2005年02月28日

塩漬け肉づくり

前回の記事でも書いたが,ソースの賞味期限を調べたときに耐乏PressJapanに辿り着いたわけだが,その際に他のページも見てみた.
色々と面白いことが書かれていたのだが,個人的に非常に興味を引かれたのが,特集:大切なお肉の長期保存という記事.
肉を塩漬けにすることによって長期保存しましょうという記事なのだが,すぐ近所にスーパーがあり,自宅に冷蔵庫がある生活を送っている以上,別に塩漬けにしてまで肉を保存しなくてはいけない理由はない.
しかし,他の記事を読んでみると,肉を塩漬けにすることで熟成が起こり,独特の旨みが出るそうで,その結果として1ヵ月後には「生で食べられる」(=生ハムになる)という.

自宅で生ハム...

なかなか面白そうだし,やってみるか.

ということで,2月の頭に近所のスーパーで豚肉のブロック肉が安いときを狙って500グラムほど購入(ちなみに100グラム100円弱).
塩については,こちらに引っ越してきた際に購入したJTの安物の塩が大量に余っているのだが,できるだけ自然塩を使おうと書かれていたので,豚肉と共に購入することに.
伯方の塩と悩んだ結果,味の素の「瀬戸のほんじお」を買ってみた.

siobuta_1.jpg

さて,いよいよクッキング開始.
といっても豚肉に塩を擦り込むだけなのだが,早くも問題発生.
豚肉の5-10%の塩を使うべしとあるのだが,塩を量るためのクッキングスケールがない.
体重計で量ることも考えてみたのだが,うちの体重計は500グラムの10%=50グラムが量れるほどの精度はありそうにない.
仕方ないので目分量でGo.うーん,我ながら大雑把だな.

豚肉に塩を擦り込んだ後,もともと豚肉が入っていた発泡スチロールのトレイに戻し,それをラップで包む.念のため,ラップで包んだトレイごとジップロックに入れておく.

siobuta_2.jpg

これを冷蔵庫で保管し,ときどき水を捨てながら1週間くらい待つわけか.

で,翌日.中身を確認してみると,確かに水分が染み出ている.しかし参考にしたページに載っていた写真に比べると,えらく量が少ない.うーん,目分量だったから塩の量が少なかったのかな?

さらに翌日.またもや水分が染み出ているのだが,どう見ても前日よりも量が少ない.やっぱり塩が少なかったか...
ということで,もう一度塩の擦り込みを行うことに.今度はかなり擦り込んだので大丈夫だろう,というか逆に多すぎたかも...

で,またもや翌日.恐る恐る中身を確認すると,初日に比べてもかなり大量に水分が出てきていた.やっぱり最初の塩の擦り込みは量が少なかったのだろう.
水分の滲出は2日ほど続いたが,その後はほとんど出てこなくなった.

で,これが第一次塩漬けから9日(第二次塩漬けから1週間)経過した豚肉.

siobuta_3.jpg

日にちが経った豚肉に特有の腐敗臭はしないので,腐ってはいないのだろうけど,なんか色が不穏になりつつあるような...

しかし,ここまで来た以上,後戻りは許されない.次なる「熟成」のための作業を行うことに.
といっても,ラップで空気が入らないように包んで冷蔵庫に置いておくだけ.
できるだけ空気が入らないように包んだつもりだったが,基本的に大雑把な人間なので,そういう細かい作業には向いていない.どう見ても空気が入ってしまっている.
包み直すのも面倒だったので,ジップロックの中に入れた上,そこにストローを突っ込んで空気を吸い出してみた(はなまるマーケットでやっていたテクニック).ラップの中に空気が入ってしまっている以上,気休め程度にしかならないだろうが,なにもしないよりはいいだろう.

それから9日経過.「塩漬けにして2週間もすれば食べられる」とあったので,ちょっと味見してみることに.
ジップロックから取り出し,ラップを外してみたところ,微妙に脂っぽい匂いはするが,腐敗臭はしていない.購入してから20日くらい経っているのだから,とりあえず塩漬けによる防腐効果は作用しているようだ.
しかし,肉の表面の色の不穏さはさらに進行していた.大丈夫なのか?と思いつつ,ちょっとスライスしてみた.

siobuta_4.jpg

あら,中はそれほど不穏な色になってないぞ.これなら大丈夫かな.

とはいえ,これは20日放置された豚の生肉なのだ.

