰り返していたのだが,ついには後輪のギアを一番軽くしないと進めない状態になってしまった.
さすがにここまでギアを落とすとペダルは軽いのだが,いくらペダルを踏んでも全く進まなくなる.

そろそろ限界だろうかというくらいになって,ようやく街灯以外の明かりが見えてきた.ようやく頂上かと思うと,ペダルが少し軽くなり,スピードが上がった.実際に斜面が緩やかになったのかもしれない.

おおっ,あれは目的地の目安のガソリンスタンド! やった! ついに白水台に到着したぞ!
だいたい30分弱というところか.距離の割に時間がかかるのは坂道だから仕方ないよな.

あれ? あれは白水台にある有名レストランじゃないか? 地図ではもう少し奥にあったような気がするんだが...
とりあえず周囲を1周してみる.確かに例のレストランだな.うーん,せっかくだから入ってみようか...
しかし,そのときの服装は,汗だくのTシャツ&ジーパンの上に巨大なシャツを引っ掛けただけ,しかも足元は素足にスポーツサンダル.うーん,大丈夫かな...

とはいえ,着替えに帰るわけにもいかないので,とりあえず汗が引くまで周囲を自転車で巡回することに.
そういえば,この近くに道後平ニュータウンがあって,そこからの夜景は綺麗だという話だから,そこまで行ってみよう.




甘かった.予想以上に距離&標高差があったため,汗が引くどころか,逆に汗をかいてしまった.
ともあれ,道後平ニュータウンに到着.確かに夜景は綺麗だが,ベストポジションには既に家が建っていた.とりあえずその横の空き地に入り込み,持参したデジカメで写真は撮ってみたのだが...

dogodaira.jpg

むぅ,細かい設定のできるSANYOのデジカメの方を持ってくるべきだった(涙).
ちなみに,中央の右上の方にある青白い円が「くるりん」なのだが,分からんよなあ,これじゃあ...

ともかく,証拠写真の撮影も終わったことだし,レストランに戻ろう.下り坂だから汗をかくこともないだろう.



よし,到着.
とりあえずシャツのボタンを全部留めて,と.
よし,準備OK! 店に入るぞ!

「一人なんですけど,大丈夫ですか?」

「すみません,8時で閉店なんで...」












イジメデスカ?








追伸.
帰り道における白水台から例のホテル前までの所要時間

    約2分弱(下手すると1分)

まさに絶叫マシーン.

投稿者 saihide : 21:56

(こうさぎ)

saihideで、blogした。


*このエントリは、こうさぎの「グラハム」が書きました。

投稿者 graham : 10:42

2004年08月27日

花ぜん(料亭)

昨日今日と連続していた出稼ぎも無事終了.
感想カードを見る限りでは,おおむね好評だったようで,なんとか一安心.
ということで,前回と同様,自分へのご褒美に美味しいものを食べに行くことになった.

どこに行くか悩んだ結果,なぜか宮崎駿監督が『もののけ姫』のキャンペーンのときに接待された料亭「花ぜん」に行ってみることに.
場所がよく分からなかったので,インターネットタウンページ経由で地図を印刷してから出発.

地図を頼りになんとか到着したことはしたのだが...

hanazen.jpg

激しく場違い感に苛まれてしまうのは気のせい?

通常時ならば「ごめんなさい,ごめんなさい」と尻尾を巻いて逃げ出してしまうところだろう.
しかし,出稼ぎを終えたことによる興奮&経済状況のために軽い無敵モードに突入していたようで,湧き上がる場違い感を無理やり抑えつつ店内へ.

ううっ,店内も豪華だよ...
うわぁ,なんだよ,川みたいなのが流れてるよ...
はあぁ,前のお客さんはちゃんと予約してから来てるぞ.やっぱり,そういう店じゃないのか...
(林家ペー&パー子夫妻ではないので,店内の写真は取れませんでした)

そうこうするうちに仲居さん(?)がやってきて,席に案内してくれた.
うわぁ,個室だよ.なんか政治家が密会する時に使うような部屋だぞ.
(林家ペー&パー(以下略))

ますます高まる場違い感,しかし,もう後には引けない.
メニューをみる.
鍋料理や一品料理もあるが,やっぱり懐石コースだろう.
月替わりのお薦めコースというのがあったのだが,あえて同じ値段の別コース(板さんのお任せになるらしい)を注文.

しばらくしてから料理(先付け?)が到着.
しかし,仲居さんは料理の説明をしないまま帰ってしまった.うーん,普通は料理の説明をしてくれると思うんだが...
その後も料理は次々と出てくるものの,ほとんど説明はナシ.
せっかくお任せコースにしたんだから,料理の説明くらいして欲しかった...

で,出てきた料理の中で面白かったのがコレ.

kaminabe.jpg

紙なべの寄せ鍋だ.
聞いたことはあるけど,実際に見るのは初めてのはず.
「出汁が沸騰してから具を入れてください」と言われたので,沸騰するのを待っていたところ,沸騰寸前のような状態からなかなか進まない.
そのまま待っていたところ,なんだか一部分が焦げてきたような... もしかして,この状態で沸騰なのか?
ちょっとあせりながら具を投入し,しばらく待ってから食す.うーん,普通の寄せ鍋だな.紙でやることの意義がよくわからないというのが正直なところ.

その後,マナガツオの焼き物や鯛茶漬け(このあたりは説明があった),果物などを食べて終了.

全体的な感想だが,料理自体はベーシックな懐石料理という感じだったが,店の雰囲気が普通は味わえない(というか,通常時ならば行こうという気に絶対にならない)ので,これはこれで満足.
しかし,昼のランチならば1500円程度で同じような雰囲気が味わえたのかもしれない.そういえば,宮崎監督の接待も昼食時だったような...

ということで,行ってみたいという方には,まずはランチをお薦めしておこう.

投稿者 saihide : 23:51

2004年08月26日

『経済小説がおもしろい。』斎藤貴男

副題が「日本の未来を解く30冊」で,本題&副題のとおり,経済小説30冊(上下巻のやつもあるので実際には30冊以上)の紹介をしている本.松山市立中央図書館で借りてきた.

よくよく考えてみると,経済小説(清水一行とか城山三郎とかが有名)というのは読んだことがない.
井上尚登の『キャピタルダンス』は面白かったけど,あれは経済小説なのかというと疑問符がつくし,石田衣良の『波のうえの魔術師』も同じだよなあ...

経済小説というと,スーツ姿のサラリーマンが密室でお互いの腹の内を探りあいながら会話したり,猛暑で汗だくになりながら外回りをしたり,嫌味な同期が出世するのを悔しがったり...というイメージがある.
上記の2作品は全然そんな感じではないのだが,これらも経済小説のカテゴリーに入るのだとすれば,私の持っている経済小説に対するイメージが古臭いのだろうか?

という問題意識(というほど大層でもないが)を持って読んだのだが,この本に紹介されている本の半分以上は,私が持っている経済小説のイメージに近そうだ.うーん,あんまり読みたくないタイプだなあ...

とはいうものの,30冊も紹介されていたので,面白そうなものも何冊かは見つかった.気が向いたら図書館で借りて読んでみることにしよう.

投稿者 saihide : 22:51

2004年08月25日

行きたかった店の廃業

今月の初旬に続いて,明日と明後日も朝から出稼ぎに行くことになっている.

朝から夕方まで連続で講義をするのはやっぱり疲れるので,終わった後に自分へのご褒美を用意しないとモチベーションが高まらない.
なので,前回と同じように,出稼ぎ終了後に美味しいものを食べに行くことを個人的に計画している.

で,昨晩,その候補にあげている店(市内中心部にあるフランス料理店)についてネットで検索してみたところ,店を閉めてしまったというショッキングな情報がヒットした.

今日の昼,実際に店舗まで行ってみたところ,いつもなら掛かっているメニューボードが無く,シャッターも閉まったままだった.どうやら確定らしい.

結構有名なシェフがいた店らしく,県外からもお客さんが来ていたらしい.
値段もかなり良心的に設定されていたようなので,「一度行ってみたい店リスト」(脳内限定 実際にあるわけではない)の筆頭だったんだが...
本と一緒で,食べ物屋さんも興味が湧いたときにすぐに行って食べてみるべきなんだろうか.

ちなみに,そのシェフ自体は郊外(なのか?)の店に移ったとネットでは書かれていた.
今回のことを教訓とするならば,可及的速やかにそっちの店に行ってみなければならないだろう.
ただ,距離的には問題ないのだが,標高差がなあ...
まあ,自転車の変速機も直ったことだし,毎日通学している学生もいるくらいだから,何とかなるかな.

投稿者 saihide : 17:17

2004年08月24日

『LAST』石田衣良

石田衣良の直木賞受賞の後に発表された第1作らしい.実際には受賞前から連載されていた短編を集めた短編集だから,このこと自体には意味はないと思うのだが,セールス的には効いてくるんだろう.

石田衣良の作品全般についての評価としては,「スタイリッシュ」「スピード感がある」「読後が爽やか」「優しい」というのが一般的だと思う.しかし,この作品はお先真っ暗な状況にある男たちを主人公にした短編集で,帯にはこう書いてある.