食べるのにはちょっと勇気がいるな...
覚悟を決めてスライスしたものを食べてみる.
うっ,塩辛い.でも,なんか不思議な食感になってるぞ.ねっとりしているというかなんというか.生ハムってそれほど食べたことがないけど,こんな食感だったっけ...
とりあえず,現時点までは食べられるものに仕上がっていることを確認できた.もう少し放置しておこう.



さて,製造開始から約4週間経過.1ヶ月にはまだ少々足りていないが,そろそろ本格的に食べてみることにしよう.
削ぎ切りにした肉でアスパラガスを巻いて食べるのが旨いらしいので,アスパラガスを購入.
ついでにモッアレラチーズが半額だったのでそれも購入.
生ハム(もどき?)にチーズとくればワインが必要だろう,ということで,スーパーで安物の赤ワイン(328円也)も購入.

表面の不穏さは以前と変わっていないが,スライスしてみたらこんな感じになった.

siobuta_5.jpg

端の方に不穏な色の片鱗を垣間見ることができるが、中心部はきれいな色である.
写真では分かりにくいが,普通に食べる生ハムよりはかなり厚切りになってしまった.むぅ,もっと腕を磨かねば.

他のつまみも全部一つの皿に載せて記念撮影.

siobuta_6.jpg

うーん,なかなか立派.
では早速,味見をしてみよう.アスパラを生ハム(もどき)で巻いて...
おおっ,アスパラの甘さと生ハム(もどき)の塩加減が相まって,なかなか良い感じじゃないか!
しかし,生ハム(もどき)単体だとやっぱり塩辛いなあ.それに,面白い食感にはなっているけど,熟成したものに特有の旨みというのが,それほど感じられない.塩辛さに隠れてしまっているのだろうか.やっぱり塩抜きしないとダメなのかなあ.

そもそも,これが本当に生ハムの味なのかどうかについても疑問が残る.本来の生ハムはこの状態から塩抜きした上で乾燥(熟成)させるらしいのだが...
この疑問に対する答えを得るために一番手っ取り早いのは,誰か生ハムの味を知っている人に食べてもらって感想を尋ねることだ.しかし,一つ問題がある.

他の人に食べさせて大丈夫なのか?

1ヵ月近く放置された豚の生肉を...

とりあえず,私の身体に異常がないようだったら,状況を説明して同意を得た上で(インフォームド・コンセントというやつだ),周囲の人に食べさせてみることにしよう.

投稿者 saihide : 00:14

2005年02月27日

『貧乏真髄』川上卓也

以前,ソースの賞味期限について検索したときにヒットしたのが耐乏PressJapan
最近流行の節約術を紹介しているサイトというのではなく,積極的に「貧乏」という生活スタイルを実践していこうというサイトなのだが,その内容を書籍化したのがこの本.
やっぱり松山市立中央図書館で借りてきた.ちょっと前の本にもかかわらず,借りようと思ったら既に借りられていたので,それなりに需要はあるらしい.

話はちょっとズレるが,私は現在あちこちで喧伝されている「スローライフ」なるものが大嫌いだ.
といっても,その中身が嫌いなのではなく,そういうものを「流行」として「消費」している状況が嫌いなのだ.本来のスローライフ的なものは「流行」とは対極にあるものだと思う.

で,この本はスローライフとかスローフードという言葉は使っていないが,まさにそういうライフスタイルを実践するための手段として「貧乏」を提唱している.

もう少し説明すると以下のようになる.
「本当の遊び」のためには自由が必要だが,その一方で人は消費しないと生きていけない.
消費のためにはお金が必要になるので,時間を会社などに切り売りしてお金を稼がねばならない.
しかし,衣食住を最低限まで切り詰めることができれば,切り売りする時間を減らすことができるので,自分の時間を多く得ることができる,自由に遊ぶことができる.
そのために「貧乏くさい生活に転がり落ちていく」のではなく,自らの意志で生活をリストラし,「貧乏に降りていく」ことを著者は提唱している.

その手段として,土鍋炊飯や小麦粉を使った料理の紹介や,冷蔵庫なしの生活を実現させるための食生活についての考察,キセルを使った喫煙の勧め,洗濯機の稼働率を下げる方法などが書かれている(私はタバコは吸わないのだが,キセルは一度試してみたい).
こういう具体的なものだけでなく,貧乏生活の意義や東京への旅行記なども掲載されている.

書かれている内容自体も面白いのだが,この著者の文章には独特の味があるので,それもいい感じである.


最後に気に入った箇所を引用.

 消費されない自分とは、消費しない自分でもあります。すなわち、消費は生きるために必要な最低限の衣食住にとどめることで、消失してしまう力も最小限にとどめることができるのです。残った力は、分散させるのではなく、一点に集中して放つ。貧乏とは、財力だけでなく、自分の持てるすべての力を、定めた方向へ収束させるための術なのです。
 思想もなく、考えること知らず、力を分散させ消失させるだけの貧乏くさい生活へと転がり落ちる人々。物でしか自分を表現できない、そして、そんなことを可能にしてくれる物質すら存在しなくなってしまった今、彼らに創造力などありません。貧乏は,彼らには存在しない創造する力を養うことができます。創造力は、きっと必ず、物に頼らない本物の個性を生み出してくれます。なにも考えず、ぼうっと生えるだけの考えない葦の中で、貧乏人こそが、人間として生きられるのです。
 人間は、物に頼れば頼るほど、貧乏くさくなるだけなのです。個性なんてやつは、個によって創られる存在意義に他ならないわけですから、これはいっくら消費したって得ることなど叶わないのです。また一方で、癒しだの、自分探しだのという逃避に熱心な人にも個などありませんから、個性など微塵もない人々の群れが出来上がってしまうのです。
投稿者 saihide : 00:06

2005年02月26日

かけはし(うどん)

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かけはし」という正式な店名を書くよりも,こう書いた方が分かりやすいだろう.「じゃこ天おばちゃんの店」である.
さすがに「じゃこ天おばちゃんの店」が正式名称ではないとは思っていたが,レシートを見るまでは入り口に書いてある「安岡蒲鉾」が店名だと思ってた.

昼食がまだだったので,名物の「じゃこ天うどん」(390円)を食べることに.それだけだと足りなさそうだったので,おにぎり(140円)も付けてみた.

jakoten_2.jpg

うどんはダシがきいていて美味しいし,じゃこ天も旨い.
しかし,素うどん(=かけうどん)にじゃこ天を1枚プラスして390円という値段設定は,大阪で食べなれた立ち喰い相場(天ぷらうどんで300円弱)からするとちょっと高くないか?
メニューにあった素うどんの値段から逆算すると,じゃこ天1枚で120円するらしい.うーん,1枚で100円を超えるとちょっと高く感じるなあ.もしかして店内プレミアム価格か?

待てよ,表のじゃこ天の実演販売でじゃこ天を買って,それを持ち込んで素うどんに載せたらもう少し安くなるんじゃないか?
おそらく100円だろうから20円ほど得するぞ(我ながらセコイぞ).

と思って帰り際に値段を見たら,しっかり1枚120円だった.むぅ,あなどり難し,伊予商人(正確には違うけど).


おまけ.
この店といえば「じゃこ天おばちゃん」なのだが,おばちゃんの顔を思い出せなかったし,じゃこ天を買わずに話だけするのも憚られたので,遠くから携帯電話で写真を撮るだけにした.
それが1枚目の写真なのだが,この写真を撮った直後に真ん中にいるおばちゃんがニコッと笑って会釈してくれた.
おそらくあの人がじゃこ天おばちゃんだと思うのだが,人の顔を認識する能力の低さには定評がある私なので,ちょっと自信がない.2004年で引退説もあるしなあ.今度,じゃこ天を買いに行くときに確かめてみよう.
しかし,わざわざJR松山駅までじゃこ天を買いに行く機会があるのか?>自分

投稿者 saihide : 00:32

2005年02月25日

『嗚呼、香ばしき人々』切込隊長@山本一郎

副題が「ニッポン経営者列伝」ということで,切込隊長による最近の経営者(一線を退いた人もチラホラいる)の人物評.
切込隊長の本なので通常ならば買っているのだが,連載雑誌が『SPA!』だったので,ちょっと違うかなと思って新刊本での購入は保留,ネット古本屋に入荷案内メールを設定しておいたのだが,松山市立中央図書館の返却棚で発見したので借りてきた.

基本的にいつもの毒舌で経営者を斬っている(時には褒め殺している)のだが,私は会社の戦略や組織には興味があっても,経営者個人にはあまり興味がないので,「ふーん」という感じだった.
まあ,世間で悪評高い経営者であっても,実はロジックとしては真っ当である場合もあるらしいというのが分かったのは少し収穫だったといえよう.