崖っぷちの人間をダーク&ビターに書きました。ぼくの別な顔に、震えてください。

はてさて,どのくらいダーク&ビターなのだろうか...

結論から言うと,主人公たちのシチュエーションは崖っぷちだけど,それほどダークなわけではない.
まあ,このあたりは読む人によって評価は違ってくるだろう.けど,個人的には「やっぱり石田衣良だなあ」という感じだった.

この本には全8編が収録されているのだが,ラストまで「うわぁ」と思った話は2編だけ.
逆に,爽やかな読後感さえあったりする話も3編あった.
残りの2編は「まあ,それなり」という感じか.
どの話が「うわぁ」で,どの話が「爽やか」なのかは,自分で確かめてみて欲しい.

ちなみに松山市立中央図書館で借りてきた本なので,興味のある方は図書館へどうぞ.

最後に気に入った台詞の引用を.

意識してやっていることと意識せずにやっていることでは大変な差がある.心臓の手術といっしょだよ.どんな手順にも理由があり,それは隅々まで意識されていないといけない.そうでないと突発的な事態に対処できない.やり直しがきかないデリケートなものだからね,どちらも


投稿者 saihide : 22:52

2004年08月23日

西海町

知り合いの教員のゼミ旅行に付いて(一説には「拉致されて」とも),西海町まで行ってきた.

西海町までの道のりだが,途中で高速道路が無くなってしまうため,途中からが非常に遅い.
結局,バスで3.5時間ほどかかったのだが,それでも以前よりはかなり早くなったという.やっぱり高速道路は偉大なようだ.

で,そこから船で「鹿島」という島に移動.
その島には鹿や猿がいるという事前情報は得ていたのだが,そんなに見れるものでもないだろうと思ってた.しかし.

saru1.jpg

あっという間に発見.
しかも,



saru2.jpg

我々に近づいてくる.
人に慣れてる猿だなあと思った瞬間.




学生が持っていたコンビニ袋を強奪していった.

(残念ながら画像はありません)

うーん,日光の猿が観光客を襲う光景はテレビのワイドショーで見たことがあるが,それを肉眼で見ることのできる日がくるとは...

その後も猿は荷物置き場から少し離れた辺りに陣取り,食糧を強奪する機会を伺っており,実際に襲撃も何度かかけられた.
おかげで,襲いかかってきた猿と睨み合い,追い返すことに成功するという松山市内では絶対にあり得ない体験をできたりもしたので,それはそれで楽しかった.


続いて海の方だが,西海はの海は沖縄に負けないくらいキレイという評判があるそうだ.私は沖縄の渡嘉敷島にも一度行ったことがあるので,そのときの記憶と比べてみよう.

まず光景の美しさという点からすると,やっぱり沖縄の方がキレイだと思う.
これは砂浜の色に由来するところが大きい.渡嘉敷の砂浜が真っ白だったのに対して,西海(の鹿島)の砂浜は普通の砂の色だったためだ.

しかし,水の中で見ることのできた生き物という点からすると,私には今回の西海の方が満足度が高かった.
私は泳ぎに自信がある方ではないので,渡嘉敷でも西海でもそれほど深いところには行かなかったのだが,西海では腰くらいの深さのところでも青や黄色の熱帯魚チックな魚を多数見ることができた.
これは渡嘉敷が砂浜だったのに対して西海が岩場だったので生物相が全然違うことも大きいのかもしれないが,私はこれで十分満足できた.


で,夕方.またもや船で鹿島を離れ,中泊というところにある宿へ.一風呂浴びたところで夕食.
今回の宿は民宿だったのだが,そのわりには値段がやたらと高い.というのは,料理が非常に豪勢なため.

まずは刺身の舟盛り.伊勢エビとクエの焼き造りというのが激ウマだった

続いてホーロク焼き.

houroku.jpg

エビがプリプリしていて最高だった.

そして巨大な鯛.

tai.jpg

うますぎです.
しかも大きすぎです.
ここに辿りつくまでにかなりお腹がいっぱいになっていたので,半分くらいは残さざるをえなかった.ううっ,勿体ない...


で,翌日.本来の予定ではもう一度鹿島に渡るはずだったのだが,朝から雨が降っていたので,バス会社に連絡して早めに帰ることに.
しかし,バスの都合がついた途端,晴れてきやがった...

ということで,少し勿体ないところもあったが,それなりに満足な旅行であった.

もう少し近ければまた行ってもいいと思えるのだが,高速道路がこれ以上延びるのは期待しにくいしなあ.宇和島まで伸びればかなり便利なのだが...

投稿者 saihide : 19:11

2004年08月22日

ユーモア路上観察展@エスパス21

月初めに妙な絵葉書(正確には写真葉書?)が届いた.なんじゃらほいと思いつつ裏返してみたところ,以前行ったことのあるエスパス21という展示ホール(?)からのもの.
私がエスパス21を知るきっかけになった「ユーモア路上観察展」の第2回が8/21から開催されることを知らせる葉書だったのだ.

ということで,ちょうど南方面に行く用事があったので,さっそく行って来た.相変わらず少し分かりにくい場所にあるが,ここに来るのも既に3度目なので,迷わずに到着.

路上観察展とあるが,街角の風景を写真に取り,それにタイトルをつけてあるだけ...と書いてしまうと語弊があるのだが,展示物としてはそれだけしかない.
写真については全く知識はないのだが,展示されている写真自体はそれほど技術を駆使しているわけではないようだし,写っている風景も普通の街中にありそうな風景がほとんど.

そんな普通の写真を眺めて何が面白いのかと思うかもしれないが,この普通の写真にタイトルがつくと,普通の写真がそれまでと違った側面を見せるようになるのだ.

何の予備知識もなく日常風景の写真を見せられた後で,それにつけられたタイトルを見ると,今までの写真が違った風に見えてくる.
タイトルによって今までの視点が切り替わる感覚というか,その作者の発想の切り口で今までの認識が切り取られ,付け足される感覚というのが,個人的には非常に楽しい.

展示されている作品の中には,タイトルを見ただけで視点が切り替わってニヤリとできるものあれば,しばらく考えて「なるほど!」と膝を叩きたくなるようなものもあって,どれも楽しい感覚が味わえた.
おそらく館内を見回っている間中,ニヤニヤと笑っていたことだろう.傍から見ると変な人だよなあ.

この展示は9/5まで行っているそうだ.あいかわらず入場は無料なので,時間がある人はぜひ行ってみて,展示を見ながらニヤニヤ笑っていただきたい.

ちなみに,個人的にヒットした作品は「ウム,動けぬ」と「恐怖の散歩」(両方ともタイトルはうろ覚え).

投稿者 saihide : 00:11

2004年08月21日

ナン・チョリソー@モス

久しぶりにモスバーガーに行ってきた.7月末の出張の時以来だから,約1ヶ月ぶりか.
大学の近所にあったときは毎週のように行っていた時期もあるのだが,閉店してしまったからなあ.

で,注文したのはTVでCMがガンガン流れているナン・チョリソー(8月末までの期間限定 食べたい方はお早めに)のセット.

mos_nan.jpg

店に行って初めて知ったのだが,ナン・タコスというのも同時に販売されていた.どうしてこちらはCMをしないのだろう?

食べ方がよく分からなかったので袋を持ってそのままかぶりついたのだが,非常に食べにくかった.上にかかっているカレーソースが想像以上に流動性が高いシロモノで,少し気を抜くとたれてしまうのだ.
フォークが付いていたところからすると,違う食べ方があったのだろうか.しかしナイフがあれば切れるだろうけど,フォークだけではなあ...

で,味の方だが,いたって普通.
決してマズイわけではないのだが,この値段(単品で380円)だったらモスチーズバーガーとかのレギュラーメニューを食べるかな,個人的には.

投稿者 saihide : 16:25

『小生物語』乙一(こうさぎ)

丸三の、説明すればよかった?
だからといってグラハムは、乙で丸三は三津までプレと同居したいなぁ。
なのできのうグラハムが、丸三が人がウェブサイトする?
切実。

*このエントリは、こうさぎの「グラハム」が書きました。

投稿者 graham : 10:53

2004年08月20日

Coleman ランPC(バッグ)

私の乗っている自転車はMTBタイプでカゴがつけられないため,カバンを常に持ち歩かなければならない.
先週の三津浜見物にもリュック型のカバンを背負っていったのだが,おかげで背中が汗でベトベトになってしまった.
これではマズイということで,自転車に乗っていても背中がベトベトにならないタイプのカバンを買うことにした.

カバンにも色々あるが,リアキャリアに固定できるタイプならば身体との接触がないので,汗でベトベトになることもないだろう.
ということで,その種類を探していたところ,モンベルのドライシートバッグというのが見つかった.色が少々派手すぎる気はするが,値段的には手ごろなところだ.
そのままネット経由で購入することも考えたが,やはり実際に手にとって見てみたい.残念ながらモンベルの専門ショップは愛媛県にはないので,取扱店に行ってみたのだが,実物を発見することはできなかった.