しかし,この本の最大の収穫は隊長がどういう経緯で巨額の資産を形成したかの一端が垣間見えたことだろうか.
本人曰く,最初の元手は650万円ぽっちであり,勝率も3割弱らしい.
失敗したときの損失額は42億とか14億とかなのに,そういう失敗を経験しても個人資産何百億というのだから,やっぱり大金をつかむには成長産業の未上場企業に投資するというのがいいんだろうなあ.
まあ,ハズレも桁外れに多いので,そのあたりはちゃんと選別できないとダメだろうけど.

投稿者 saihide : 07:55

2005年02月24日

『ロスト』イアン・フィリップス

電柱や店頭などに迷子のペットを探すポスターが貼られていることがあるが,世界中からそういうのを集めて一冊の本にしたのがこの本.
吉野朔実のブック・エッセイで紹介されていて,「ないだろうな」と思って検索したら見つかった.恐るべし,松山市立図書館.
ちなみに所蔵は移動図書館扱いになっているので(実物は書庫にあるようだが),コミセンの図書館で借りるためには予約手続きをしなくてはならない.面倒くさい.

左綴じの本で,右ページにオリジナルのポスターが掲載されており,左ページにその翻訳という構成.
翻訳の方は活字のみだが,オリジナルの方は字ひとつとっても手書きもあればタイプライターもあるし,写真もあればイラストもある.
ペットの特徴やいなくなったときの状況を淡々と書いているものもあれば,ペットがいなくなってどれほど苦しんでいるかを切々と訴えているものもあると,非常にバラエティに富んでいる.

収められているポスターだが,迷子のペットの種類でいくと,犬が40,猫が50,鳥が10で,その他(ウサギとか牛とかヘビとか)が13という感じ(かなり大雑把な勘定).
やはり犬と猫が大部分を占めているのだが,どちらかというと猫の方が凝ったポスターのように思ったのは気のせい?


私自身は実家で飼えたのは水槽に入るもの,つまりカブトムシとかザリガニとか亀とかだけだったので,こういう迷子のペットを探すポスターを作ったことはない.

しかし,一匹だけ迷子になったペットがいる.
亀である.名前はもちろん「ガメラ」だ.
同じ水槽に入れたカニやイモリを片っ端から食べてしまうという非常に食い意地の張った奴であったが,目の前にハムの切れ端をぶら下げてやると,精一杯首を伸ばしてパクつくという,ペットと飼い主の交流をそれなりに楽しませてくれた奴でもあった.

そんなある日,水槽の掃除をするため,亀をバケツに入れ,家の前で水槽を洗っていたのだが,しばらく目を離していた間にバケツが倒れてしまったようで,中にいたはずの亀がいなくなっていた.
「しょせん亀の足,それほど遠くに入ってないはず」と周囲を探し回ったのだが,結局見つからず終い.それほど思い入れがなかったためか,迷子の亀を探すポスターを作ることもなかった.

あれから既に20年以上経っている.
長生きな亀のことだから,きっと今でも実家の周辺で立派な野良亀として色々なものをパクついているに違いない.

投稿者 saihide : 00:02

2005年02月23日

カテゴリーの一覧表示(BlogPet)

グラハムがここで受信したかったの♪
しかしきょう、目的とか評価しなかったー。
しかしさいはここへさいが話されたみたい…
しかしグラハムは、記事が参考しなかったー。


*このエントリは、BlogPetの「グラハム」が書きました。

投稿者 graham : 11:54

Asahi本生ゴールド

asahi_gold.jpg

いつものように近所のスーパーに買い物に行ったところ,お酒コーナーに見慣れない缶が並んでいた.
そういえば,アサヒビールが第三のビールを新発売するという話があったなあと思い,手にとって見たところ,「発泡酒」と表示されてあった.第三のビールだと「その他の雑酒2」とか「リキュール類」と表示されるはずだが...
近くに貼ってあったポスターを見てみると,第三のビールではなく,2/23に新発売になったアサヒの新しい発泡酒らしい.
なんだ,普通の発泡酒か.じゃあいいや...あれ? 2/23? ...フライング販売?

ということで,ビール類を買う気は全くなかったのだが,「フライング販売」という一点だけで買ってみた.

さて,味のほうだが,新しい酵母を使ったリッチな味わいが特徴らしい.
言われてみればそんな気もしないではない.



ごめんなさい,よく分かりませんでした.
とりあえず一番よく飲んでいるスーパーブルー(理由:一番安いから)と味が違ってるのは分かるのだが,それがリッチな味わいのためかどうかは不明.
個人的にはスーパーブルーとの価格差(ほんの少しだが)を超えるほどの魅力を感じなかった.