で,その帰り道,別のアウトドア・ショップに立ち寄ってみた.
今までの経験から,今回探しているカバンを含めて自転車関連のモノというのは,通常のアウトドア・ショップには置いていないことが何となく分かっていたので,探していたバッグが見つかることはほとんど期待していなかった.
案の定,目当てのブツを含めて自転車関連のものは見事なほど置いていなかったのだが,代わりに見つけたのがColeman ランPCというカバン.

bag.jpg

A4ノートPCが入る程度のサイズで,ショルダーバッグとしてもメッセンジャーバッグとしても使えるタイプだ.
リアキャリアに固定できるタイプという当初の希望からは外れているが,特価品で定価の半額,しかも残り1個だけというのにやられてしまい,思わず買ってしまった.
むぅ,改めて考えてみると,店側の戦略に見事なまでに引っ掛かってしまっている気がしないでもないなあ(苦笑).

買ってきたばかりで使い勝手などはまだまだ不明なのだが,既に不満な点が見つかってしまった.
今までのリュックは外側に大きめのポケットがあったので,そこに地図や修理道具を入れていたのだが,これにはそういう用途に使えそうなポケットがないのだ.
名前からしてPCを運ぶためのものであって,自転車乗りが使うことはそれほど想定していないのだろうが,メッセンジャーバッグとして使えると謳うくらいなら,それ用のポケットの一つでも付けてくれればいいのに.

投稿者 saihide : 22:52

2004年08月19日

『錦繡』宮本輝

前回の記事には書き忘れたが,田辺聖子の『鏡をみてはいけません』は舞台が関西で主人公も生粋の関西人のため,関西弁がバリバリでてくる.一人称の小説なので,地の文でも関西弁が多用されている.なので,関西弁嫌いな人にはつらいかもしれない.

で,関西弁つながりで,今回は宮本輝の『錦繡』.
私の読書傾向は非常に偏っており,田辺聖子と同様,宮本輝の小説も今まで読んだことはなかったのだが,この作品は非常に評価が高く,あちこちで推薦されていることは知っていた.
なので,古本屋で他の本のついでに購入しておいたのだが,これまでずっと積読になっていたのだ.

内容の方だが,不倫の末の無理心中に巻き込まれた男と,その別れた妻の往復書簡という形で,その無理心中までのいきさつと,事件後の二人のそれぞれの人生の紆余曲折と再生が描かれている.

正直なところ,途中まではそれほど面白いとは思えなかったのだが,手紙の内容が現在の話になり,令子という女性が登場してからは面白くなってきた.

というか,令子というキャラクターが魅力的なんだと思う.当初は,落ちるところまで落ちた主人公を養っている都合のいい女だと思っていたら,それが実は,笑いながらこんな台詞を吐いたりもするのだ.


このときのために,うちはあんたを一年間飼(こ)うて来たんや

うぉーー,飼われてー!

というのはもちろん冗談だが,この令子のような女性に,これだけ惚れられるというのは男性冥利に尽きると思う.まあ,「重くてウザイからイヤだ」という人も多いだろうけどね.

投稿者 saihide : 22:36

2004年08月18日

『鏡をみてはいけません』田辺聖子

ハンドクーラー(あるいはガラス製の卵)について検索しているときにヒットしたのが,この田辺聖子の小説.
駆け出しの絵本作家である主人公が,バツイチ・子持ちの恋人の自宅(小姑付き)で同居を始めるという話なのだが,その主人公が話を考えるときに握り締めるのがクリスタルガラスでできた卵なのだ.

これまで田辺聖子の作品は読んだことがなかったので,これはいい機会ということで読んでみた.
巻末の紹介文に「私はなぜここにいるのだろうか.女が美しさを求めて,自分の納得のいく居場所を模索する愛の長編小説」とあるのだが,それを読んだ時点で少々不安を覚えなくもなかったのだが...

読んでみたところ,不安が的中.主人公に感情移入しにくいのだ.

私は女性ではないので,完全に感情移入することはもともと不可能だろうが,読んでいて,主人公の自分勝手さに腹が立つこともしばしば.
主人公の恋人の方も結構自分勝手なのだが,どちらかというと,そちらの方がスジが通っているように思えるのは,私が男だからだろうか.
少なくとも,自分が同業者の男性に誘われてフラフラと出て行ったりするのを棚に上げて,昔の奥さんや恋人の話を蒸し返してキレられたりした日には,男はどうすればいいんだ? やっぱり理不尽な感情の嵐が通り過ぎるのをじっと待つしかないのか.だとしたら,男って忍耐の動物だよなあ(笑).

じゃあ,面白くないのかというと,感情移入はできなかったものの,ストーリー自体は松竹新喜劇(コテコテのお約束ギャグが出てくる吉本新喜劇とは違い,ストーリーや台詞で笑わせておいて最終的には泣きを入れながらハッピーエンドに持っていく人情話が中心.藤山寛美が座長をやってた方)みたいで,これはこれで面白い.

そして何よりも特筆すべきは,出てくる料理が全部美味しそうなのだ.
主人公が同居を始めた理由が「朝ごはんを一緒においしく食べたい」というものなので,しょっちゅう料理の描写が出てくる.
どれも美味しそうなのだが,特に「干し鯵御飯」と「豚バラ肉の塊の水煮き」はめちゃくちゃ美味しいそう.機会があったら作ってみたいものだが無理かなあ.

田辺聖子の作品はどれも料理の描写には定評があるらしく,そのあたりは今回の作品を読んで理解できた.
しかし,他の作品も今回との作品と同じような話(というか人物設定)だとすれば,男性ファンはつかないような気がする.ネットで少々調べてみたところ,やっぱりファンは女性が中心のようなので,どの作品も今回の作品と同じような傾向があるのだろうか.
とりあえずもう一冊くらい読むまで評価は保留しておこう.映画化された『ジョゼと虎と魚たち』でも読んでみようかな.

投稿者 saihide : 22:52

2004年08月17日

ハンドクーラー?

以前,宮部みゆきの『ステップファザー・ステップ』についてのエントリーを書いたが,そこに収められている短編に「ハンドクーラー」というものが登場する.
ビクトリア朝時代に女性にとって,舞踏会などで手が熱くなっていることは恥ずかしいことだったらしく,それを防ぐために握り締めたガラスや水晶のアクセサリーがそれ.

別に舞踏会に出る予定はないのだが,その記述を読んだ瞬間,「手の中にすっぽり納まる冷たい卵形のガラス」というものが感触つきで想像できてしまい,無性に欲しくなってしまった.

すぐさまネットで探したのだが,国内でハンドクーラーを販売しているところは見つからず,海外でも私が欲しい卵形のものについては見つけることができなかった.

だが,その捜索途中,ハンドクーラーとして使えなくものないものとして,卵形のペーパーウェイトが挙げられていた.こちらならば少し探せば見つかりそうだ,とそのときは思った.

それからしばらくして,大阪に出張する機会があったので,そのついでに百貨店を何軒か回って卵形のペーパーウェイトを探してみた.しかし,なかなか見つからない.

途中からはペーパーウェイトが置いてそうな文房具売り場にこだわらず,「ガラス製で手ごろな大きさの卵形のもの」っぽいものが置いてそうなところを片っ端から回ってみた.
その結果,イメージにピッタリの存在を発見.売り場を確認すると「Baccarat 」とある.バカラットって何?



バカラかい!
そう,それはバカラのクリスタルガラス製の卵だったのだ.
恐る恐る値札を確認してみると,決して手が届かないような高額なものではない.
しかし,単なる手慰みのために出せる金額でもなく,購入は泣く泣く断念.
いつか金が余って余って仕方がないような身分になったら買ってやる!と誓いつつも,そんな日が決してこないことが分かってしまう自分が悲しい...

ということで,その代わりに見つけたのがコレ.

handcooler.JPG

こうやってみると風鈴っぽく見えなくもないが,もう少し厚手のガラスでできており,サイズ的にはMサイズのみかんか,それより一回り小さいくらい.
決して卵形ではなく,想像していたような感触で手のひらにおさまりはしないが,これだけ探し回って何も買わないのも癪だったので,「手が届く価格帯で」一番イメージに近かったものを買ってきたのだ.

レジに持っていったところ,レジを売っていた女性も使途が分からなかったようだが,実はこれ,花瓶なのだ.だから上部に小さな穴が開いていて,中は空洞になっている.
部屋に花を飾る習慣を持っていないので花瓶として使用したことはまだないのだが,この構造から考えるに,それほど背の高い花は入れられない(=倒れてしまう)ので,花瓶としては欠陥品のような気がする.

じゃあ,ハンドクーラーとしてはどうなのかというと,コレも微妙.サイズがちょっと大きいので手のひらへの納まりが少々悪く,中が空洞になっていてガラス部分が少ないためか,すぐに温くなってしまうのだ.

とはいえ,バカラの卵を買うほどの財力があるわけでもないので,そういう日がくるのを夢見つつ,このハンドクーラーっぽい花瓶は今日も研究室で手慰みに使われているのであった.

ちなみにコレを買ったのは7月上旬のこと.
どうして今頃このエントリーを書いたのかというと...

投稿者 saihide : 16:43

2004年08月16日

『空の境界 上下』奈須きのこ

三津浜図書館まで行って借りてきた本.
それほど切実に読みたかったわけではないのだが,中央図書館では予約待ちなのに,三津浜図書館まで行けば予約している人を飛び越して借りられる,という優越感(?)が大きかったと思われる.

愛媛に来てからはゲームをする機会がなくなってしまったのでゲーム業界にはすっかり疎くなってしまったのだが,この作者は同人ゲーム業界(?)で驚異的な人気を持っている会社の人で,この作品自体も同人小説として販売され,やっぱり驚異的な売上を叩き出したものを加筆修正したものだとか.

で,内容の方だが,発行元の講談社は「新伝綺」というジャンルとして位置づけたいらしいが,いわゆるライトノベルとの違いはほとんどないと思う.
上下巻で合計900ページ弱,しかも上下組みなので,けっして「ライト」ではないし(読むのに10時間くらいかかった気がする),章扉以外にはイラストもないが,内容的にはライトノベル以外の何物でもない.

この「ライトノベル以外の何物でもない」というのは決して貶しているわけじゃない.
ライトノベルというと中高生が読むもので,いい年齢をした大人が読むものじゃないという風潮もあるが,ライトノベルとして刊行されたが,その内容が評価されて通常形式の文庫として再刊行された『十二国記』や『デルフィニア戦記』という例もある.また,現在,第一線で活躍している作家も出身はライトノベルということが意外に多かったりする.
こういうことを考えると,ライトノベルだから読まないというのは,かなり損をしているんじゃないだろうか.

じゃあ,内容的にはライトノベルだけど,ライトノベルではなく大人も読むようなスタイルで刊行されたこの作品は,一般的な読書家に受けられるのかというと...ダメな気がする.設定といい,文章といい,かなり読む人を選ぶんじゃないだろうか.
ライトノベルには慣れていて耐性があるつもりの私でも,最初の1章を読んでいる最中は「うわっ,この文章はダメだ!」と投げ出したくなったくらい取っ付きが悪い.
読み進めていくうちに体(脳?)が適応したのか,それとも問題は1章だけにあったのか,2章以降は普通に読めるようになり,そうすると面白くなってくるのだが...

ネット上でも賛否両論なので,最終的な判断は自分で読んでみるしかないとは思うのだが,しかし長いからなあ... 京極夏彦の京極堂シリーズを楽しめる人ならば,かなりの確率で楽しめるかな?

ちなみに,実際に読むまでは『空(そら)の境界』だと思ってたのだが,本当は『空(から)の境界』だった.いくつか意味があるのだが,その関連で引用を.

結局、特別ではない人間なんていないんだ。
人間は、ひとりひとりがまったく違った意味の生き物。
ただ種が同じだけというコトを頼りに寄りそって、解かり合えない隔たりを空っぽの境界にするために生きている。
そんな日がこない事を知っていながら、それを夢見て生きていく。
きっとそれこそが誰ひとりの例外もない、ただひとつの当たり前(ノーマリティ)。
投稿者 saihide : 00:12

2004年08月15日

『戒』小山歩

松山市立中央図書館で借りてきた本 その2.
ほとんど知られていないけど実は名作らしく,以前から買うべきかどうか迷っていた本.

中華風の古代国家を舞台にした架空歴史物で,天才でありながら亡き母の遺志によって仕官の道を立たれ,道化として振舞いながら一国を支える主人公「戒」の活躍と苦悩の物語.
自由に生きたい,誰かに認められたいと苦悩する主人公もいいのだが,脇役も魅力的(特に「睛」が鮮烈でお気に入り).

前半と後半で主人公の性格が違っているような気もするが,それは環境の変化があったから仕方ないとしても,主人公以上の天才っぷりを発揮する異母弟が後半になっていきなり登場するなど,不自然なところがいくつかなくもない.しかし,それを補って余りあるほどの完成度を誇る作品だと思う.
既に内容は知っているが,手元においておきたいので,改めて購入することを決定した.

この作品は日本ファンタジーノベル大賞の優秀賞を受賞した作品で,しかも中華風の架空歴史物.
となると,どうしても酒見賢一の『後宮小説』を思い出してしまうのだが,『後宮小説』が明るいのに対して,『戒』は基本的に暗い話なので,あまり比較対象としてはふさわしくないと思う.

でも,個人的には『戒』の方が好きで,実はラスト間際のあるシーンで泣いてしまった.
小説を読んでいて「目頭が熱くなった」レベルではなく,「きっちりと涙が流れる」レベルにまで至ったのは『ハプスブルグの宝剣』に続いて二度目.
で,どちらも同じようなシーンだったところからすると,ああいうシーンが私にとっての泣きのツボらしい.

最後に,ネタバレにならない程度にお気に入りの台詞を引用しておこう.

まだわかりませんか。まだ決断を先延ばしにして逃げるのですか、戒さま。 あなたがすべきことは何者であるかを知ることではなく、何者になるか選ぶことです。
あなただけが特別なわけではない。あなただけが不幸なわけではない。お決めなされよ。 私は待ちません。運命に是非を言える人間など、いないのだから
投稿者 saihide : 13:49

2004年08月14日

三津浜見物

全国的にお盆休みの真っ最中なわけだが,この2-3年くらいはお盆に実家に帰っていない.こちらでやるべき仕事を抱えているのに,特にやることもない実家に帰るために交通費と時間をわざわざかけるのがもったいないためだ.

とはいえ,全国的のお盆休みなのに,自分だけ研究室に通うというのもなんだか業腹なので,今日はオフ日に設定し,研究室に行かないことにした.
だからといって,自宅に閉じこもっているのも馬鹿らしい&暑いだけである.

ということで,三津浜見物に行くことを急遽決定.
目的として,三津浜図書館で本を借りることと,大可賀にできたコーナンに行くこと,三津浜でお好み焼きを食べること,中央図書館で本を返すこと,を設定し,10時過ぎに自転車で出発.

日差しは少々厳しいが,自転車に乗ってると風があるので,それほど暑さは感じない.

西に向かって自転車をこいでいると,中央通のあたりでニトリの看板を発見.そういえばまだ行ってないことを思い出したので,帰りに寄っていくことを目的に追加.

そのまま久万の台あたりの坂をエッチラオッチラと越していく.自転車のギアが故障しており,一番重いままになっているのだが,傾度がそれほどないためか,それほどしんどくはなかった.
しかし,その次の陸橋風の坂はこのギアでは厳しそうだったので,迂回することに.
なんだかよくわからない路地に入り込み,ようやく通り抜けたと思ったら,そこは三津駅周辺だった.
バスや車から見たことはあったが,じっくりと見たことはなかったので,駅前に自転車を止めてしばし見物.

mitsu_eki.JPG

強力な台風が来たら吹き飛ばされてしまうんじゃないかと心配する一方で,「まあ,松山だから大丈夫か」と根拠なく思ったりもする.
松山市が現在取り組んでいる坂の上の雲のまちづくりの一環か,三津駅周辺の再開発計画があるらしいのだが,今の駅舎はこれはこれで味があるので,変に手を入れてしまうのはもったいないかもしれない.駅前の放置自転車を何とかすれば,それだけで一種の観光名所になりそうなので,その程度のテコ入れで十分な気がする.

第一の目的地である図書館はもう少し西の方なので,そのまま西に向かう.

自転車をこぎながら,確かこのあたりに三津浜銀天街というアーケードのある商店街があったはずだが...と思っていると,どうやら自分が走っているのがその商店街らしい.アーケードが撤去されてたことに加えて,店がほとんど開いていなかったので,最初は気がつかなかった.店が開いていなかったのは,お盆休みのためか,それともこの商店街もシャッター通りと化しているのか... 確かにこの周辺,スーパーがあちこちにあるから,商店街としては厳しいだろうしなあ...

などと思っていると,視界の片隅に海が見えた.そういえば「三津の渡し」がこの近くのはずだから,それも見に行ってみよう.

正確な場所が分からないので,とりあえず海まで出て,海沿いに自転車を走らせていくこと数分,それらしい場所に出た.ちょうど渡し舟(正確には艀(ハシケ)か)が岸を離れたところだった.

mitsu_watashi.JPG

対岸には利用者らしき人影が見えており,単なる観光名所ではなく,実際の生活に密接に組み込まれているようだ.渡しが戻ってくるまで待って,実際に乗ってみようかとも思ったが,乗ること自体だけを目的として往復するのもおかしい気がしたので,それは次の機会ということにした.

そのまま西に向かい,フェリー乗り場のあたりで方向転換する.
当初予定していたルートとは違っているので,図書館の場所が分からなくなってしまった.地図は持っていたものの,肝心の図書館の場所が載っていないため,あまり役に立たない.
そのあたりを走り回り,ようやく図書館を発見.
想像していたよりも小さな図書館だったが,目当ての本はまだ借りられていなかったので,すかさずゲット.他にも面白そうな本があったのだが,規定冊数の壁に阻まれて断念.またの機会にすることに.

とりあえず第一の目的を果たしたので,続いて第二の目的であるコーナンを目指す.
今度は海沿いに南下するだけでいいので,まったく迷わなかった.

kohnan.JPG

大阪出身の私にとって,コーナンは非常に馴染みのあるホームセンターなのだが,私が知っている店はどれもこんなに大きくなかったなあと思いつつ入店.
店は広いけど,売っているものはダイキEXとあまり変わらないなあ,などと思っていたら,妙にジュースやお菓子が充実していることを発見.でも,値段が特別安いわけでもなさそうだし,わざわざ買いには来ないよなあ...
特に欲しいものがあったわけではないのだが,カバンが500円で売っていたので記念に購入.持って来たカバンと同程度の大きさだったので,非常に収まりが悪いというアクシデントが発生したりもしたが,なんとか押し込んだ.