おまけ.
アサヒビールの第三のビールは4/20から販売だそうだ.

投稿者 saihide : 02:16

2005年02月22日

カテゴリーの一覧表示

このサイトの訪問者のほとんどは検索エンジン経由なのだが,その際,個別の記事のページではなく,カテゴリー別や月別のページの方がヒットする場合がある.
カテゴリー別のページがヒットした場合,これまでの設定では,目的の記事を読むためには大量のデータを転送(訪問者側からすれば受信)しなければならなかったし,それぞれ別個の記事に含まれる単語の合わせ技でヒットする可能性も上がってしまっていた.

このことは以前から気になっていたのだが,成績評価も終わったので,ここここを参考にして,カテゴリー別ページを模様替えしてみた.
昔見かけたBlogのカテゴリー一覧とテーブルを組み合わせたデザインを目指していたのだが,テーブルと組み合わせるのが面倒だったので,そのままという手抜き工事.
しかし,カテゴリーによるがデータの転送量は四分の一以下になったはず.

この調子でトップページのダイエットにも挑戦したいのだが,これはもうちょっと先の話かな.

投稿者 saihide : 15:08

お多福と牛鬼(お好み焼き)

otafuku_1.jpg

コミュニティーセンターの南側にあるお好み焼き屋さん.
以前から気にはなっていたのだが,昼時に行く機会がなかったり,時間を作って行ってみたら臨時休業だったりで,これまで入ったことがなかった.今回ようやく成功.

店の中だが,ど真ん中に衝立つきの細長いテーブルがあり,壁際に沿って小上がりが複数ある独特の造り.お好み焼き屋というよりは街の食堂みたいな感じがする.
周辺の勤め人らしき一人客が多かったところからすると,この構造は理にかなっているのかもしれない.

広島風お好み焼きの店なので,それを食べるべきなのだろうが,私の前に入った常連らしき客が「目玉チャンポン」というのを頼んだ.チャンポンって,あの野菜のたくさん入ったラーメンみたいな奴のことか? ここはラーメンもやっているのか?

気になったので,大将に聞いてみたところ,この店でいうチャンポンとはいわゆる「そばめし」のことらしい.
目玉チャンポンというのは,それにエビとコーンを入れて目玉焼きを載せたものだという.面白そうなのでそれを注文してみた.

新聞や漫画などを読んで待つことしばらく,目玉チャンポンが皿に載ってやってきた.

otafuku_2.jpg

うーん,見事なまでに説明どおりのモノが出てきたなあ.
半熟の目玉焼きを崩しながら食べてみる.半熟卵で味がまろやかになっているためだろうか,個人的には味が薄かったので,卓上のソースで味を足したくらいでちょうど良かった.ちなみに店内にポスターが張りまくられていたことから判断してオタフクソースらしいのだが,それほどソースに詳しいわけではないので区別は付かない.
あと,想像以上にコーンがたくさん入っており,トウモロコシ好きの私としては喜ばしかった.エビは...独特の食感を感じるので間違いなく入ってはいるのだろうが,肉眼では発見できなかった.まあ,そんなに熱心に探したわけでもないのだが.

冷凍食品以外でそばめしを食べたことがないので,この店のそばめし(=目玉チャンポン)がどのくらいの水準なのかは分からないが,ちゃんと美味しかった.
個人的に半熟卵はなくてもいいので,普通のチャンポン焼き(600円)の方が満足度が高いのかもしれないが,普通のやつだとコーンが入ってないんだよな.世の中はうまくいかないものだ.

しかし,今度行ったときには「通もうなる、本場広島の味」だという広島風お好み焼きを食べてみよう.

投稿者 saihide : 02:40

2005年02月21日

『バーチャル・ドリーム』渋沢和樹

通産省からコンピュータ・セキュリティに関する外郭団体に出向していた主人公は,日本のゲームソフト会社のロシア支部でクラッカーによるコンピュータ・ウィルス被害に遭遇する.
クラッカーによる次なる攻撃を予想した主人公は,この事態を通産省で以前から練られていた計画を実行するチャンス(それは自らが出世するチャンスでもある)と考え,ゲームソフト本社にセキュリティ対策要員として常駐する.
予想どおりに攻撃は起きたものの後手後手に回ってしまう主人公だが,ゲーム開発に夢を持って携わる人々たちと接するうちに,次第に変わっていく...

以前読んだ『経済小説がおもしろい。』で紹介されていた小説.松山市立図書館で借りてきた(所属は移動図書館).