ついでだったので,その向かいにある「アイテムえひめ」のワールドマートにも寄ってみた.
アンカースティームがあれば買って帰ろうと思っていたら,アンカーの缶ビールを発見.しかしなにかが違う.
よくよくラベルを見ると,このアンカーはシンガポールのビールだった.そういえば,検索してたときにそういうのも引っかかったなあ.
他には特に物欲を刺激する物がなかったので,何も買わずに出てきた.

そろそろお昼時だったので,第三の目的であるお好み焼きを食べに行くことに.図書館を探して放浪しているときに見つけたお好み焼き屋に行ってみた.

おばちゃんが一人でやっている店で,基本的には持ち帰りがメインの店だったらしい.注文が溜まっているので時間がかかると言われたが,別に急いでもいないので,しばらく待つことに.
世間はお盆休みだというのに忙しそうだなあと思っていのだが,なんとはなしに聞こえてきた店主と顔なじみの客の会話で納得.お盆休みで,子供が帰省しているからこそ忙しいという側面があるようだ.たまに帰ってきたから懐かしい味を食べたい・食べさせたいということなんだろう.
そうこうしているうちに,自分の注文分が出来上がってきた.見た目&食べた感じは広島風と同じで,どのあたりが三津浜風なのかがよく分からなかった.作っているところを見る限りでは,豚の脂身(とスジ?)を豚肉とは別に入れている点が三津浜風の特徴なのだろうか?
なにはともあれ,あの量と味で500円だったら十分満足.

これで三津浜でやるべきことはすべて終えたので,市内中心部に戻ることに.

戻る途中もおかしな道に入り込んでしまったり,坂が厳しかったりと色々あったが,それほど大きな問題も発生しないうちにニトリに到着.

大阪でもニトリは見かけたことがなかったので,ニトリに入るのは初めてだったのだが,ホームセンターの大きさを維持しながら,工具類などを置かず,布製品や家事道具をそのぶん充実させた感じといえばいいだろうか.工具類に興味がない・必要ない人にとっては,こちらの方がありがたいことだろう.
取っ手が取れるフライパンセットやソファーベッドがかなり物欲を刺激したのだが,いまのところは買う必然性はないということで却下.もっと広い部屋に引っ越したら考えよう.

その後,市立中央図書館で本を返却,返す刀で,すかさず本を借りてしまった.うーん,やっぱり連鎖が始まってしまったようだ.
で,以前の記事でも書いた3階の謎だが,どうやら3階は書庫になっており,申請があれば本を出してくれるというシステムになっている模様.まあ,そうじゃないとマンガ喫茶状態になるもんな.
そういえば,紫堂恭子の画集を見てくるのを忘れたな.でも3階にあるということは,申請をしないと出してくれないってことだし,そこまでして見たいのかというと少々疑問も残るなあ...

と,最後は少し消化不良のところもあったが,おおむね満足のできる三津浜見物であった.

これで西の方はしばらくいいから,次の機会があったら,東の奥道後見物かなあ.

投稿者 saihide : 22:15

(こうさぎ)

きょうグラハムがsaihideとひまがblogしなかった。
グラハムはblogした?
きのうグラハムが、blogしなかったよ。
きょうグラハムは、saihideがここにblogしたいなぁ。
きのうはblogしなかったよ。
グラハムはsaihideのひまとかblogした。


*このエントリは、こうさぎの「グラハム」が書きました。

投稿者 graham : 10:58

2004年08月13日

『小生物語』乙一

松山市立中央図書館で利用者カードを作るきっかけになった,ある意味記念すべき本.
基本的には乙一の日記なのだが,そこは乙一だけあって,独特のノリで書かれていて,面白かった.

しかし,私はあとがきなどに垣間見える乙一のパーソナリティーを面白いと思うし気に入ってもいるのだが,やっぱり乙一の書いた作品を読むほうが好きなようだ.

今までの作品の再録+新作みたいな中途半端な形ではなく,そろそろちゃんとした小説の新刊本を出して欲しいと切実に思う.

投稿者 saihide : 22:06

2004年08月12日

松山市立中央図書館

遠藤淑子の本を探して南江戸の宮脇書店まで遠征したのだが,あえなく空振り.
そこで乙一の新刊(といってもエッセイというか日記)の現物を初めて見たのだが,新刊で買うべきかどうかが微妙っぽかったので,古本屋で巡り会うことを期待しつつ,その場はスルーした.

その後,帰り道の途中だったので,松山市立中央図書館に立ち寄ってみた.この図書館,これまでも何度か来たことはあったのだが,その時はいつも借りたい本が見当たらず,利用者登録はしないままだった.
今回もそうなるだろうなあと思いつつ,館内を巡回したり,検索端末を触ったりしていたのだが,先ほど買わなかった乙一の新刊のことを思い出したので,試しに検索してみた.




あるやん.しかも貸し出し可能やん.

ということで,館内を探し回り,返却本の中に埋もれていた乙一の新刊をゲット.
ついでに以前から買うべきかどうか気になっていた小説もゲット(これも探し回った末,返却本の中から見つけた).
さらに,ネットで見かけて少々気になっていた本も館内にあると端末に出ていたので,色々と探してみたのだが,こちらは見つからなかった.残念.

結局,借りた本は2冊だけだったが,ついに松山市の図書館の利用者カードを作ってしまった.図書館を使うと経済的には助かるのだが,返しにいくと次の本を借りてしまうという連鎖が起こってしまい,歯止めが効かなくなる危険があるんだよなあ... 大丈夫かなあ...

などということを考えながら,自宅に戻ってネットをチェックするついでに,図書館のホームページから蔵書検索をし,次に借りる本の物色をしてたりする.
そういうことは,とりあえず借りてきた本を読み終えてからにしろよ>自分

で,蔵書検索のときにたまたま発見したのだが,手元にあるマンガの作者名で検索してみると,かなりの確率で本がヒットしたりする.というか,紫堂恭子のマンガがほぼ全種類揃っているだけでなく(さすがに最新のシリーズはないが),どうして画集まであったりするんだ? 実はメジャーなのか,紫堂恭子? うぉっ,遠藤淑子のマンガもほぼ全部あるし... なんなんだ,この図書館は...

所蔵情報を見ると,マンガは3階に集約されているらしい.今まで1階しか足を踏み入れたことがないのだが,次に行くときは3階まで上がってみることにしよう.ますます歯止めが効かなくなる危険があるが...


投稿者 saihide : 22:56

2004年08月11日

森の翠 無濾過生原酒

sake.jpg

以前,日本酒が充実している飲み屋に行き,そこで色々な種類の日本酒を飲んだことがあるのだが,そこで一番美味しく感じたのが「森の翠」という愛媛の地酒.
基本的に日本酒は何を飲んでも「うん,酒だ」という感想しかもてなかったので,そのとき美味しく感じたのは自分でもビックリした記憶がある.

その後,いくつかの飲み屋で「森の翠」の名前のついた酒を飲んだのだが,そのときの味とは微妙に違っており,なにか満たされないものを感じていた.

で,どういう経緯だったかは忘れたが,先日,森の翠を置いてある酒屋(=名田酒店)をネット上で見つけたので,さっそく買いに行ってきた.
ネットでは「松山でここでしか購入できない『森の翠』が購入できます」とあったのだが,それがこの無濾過生原酒らしい.

で,飲んでみた感想だが,「芳醇で爽やか」というのが一番近いかもしれない.
最近流行らしい「端麗辛口」の日本酒に比べると甘めで,旨みが濃い感じがする.だけど,飲んだ後に妙にベタベタするという感じではなく,そういう意味ではスッキリしている.

先ほど,おかずを食べながら飲んだときには「これも『あの時の森の翠』じゃない」とガッカリしていたのだが,この記事を書くためにもう一度飲んでみたところ(今度はロック&つまみナシで),この味にかなり近かったような気がしてきた.
以前の印象ではもう少しキレがあったような気がするのだが,森の翠の紹介をしているページによると,今年の分は「昨年度分より少し甘めでまったりとした味わい」らしいので,もしかすると,私が飲んで衝撃を受けたのは同じ銘柄の昨年分だったのだろうか.
だとすると,あの時の味にはもう出会えないのかもしれない.それとも,何年か後には同じような味の酒が再び作られたりするのだろうか.

こういうことを自分の身をもって体験すると,ある種の酒というのは「工業製品」ではなく「生き物」または「職人による作品」なのだと実感してしまう.
まあ,だからといって,「酒との出会いは一期一会だ!」とか言いながら飲んだくれたりするつもりはこれっぽっちもないけどね.

投稿者 saihide : 21:52

2004年08月10日

amazonマーケットプレイス

『ヘヴン 1-2巻』によって勃発した第二次遠藤淑子ブームだが,コンプリートまであと数冊というところで足踏み状態が続いている.
安く買えるにこしたことはないので基本的に古本屋を漁るわけだが,古本屋が中心にならざるを得ない理由がもう一つある.10年以上前の作品ともなると既に絶版になっていて,普通の本屋には置いてないのだ.