読む前はゲームソフト会社をクラッカーから守る話だと思っていたので,主人公が通産省から出向してきた公務員だという設定はちょっと意外だった.
でも,その設定のおかげで官僚の陰謀やナワバリ争い,日本経済の話なども絡んでくるので,いい設定だと思った.主人公の屈折(主人公がすごく嫌な奴なのだ)とも関わってくるしね.

結構面白かったので著者について調べてみたところ,元は日経ビジネスの記者で,現在は日経ビジネスAssocieの編集長という,二足のワラジを履いている人らしい.
しかし,作品を検索しようとして,著者のことの方がたくさんヒットするというのはどうなんだろうか.話としてはよくできているので(最後の方がバタバタしているが),もっと作品自体が評価されてもいいと思うのだが...


そもそもこの本を読もうと思ったのは,『経済小説がおもしろい。』で引用されていた台詞が印象的だったからなのだが,それを含めて最後にいくつか引用を.

「俺は夢とはシステムの問題だと思っているんだ」
「俺はこう思っているんだよ。人が夢を抱けるかどうか、それを実現できるかどうかは、経済、社会システムのあり方に大きくかかっているとな。」
「つまり、人が夢を実現できるかどうかは、資金、人材面でそれを支援するシステムの存在に大きくかかっているんだ。そして、そういうシステムをつくるのは決して難しいことじゃない。」
 榎木は「夢を紡ぐ経営」と言った。その実態は、ふわふわした甘いものではさらさらない。苛烈な、しかし、やれば報われる新しい経営なのだ。
<もう一度、やってみよう>
 中牧に対する償いだけではない。
 自分自身の尊厳の問題として、俺は自分のミッションをやり遂げなければならない。そのミッションとは、夢の実現を側面から支援することだ。
投稿者 saihide : 00:09

2005年02月20日

『夏のロケット』川端裕人

新聞記者の「ぼく」は過激派が起こしたミサイル爆発事故の現場写真に,高校時代に所属していた天文部ロケット班で作った部品を見つける.
久しぶりに昔の仲間(今では商社マン,ロックスター,研究者として活躍)に連絡を取ってみると,彼らは自分たちの力だけでロケットを打ち上げるプロジェクトを行っていた.
「ぼく」は爆発事故との関係を探るという名目でプロジェクトに参加するのだが...

以前紹介した『The S.O.U.P.』『リスクテイカー』の作者のデビュー作.
専門知識(今回はロケットの構造や開発史について)をキッチリ押さえながらストーリーを展開していくという作風はデビュー作からだったようだ.
ストーリーは面白いし,読みながら専門知識も得られるという点では『リスクテイカー』と同じなのだが,本作で得られるロケット関連の知識は日常生活での使い道が見当たらないので(まあ,『リスクテイカー』のデリバティブ取引についての知識も日常生活では使えないんだけど),お得感はちょっと下がるかな.

投稿者 saihide : 00:13

2005年02月19日

映画『遠い空の向こうに』

寂れかけた炭鉱の町に住む高校生のホーマーは,ソ連の打ち上げたスプートニクが夜空を流れるのを見てロケットを作ることを決意する.
周囲の冷笑や父の反対にあいながらも,仲間とともに実験を繰り返し,ついに打ち上げに成功するのだが...

公開当時,一部では話題になったけど大多数の人は存在すら知らないであろう地味な映画.しかし特定の属性を持っている人にとっては「心の琴線に触れまくりの感動作」になるというリトマス試験紙のような映画でもある.
DVDが出ていることを知ったとき,「買って,見直して,あの時の感動が失われたらどうする?」と購入するかどうか悩み,購入した後も「見直して,あの時の感動が失われたらどうする?」と見るのを1年近く躊躇わせたという問題作でもある.

今回,ようやく決意して見直したところ,既に内容を知っているにもかかわらず,初めて見たときと同じシーンで目頭が熱くなってしまった.ちょっと安心した.

なお,DVDにはおまけとして予告編が収録されているのだが,これは本編を見終わってからでなければ見てはならないことだけは忠告しておこう.
というのも,重要なシーンがほとんど使われているので,本編を見る前に映画の内容がほとんど分かってしまうのだ.
まあ,基本的に「お約束」な映画だから,それはそれでいいのかもしれないが...

投稿者 saihide : 00:10

2005年02月18日

椿祭り(椿さん)

愛媛に来て5年目になるが,椿神社の前は何度も通っているものの,これまで椿祭りに行ったことがない.
私は祭り好きな性質ではないし,そもそも人ごみが嫌いなので,人がワサワサいるところに目的もなく出かけようという気になれないためだ.

なので,これからも椿祭りに行くことはないだろうと思っていたのだが,愛媛在住の方のBlogで「椿祭りの露店でスリランカのカレーを食べられる」という情報をキャッチした.
神社のお祭りの露店でスリランカのカレー? 怪しい,怪しすぎる.
その後,追加情報を求めて検索してみたところ,スリランカ人かどうかは分からないが,確かにそれっぽい人が露店で働いている写真を見つけた.

うーん,これは自分の目と舌で確かめねばなるまい.
ということで,椿祭りに行ってきた.

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人ごみは覚悟していたのだが,やっぱり多かった.
それでも参道(?)を通る歩行者が左側通行を厳守していたため,行く人と戻ってくる人が衝突するような事態は起きないようだ.
しかし,このパターンだと,地政学的に有利な露店は左側と右側のどちらなのだろうか? これから参拝に行くときに荷物を増やすのは避けたいところだから右側(帰り道側)だろうが,こういうのは勢いで買ってしまうものだろうから,それだと左側(行き側)だろうし...

目当ての露店を探しながらそんなことを考えていると,急に歩行者の流れが止まった.どうやら神輿が通るので,道の中央を空けさせられているらしい.そういえば中日は神輿が出るとニュースで言っていたな.

tsubaki_02.jpg   tsubaki_03.jpg

神官っぽい人のあと,神輿が通るのだが,秋の地方祭に出てくる神輿とは違ったタイプ.世間でお神輿といえばこのタイプをさすのが普通なんだろうが,なんだか久しぶりに見たような気がする.


神輿が通り過ぎると再び人が流れ始めたので,またもや露店を眺めながら歩く.

露店といえば「くじ引き屋」がつきものだが,賞品がnintendoDSとかPSP,PS2のソフトになっているのが時代の流れというやつだろうか.購買意欲をそそるためにPS2のゲーム画面を液晶テレビで映していたりする.ああいうスタイルだと設備投資も結構いるよな.
あとムシキング関連のくじ引き屋も結構あった.やっぱり流行ってる(流行ってた?)のか.最近はゲームセンターにも全く行かなくなったから,そのあたりは全然分からんなあ.

くじ引き屋以上に多いのが食べ物系の露店だ.私が夜店に行ってた頃は綿菓子,焼きトウモロコシ,お好み焼き,焼きそば,フランクフルトなどがメジャーどころだったのだが,最近の露店はもっと多様化していた.

tsubaki_04.jpg

まずは牛串焼きの露店.これも事前の情報収集で存在は把握していたのだが,私が夜店に行ってた頃は全く見かけなかった.1本500円.
私が子供の頃は夜店といえば100−200円が相場だったのだが,今は1品500円という価格設定もごく普通であり,適正価格がここまで上がったからこそ成立するようになったんだろうな.ちなみに「神戸牛」と銘打っているところも多く,そういうところはなぜか赤ワインがディスプレイされていたりして思わず笑ってしまう.
牛だけでなく,鳥や豚の串焼きも扱っている店もあり,その手の店も含めると,その総露店数はかなりの数になるものと思われる.

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トルコ料理のケバブの露店.写真では分かりにくいが,画面左のあたりに吊り下げられているのが肉の塊で,これを削ぎ切って,ピタパンっぽいものに挟んで食べる.
以前,大阪の心斎橋で同様のスタイルで販売しているのを見かけたが(それは店頭の一角を借りてやっていた),地方巡業もやってるのか.
トルコ人っぽい人が二人で調理しており,本場の香りが漂っているためか,それなりに繁盛していたようだ.
これは表参道の露店の写真だが,裏参道(?)にも同様の露店が出ていた.そっちはあんまり繁盛していなかったので,やっぱり立地条件というのは大切だ.


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トルコの次はタイ料理であるタイヤキソバ.
確かにテントにはタイヤキソバと書いてあるし,それっぽい字も書いてある,タイのシンボル(?)である象のイラストも付いている.
しかし,売っている人がどう見ても日本人のオッチャンであるためか,あんまり売れていないようだった.やはり見た目のインパクトというのは大切だ.


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見た目のインパクトといえば,これが一番強烈だった.マグロの串焼きの露店.
しかし,パッと見ではあまり繁盛していないようだ.若年者の魚離れの影響だろうか.