しかし,巡回している古本屋には置いてないことが確認済みであり,県外に出かける予定も近日中はないため,この頃はネットの古本屋を定期的にチェックするしか手段がなくなっていた.
ネット上の古本屋にも色々あり,オークションなども含めるとそれこそ無数の選択肢があるのだが,私が使ったことがあるのは古本市場だけ.会員登録を一度してしまったので,ついつい同じところを利用してしまうというだけで,特に積極的な理由があるわけではない.
なのだが,なかなか目当ての本が見つからないのに業を煮やして,amazonマーケットプレイスを利用してみることにした.

amazonマーケットプレイスというのは,amazonの検索・課金システムを利用するが,実際に商品を提供・配送するのはamazon以外の人や会社というもの.
要するにamazonが場所を貸して,そこで別の人・会社が商売をする,売上があがったら一部をamazonにショバ代として渡す,という昔ながらのビジネスモデルをネット上で行っているわけだ.
まあ,自分でショッピングサイトを持っていない人や会社にとっては便利なシステムだと思う.

しかし,私が今回amazonマーケットプレイスを利用して取引をした相手は「古本市場」,つまり私がいつも利用している,自社のショッピングサイトを持っている企業なのだ.
どうしてこんな「他人の褌で相撲を取る」ようなことをしているのかというと,amazonが各種ショッピングについてのポータル的な役割を果たしており,それを利用してできるだけ多くの顧客にアクセスしたいためだろう.

そのことには経済合理性があるし,十分に納得できるのだが,一つ疑問がある,というか,納得できないところがある.
それは,amazonマーケットプレイスの出品物と自社のショッピングサイトの在庫が別物になっているようなのだ.具体的にいうと,今回,遠藤淑子の単行本をamazon経由で注文したのだが,その同じ単行本は自社のショッピングサイトには掲載されていないのだ.

利用者の立場から言わせてもらうと,これは非常に困る.というのも,amazonマーケットプレイスは送料などが1冊単位で発生するのに対し,古本市場のショッピングサイトでは送料は1箱単位なので,まとめ買いをすると古本市場経由で購入する方が圧倒的に安くなるからだ.
amazon経由で古本市場からまとめ買いした場合,送料の一部を返金してはくれるのだが,amazonへのショバ代が1冊単位で発生する関係上,その分は戻ってこない.つまり,まとめ買いしてもやっぱり高いのだ.

ちなみに,今回の買い物の場合,本来の価格は古本価格なのだが,送料などを含めると新刊価格とほとんど変わらなかった.
これがamazonマーケットプレイスの出品物と自社ショッピングサイトの在庫が連動していれば,私は迷わず古本市場から直接買っていたはずで,その場合はもう少し安くなっていたはずだし,ついでに他の本も買っていたはずだ.なんといっても何冊買っても送料は同じだから,同時に多く買えば買うほど1冊あたりの送料が小さくなるのだから(=規模の拡大による1個あたりの固定費の減少).ちなみに今回の場合だったら,既に目をつけている本が2冊あるし,ついでとなるとそれほど読みたくない本でも勢いで買ってしまう傾向があるから,4冊くらいは確実だったと思う.

そういうことを考えると,現在の古本市場のやり方というのは,かなりもったいないような気がする.部署が別になっているのか,それともシステム的に問題があるのか,はたまた単に気がついていないだけなのか...
おそらく在庫を連動させてしまうと,amazonへの出品物のデータの更新を頻繁に行わなければならないためだと思うのだが,amazonだけで独立させていても在庫切れの出品物がそのまま出品され続けることはあるんだから(今回注文した本のうちの1冊は在庫切れのためにキャンセルされた).
できれば,連動させる方向でいって欲しいものである.





ということで,これから注文した本を読むことにしよう.楽しみ楽しみ.

投稿者 saihide : 22:45

2004年08月09日

松山丸三

8/7の記事で杏仁豆腐の原料である杏仁霜について書いたが,松山でこの手の食材を販売しているところはないだろうかと考えたときに思い浮かんだのが「アイテム愛媛」と「松山丸三」.
松山丸三と聞いたとき,多くの人は本屋さんを思い浮かべるだろうが(読書好きの人は特に),飲食店関係の仕事をしている人やお菓子作りが好きな人は違うはず.松山丸三とは,厨房設備や珍しい食品を販売している店で,丸三書店とはまったく関係がない(はず).

とはいえ,私も実は行ったことがなかったので,本当に売っているかどうかを事前調査するべく,ネットで検索してみた.すると,立派なウェブサイトがヒット.オンラインショッピングもできるらしい.
そのオンラインショップ上で杏仁霜を発見.これならば無駄足を踏む可能性は低いだろうということで,実店舗に行ってみることにした.

松山丸三は2種類の店舗を運営しているようだが,今回の目当ては材料なので,花園町にある方の店に行ってきた(まあ,どちらの店も至近距離にあるのだが).

入ってみると,色々な業務用の材料が販売されている.量が多いものもあるが,普通の過程でも十分消費できるくらいの分量のものも多く,普通のスーパーなどではあまり見ないようなものもあって面白かった.

いちおう棚ごとにカテゴリー分けされているのだが,今回の目当ての杏仁霜は「粉もの」なのか,「中華スパイス」なのか,「デザート」なのかの区別が付かず,5分ほど店内を放浪してしまった.
結局,ゼリーや寒天などと同じ並びにあったので,松山丸三的には杏仁霜は「デザート」のカテゴリーに属しているということだろう.

時間があればもう少し店内を見てみたかったのだが,閉店時間が近づいていたので,目当てのものを購入してすぐ,そそくさと店を出てきた.
また何かの機会があったら,今度はじっくりと店内を見物することにしよう.

ちなみに,全国的に普及している「大判焼き」の元祖はこの松山丸三らしい.くわしくは松山丸三のウェブサイトのHistory1をどうぞ.

投稿者 saihide : 16:18

2004年08月08日

卒塔婆

夕方,買い物を済ませてから自宅に戻るべ自転車で走らせていたところ,妙なものを目撃した.
若い男性が左手に卒塔婆を抱えて歩いていたのだ.
あの形状といい,墨痕鮮やかな書き文字といい,紛うことなく卒塔婆だった.

基本的に霊感はないはずなので実在の人物だと思うし,それ以外は普通の服装だったのでパンクやゴス系のファッションの一環ではないと思う.
まあ,ファッションだとすれば卒塔婆というのは確かに夏向きのアクセサリーだとは思うが,あまりのインパクトに一瞬自分の目を疑ってしまった.

自宅に戻ってから落ち着いて考えてみたのだが,うちの実家にはそういう風習はないのだが,もしかするとお盆には卒塔婆を家に飾る(?)風習があるのかもしれないと思って調べてみた.
すると,家には飾らないようだが,お墓には毎年飾る,というか建てるらしい.
ふーん,あれって納骨などのイベントの時だけ建てるものだと思ってたが,毎年更新されるものだったのか.

ちなみに,全国の卒塔婆の半分以上は,東京都西多摩郡日の出町で生産されているらしい.全国シェア60%(年間480万本ぐらい)だそうだ.
卒塔婆の値段も見つかったが,思ったよりは安いみたいだ.

でも,こういうのってお寺の方で一括して準備するだろうから,街中を卒塔婆を1枚だけ抱えて歩いている人っていうのは,やっぱり変な気が...

投稿者 saihide : 22:05

Wikipedia

どういう経緯か忘れたが,朝鮮戦争の開始年と終了年を知る必要があったのでGoogleで検索してみたところ,ヒット&役に立ったのがWikipediaだった.また,これとは別件で,"reverse triage"について調べる必要があった時も,海外のWikipediaが役に立った.

ということで,今回はWikipediaについて.
Wikipediaの説明をするためには,まずはWikiの説明をする必要がある.Wikiはコンテンツ管理システム(CMS)の一種で,その最大の特徴は複数人が記事を投稿・編集できる点にある.
そして,Wikiのこの特徴を活かし,ボランティアに項目(記事)を投稿してもらうことで,フリーの百科事典をネット上で作ってしまおうというプロジェクトがWikipedia.

存在自体はかなり前から知っていたのだが,当時,試しに使ってみたところ,あまりの遅さに我慢できなかったのだが,どうやら速度がアップしたようで,これくらいなら十分実用に耐えうる.

で,項目の執筆をボランティアで行っていることの副産物だと思うが,項目が結構偏っている.たとえば,Wikipediaのトップページには「新しい記事」という項目があるのだが,ある日の項目は以下のとおり.

  • 天真楼  (杉田玄白の開いた塾)

  • ぼくの家庭教師  (4コマ漫画)

  • マラッカ王国  (歴史上の国)

  • ジャン=ポール・ベルモンド  (俳優)

  • 白象  (動物)
  • うーん,「ジャン=ポール・ベルモンド」はともかく,マイナー(だと思うんだが)な4コマ漫画の名前が掲載されている百科事典って...

    コンピュータ上の事典というだけあって,コンピュータに縁がある,またはコンピュータ好きの人が好きなものについてはヒット率が高いような気がする.
    たとえば,近代組織論の祖であるバーナードはヒットしないが,それを継承したサイモンだとヒットする.これはサイモンがコンピュータ科学の領域でも貢献しているからだろう(まあ,ノーベル賞を取ったからかもしれないが).

    あと,自分の好きな作家やアーティストについて検索すると,意外な発見があったり,外部へのリンク(公式ページとかに)が張られていたりして面白かったりすることもある.
    自分の好きなものの布教活動に力を入れたい人は実際に記事を書いてみてもいいかもしれない.その場合は,ガイドブックなどを読んだ上で,あくまでも「中立的な観点」でね.

    投稿者 saihide : 21:22

    2004年08月07日

    杏仁豆腐の原料

    先日,長城で杏仁豆腐を食べた際に杏仁豆腐の原料のことが話題になった.
    一般に出回っている杏仁豆腐の多くは実は偽物であって,本物の杏仁豆腐には「杏仁霜」が入っており,独特の香りがするということは以前から知っていた.

    なので,そのことを説明したのだが,その「杏仁霜」が何かということについては「杏の種の中身を粉末にしたもの」と,「アーモンドパウダー」という二つの異なる情報の二つが頭の中にインプットされており,わけが分からなくなってしまった.いくらなんでも杏の種とアーモンドは別物だろうし...

    ということで,検索エンジンで調べてみた.

    まず杏仁豆腐の「杏仁」だが,これは「杏の種」のことで間違いないらしい.咳によく効く漢方薬としても用いられているそうだ.
    じゃあ,なぜ「アーモンド」説が流れているのかというと,中国ではアーモンドと杏仁が区別されていないという説と,杏とアーモンドは同じバラ科の植物であって味がよく似ていることに加えて,杏仁は高価なので安価なアーモンドで代用されることが多いためという説があるようだ.
    ちなみに本物の杏仁には「北杏」と「南杏」があり,北杏は香り高いが苦めであり(こちらが漢方薬として用いられる),南杏は香りは弱いが甘めなんだとか.

    ついでに杏仁豆腐にも固めのハードタイプ(寒天を使用)と,口の中で溶けるようなクリーミータイプ(ゼラチンを使用)の2種類があるらしい.長城の杏仁豆腐はクリーミータイプだな.

    個人的には,杏仁霜を水か何かで溶いて冷やすかなにかすれば勝手に固まると思っていたのだが,色々とレシピをみると,寒天かゼラチンかを使うのがほとんどだった.
    寒天とゼラチンの違いはあれ,なにか混ぜものをして固める必要があるのか.寒天で固めるもの=バッタモノというイメージがあったのだが,これは間違った知識だったのか...

    しかし,杏仁霜を水で溶いただけでトロトロになるというページもあったので,ある程度は固まるのかもしれない.
    これは,どこかで杏仁霜を手に入れて実験するしかないなあ.

    投稿者 saihide : 21:15

    オープンキャンパス終了(こうさぎ)

    きょうキユーピーで、2しなかった。
    便利。

    *このエントリは、こうさぎの「グラハム」が書きました。

    投稿者 graham : 10:36

    2004年08月06日

    長城(中華料理店)

    朝から夕方までの出稼ぎを無事勤め上げた自分へのご褒美として,昨日からの計画通り,美味しいものを食べに行くことにした.

    誰も捕まらないのではないかと心配していたところ,つきあってくれる人も見つかった.ラッキー.しかもその人が車を出してくれるというダブルラッキーぶりだったので,以前から興味があった中華料理店に行くことになった.その店が「長城」.
    正確な場所が分からなかったので,まずはネットで場所についての情報を検索.おそらくこの辺りだろうという地図を印刷してから出発.店探しが難航するのではないかと心配していたのだが,意外なほどアッサリと見つかった.うーん,地図は偉大だ.

    店の前の駐車場は全て埋まっていたが,少し離れたところに第二駐車場があった.こんなに駐車場を用意する(できる)ということは,かなり繁盛しているのだろう.
    店は住宅地の真ん中にあるのだが,窓が大きいことが印象的で,中華料理店としてはかなりお洒落っぽい感じがした.

    で,店内に入ったところ,ちょっと意外なことがあった.

    店構えがお洒落なわりに,客筋が普通の町の中華料理屋なのだ.もちろんカップルっぽい人たちもいたが,家族連れあり,作業服の中年男性のグループありで,一人で黙々と食べている人もいたようだ.

    で,メニューを開いてみても,やっぱり普通の町の中華料理屋っぽいのだ.料理名はもちろんのことだが,何よりも価格帯が普通すぎるくらい普通.学生からすると少し高めと感じるかもしれないが,学生街ではない町の中華料理屋さんではこれくらいの価格設定はそれほどおかしくないと思う.特に定食メニューになると600-800円程度で,これがかなり充実していた.

    普通ならば定食を注文するところだが,出稼ぎのおかげで懐が暖かかったので,ネットで美味しいと評判だったエビチリ,カニあんかけチャーハン,杏仁豆腐を注文してみた.

    まずはエビチリ.予想していたよりも辛くなく,エビがプリプリしていて美味い.

    次にカニあんかけチャーハン.よく考えてみたら,今まであんかけチャーハンなるシロモノは食べたことがなかったので比較対象がないのだが,これはこれで美味い.おそらくチャーハンだけでも十分うまいと思う.

    最後に杏仁豆腐.うぉーっ! 口の中でとろける! 杏仁豆腐特有の香りは少々薄目だが,牛乳を寒天で固めただけのバッタモノではないっぽいぞ!

    ということで,どれもこれもみな美味しゅうございました.

    他にも食べたいメニューがいくつか残っているのだが,中心部からは少々離れているので,誰かに車を出してもらわないと行きにくいな.
    まあ,自転車で行けなくはない距離だし,古本屋巡回ルートの近くなので,どうしても食べたくなったら古本屋巡りのついでに一人で行ってみることにしよう.

    投稿者 saihide : 20:49

    2004年08月05日

    オープンキャンパス終了

    OC2004.jpg

    学生さんたちが準備に奔走していた今年のオープンキャンパスも無事終了.
    うちの学科のオープンキャンパスの特徴は,学生さんが前面に立って運営していることなのだが,おかげで教員はそれほど忙しくない.いや,メインの教員は走り回っていたので,メイン以外の教員は忙しくないという方が正確だろう.
    私はメインの教員ではなく,特に固定された仕事もなかったため,ひたすらデジカメであちこちの写真を撮りまくっていた.おかげで足が少し筋肉痛になりつつあるのだが,メインの学生さんたちはもっと疲れたことだと思う.皆さんお疲れ様でした.

    で,本日の主役であった学生さんたちをねぎらうための打ち上げが今晩開催されるわけだが,実は個人的事情のため,そうそう打ち上がってもいられない.

    8/6は朝から出稼ぎに行く予定なのだ.しかも朝から夕方まで,通常の授業換算で行くと4コマ連続で授業をしなければならない.
    今まで,3コマ連続で授業はやったことはあるのだが,それは同じ授業を3コマであり,しかもパソコン演習だったので,あまり比較にならない.
    講義形式での最大連続授業時間は2コマ,しかも同じ内容のものを単純に2回するだけだったので,こっちもあまり比較にならない.
    ということで,4コマ連続,しかも全部違う内容での講義というのは,はっきり言って未知の領域だ.

    配付資料の関係上,一通りの準備は完了しているのだが,仕事として受ける以上,それなりのクオリティの講義をする必要があるので,今晩もやっぱり準備をしなければいけないし,なによりも完全に打ち上がってしまって二日酔いで授業なんてもってのほかだ.

    ということで,今晩の打ち上げはほどほどにしておいて,明日の出稼ぎが終わってから,個人的に打ち上がろうと計画している.
    しかし,明日の授業で予想以上に消耗してしまったら,打ち上がらないでそのまま寝てしまいそうだな.そうなると現時点で誰かを誘っておくのもまずいな.
    となると,少々リスクは高いが,授業が終わった時点で誰かを捕まえるしかないか.金曜の夜だから,誰も捕まらない可能性が高そうだけど,その場合は一人で何か美味しいものでも食べにいくとしよう.

    投稿者 saihide : 17:52

    2004年08月04日

    オープンキャンパス前夜

    現在,8/4の23時過ぎだが,まだ研究室にいる.
    あと20分弱で日付が変わってしまうが,明日(=8/5)はオープンキャンパスの日.スタッフの学生さんたちは今も大学に残って明日の準備をやっているので,私もそれにつきあっているというわけだ.

    総合政策学科では毎年オープンキャンパスで学生制作のビデオを上映するというのが慣例になっているのだが,今年はそのビデオの編集と学会発表,さらには各種授業&試験&レポートが重なるというハードスケジュールになってしまった.それらを全てこなさなければいけない学生さんたちは睡眠時間を削って頑張っている.傍から見てても大変だと思うのだが,反面,羨ましくもある.

    自分が大学生の時には,彼ら・彼女らのように何かをやり遂げるために睡眠時間を削ってまで頑張った記憶はない(これは私は睡眠時間を削ることができないタイプの人間であることも関係しているが).
    しかも,彼ら・彼女らはそれを一人だけでやるのではなく,お互いに協力してやっているわけだ.実際に作業をするのは一人だけにならざるを得ないことも多そうだが,それでも近くに応援してくれる人(時にはジャマをする人になるかもしれないが)がいるというだけで,精神的には楽かもしれない.

    こういう光景を傍から見ていると,自分が学生時代にこういう充実した時間を過ごせていれば,もう少しは真っ当な人生を歩めたのではないかと思わなくもない.
    まあ,今の生き方はそれなりに気に入っているので,それほど後悔しているわけでもないのだが,「あったかもしれない可能性」や「なったかもしれない『今とは違う自分』」への後悔というのは,程度の問題はあれ,どんな人でも,どんな歳になっても,ついて回るのだろう.

    ともあれ,彼ら・彼女らには,この調子で充実した時間を過ごしてもらい,少しでも後悔のない人生を歩んでもらいたいものだ.







    と,感動的な台詞で締めくくったところを恐縮だが,途中にも書いたように,私は睡眠時間を削れない種類の人間なので,申し訳ないけど途中で帰らせてもらうよ.
    あとは若い人同士で...って,これだと見合いの世話人だな...

    投稿者 saihide : 23:40

    学内盆踊り

    odori.JPG

    毎年恒例の学内盆踊りが今年も開催された.
    例年は若手スタッフが店を出すのだが,今年は色々とイベントが重なっていたため,学生さんたちに完全アウトソーシングさせてもらった.

    odori_mise.JPG

    代わりに店の運営を頑張ってくれた学生さんたち

    学会発表やオープンキャンパスの準備で死にそうになっている学生さんたちもお客さんとして駆けつけてくれた.

    odori_kyaku.JPG

    お客さんとして応援してくれた学生さんたち
    陶芸家みたいな格好をしているが,別に陶芸家ではない,念のため.


    で,例年よりもお客さんが多かったようで,20時過ぎにはあちこちの店で完売になっていた.
    うちの学生さんたちがやってくれた店でも,くじ引きは早々に売り切れてしまい,アイスクリームも順調に完売.

    odori_kanbai.JPG

    完売を記念して写真撮影
    お札を抱えながら視線があらぬ方向を向いている男性がいるが,別に危険人物ではない(はず?),念のため.

    ということで,店を運営してくれた学生さん&お客さんとして駆けつけてくれた学生さん,ご苦労様でした.
    来年は手伝えると思うのだが,構造的に8月上旬は忙しいんだよなあ...

    投稿者 saihide : 11:11

    2004年08月03日

    大漁なり

    おやつに食べた「ゴマだれ団子(105円)」が悪かったのか,夕方くらいから気分が悪くなってしまった.

    気分転換&逃避の一環として,古本屋に行ったところ,探していたマンガ(全4巻)が格安で手に入った.
    一時はネットで注文しようかとも思ったのだが,相場的に高いような気がしたので,しばらく購入を見合わせていたのだ.結果として,ネットで買った場合の5分の1くらいで購入できた.まさに商魂全開である.
    他にも以前から探していたがなかなか見つからなかった文庫をゲット.こちらは標準的な値段だったが,本当に見つからなかった本なので,かなり嬉しい.

    ということで,精神的にはかなり回復したのだが,身体的にはやっぱり気持ち悪いぞ.

    ちなみに,あまりにも嬉しかったので,チェーンをかけたまま自転車を発進させようとしたり,無茶な道路横断をして危うく轢かれかけたりもしたのだが,それはここだけのナイショということで.

    投稿者 saihide : 18:21

    2004年08月02日

    『盤上の敵』北村薫

    TVディレクターである主人公が妻と暮らす自宅に猟銃を持った殺人犯が立てこもった.
    主人公は警察に無断で勤務先のTV局のワイドショーに情報を提供する.
    しかし,それは自身の手で事件を解決し,妻を救うためだった...

    北村薫といえば,人が死なないミステリーである「円紫師匠と私」シリーズや,殺人事件を扱うことはあっても全く重くない「覆面作家」シリーズ,実は未読の「時と人」三部作などで有名で,その作風が非常に優しいことで知られているが,これは違う.私は文庫版で読んだのだが,ノベルズ版の前書きとしてこのようなことが冒頭に書かれている.

    あらかじめ,お断りしておきたいのです.今,物語によって慰めを得たり,安らかな心を得たいという方には,このお話は不向きです―と.

    確かにそれまでの北村薫の作品のような優しさを期待しているとキビシイかもしれない.
    でも,北村薫以外の世の中には,この程度のブラックというかダークな話は溢れているので,そちらの方向を期待して読むとガッカリするかもしれないし,逆に敬遠して読まないでいると損をするような気がする.

    この作品の本質は,そういうダークさではなく,ストーリーの展開にあると思う.
    この作品は寝る前に読んでいたのだが,区切りのいいところでやめようとしたところ,区切りのいいところがちょうど急展開の箇所だったため,そのまま眠気を忘れて一気に読了してしまった.
    文庫の裏表紙にあった紹介文には「誰もが驚く北村マジック!!」とあるのだが,確かに驚いた.全く予想できなかった.

    で,陰惨な話のわりには読後感はなぜか良かったりする.前回紹介した宮部みゆきの『誰か』と好対照といえる.
    これは話の配置のせいもあるんだろうけど,『誰か』で描かれる悪意が日常的なものであるのに対して,こちらで描かれる悪意はそれよりも非日常的だからだろうか.
    まあ,最近の世の中の動向を見ていると,『盤上の敵』的な悪意も少しづつ日常化しつつあるような気がしないでもないが.

    投稿者 saihide : 20:59

    2004年08月01日

    『誰か』宮部みゆき

    周囲からは玉の輿に乗ったと思われている社内報の編集者は,義父から「事故死した友人の人生を本にまとめようとしている姉妹の手伝いをしてくれ」と頼まれる.しかし,本の執筆に乗り気な妹に対して,父の過去を明らかにすることに消極的な姉.その態度の背景には,ある事件が存在していた...

    ということで,『火車』以来の宮部みゆき作品.発表された時系列で読んでいないので,作風などがどのように変化してるかはよく分からないが,370ページくらい(少し字が大きめではあるが)をグイグイ読ませる筆力は相変わらず.
    しかし...

    全編を通して読んだ後だと,「これってもう少し短くても良かったんじゃないの?」と思ってしまう.
    全体の分量のうち,メインのストーリーに直接関係しそうな出来事は実はそんなになかったような気がするのだ.
    色々なエピソードが淡々と積み重ねられていくことで主人公の考え方など浮かび上がってくるので,それはそれでいいのかもしれないが...

    あと,宮部みゆきの作品というのは人の良い面も悪い面も両方描かれていると思うのだが,これについてはそのバランスが悪い...というのとは少し違うな,良い面と悪い面の配置が少し偏っているとでもいうのだろうか,そのように感じられた.そのため,なんだか読後感がイマイチだった.後味が悪いというか,最終的に解放されないまま終わったというか...

    まあ,この前に読んだ宮部みゆき作品が『火車』という大傑作で,それと比較してしまうとどうしても評価が辛くなってしまうのは仕方がないかもしれない.そういうのを抜きにすれば,十分に面白い作品だったと思う.

    投稿者 saihide : 21:13

    ハードディスクからの異音

    とある先生のPCが起動しなくなったというので,確認に行くことになった.
    単に起動しないだけでなく,変な音がするという.PCで変な音の発生源になりそうなのはファンかドライブかくらい.起動画面の途中で止まっているという症状からして,おそらくハードディスクっぽいと予想.
    とりあえずデータを取り出したいということだったので,CDからブートできるLinux(KNOPPIX)をダウンロードしてCDに焼いたものを持って行った.おかしくなっているのがハードディスクの起動部分だけならば,これを使ってデータを取り出せるはず.


    その先生の研究室を訪ね,まずは問題のPCを起動させてみる.確かに異音(ここのBadHeadみたいな音)がして起動しない.Safeモードで起動させようとしても同じ.
    次にKNOPPIXを使って起動させてみる.これは基本的にハードディスクを使わないので,ハードディスクに問題があっても起動するはず...なのだが,起動中に異音が発生.どういうことかと思っていたら,どうやらKNOPPIX上からハードディスクを使うためにハードディスクを認識しようとしたところ,そのアクセスに対して異音が発生しているらしい.これはかなりマズイかも...

    その後,何とか起動し,ハードディスクも認識したのだが,アクセスしようとすると異音が発生し,アクセス不能になってしまう.これでは素人レベルでは手の打ちようがない.
    ということで,お力にはなれなかったのだが,今後の善後策について話をしていたときに話題になったのがメールのデータとアドレス帳.これがいちばん痛いらしい.
    自分のことを考えてみると,仕事用のデータは研究室と自宅で同期させている関係上,最新のデータが常に2箇所以上に存在しているが,メールについては基本的に自宅に集中させているので,自宅のPCでトラブルが発生すると回復不能になる可能性が非常に高い.

    ということで,このBlogを書きながらバックアップを取っておいた.電信八号というマイナーなメーラーを使っている関係上,ファイル数が異常に多い(7万くらい)のだが,なんとか無事にバックアップも終了.これで自宅のPCがおかしくなってもダメージは最小限にとどめられそうだ.

    投稿者 saihide : 16:47