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そして,ついに目的のスリランカ露店を発見.確かに「スリランカ料理」と書いてある.
メニュー代わりのポスターにはサモサとカレー,そしてランカサンドの三種類があったのだが,露店のどこを見渡してもカレーが存在していない.むぅ,売り切れたのだろうか.
仕方ないので,ランカサンドなるものを注文(サモサは別の場所で食べたことがあるので今回はパス).ちなみにこれも500円だ.

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これがランカサンド.
上にかかっているソースはマイルドなのと辛いのの2種類があり,私は辛い方を注文したのだが,容器の口が詰まっていたためか,なかなか出てこず,業を煮やしたスリランカ人によってマイルドなのとハーフ&ハーフのような形にされてしまった.
見た目から想像できるように,チリソースというかサルサソースというか,そんな感じの味.

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ちょっと見難いが,これが中身.
ちょっともちっとした食感のあるお好み焼きの生地のような物で,キャベツと甘辛く炒めた牛肉の具を包んだのがランカサンドの正体.
ちなみに,この具の肉,うちの母がよく作る肉の炒め物の味にそっくりで驚いてしまった.うちの母はスリランカ人ではないはずなんだが...


スリランカのカレーは食べられなかったが,スリランカの露店は確認できたので,これで椿祭りに来た目的は達成できた.
そのまま帰っても良かったのだが,ついでなので境内にまで入ってみた.

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おおっ,すごい人だ.
うーん,このまま進んで参拝までしてしまうと,人ごみの中にかなりの間拘束されそうだなあ.



よし,ここで撤退!

ということで,境内には入ったが,参拝せずに帰ってきた.
その帰り際におみくじを買い,そこで開けずに持って帰ってきたのだが,その結果が前日のアレである(涙).

投稿者 saihide : 00:47

2005年02月17日

おみくじ@椿さん

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椿さんに行ってきた.
詳しい記事はまた後ほど書くつもりだが,おみくじを引いたので,その結果だけを一足先に書いておく.

まずは全体の運勢(どの画像もクリックすれば大きな画像が表示されます).

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末吉なのだが,書いてある内容は「凶」レベルのような気が...


続いて仕事運と恋愛運.

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...いわゆる「上がり目ナシ」ってやつですか?


最後は健康運と学業運.

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要するに,「どんなに頑張っても今年はダメ」ってことですか?


今回引いたおみくじには縁起物が入っていた.

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おみくじの代金は100円だったのだが,この縁起物を含めて100円というのは良心的な価格だと思う.
...思いはするのだが,「今年一年は全然ダメだよ!」(細木数子 調で)と宣言されるのに100円払ってしまったのかと思うと,そこはかとなく後悔の念が...

投稿者 saihide : 00:03

『スペース』加納朋子

三部作のラストに相当するのだが,直接の関係があるのは前半の「スペース」だけで,シリーズとしてはこれで完結している.これも松山市立中央図書館で借りてきた.

「スペース」は前作同様,主人公「駒子」と瀬尾さんの間のやりとりが中心なのだが,瀬尾さんに渡される手紙が,元々は他の人に向けて書かれたものという点は違っている.シリーズ全体の直接のエンディングがあるので,形としてはこれがシリーズ最終作かな.
後半の「バックス・ペース」は「スペース」のサイド・ストーリーという位置づけなのだろうが,このシリーズの最後にふさわしい話.

巻頭に作者自ら以前のシリーズと続けて読んで欲しいとあるし,今回読むきっかけになったBlogに続けて読んだ方がいいとあったので,連続して読んだのだが...
うーん,連続して読まなくても,以前の大体の内容を覚えていれば十分楽しめるかなあ.ウサギさんがかなり性格の悪い人っぽくなってるけど...

どうでもいい話なのだが,「スペース」は週刊アスキーというどちらかというとコンピュータ系の雑誌に連載されていたらしい.
作品の内容と雑誌のテーマの整合性は置いておくとしても,この内容をどうやって週刊誌に連載していたんだろう? どう考えても「手紙」だけしか掲載されない週があったと思うのだが...

最後に気に入った箇所を引用.

 生きていればきっと、逃げ出すよりほかに道がないときだってある。遮二無二突進していって、その結果無残に激突するよりは、回れ右して逃げ出す方がずっといい。
 一度打ち込んだ文字を、バックスペースキーでなかったことにしたっていいじゃないか?
 少しぐらい、後戻りしたっていい。やり直したっていい。まったく別な、新たな文字を打ち込むことだってできる。
 そう思っていた方が、人生どんなにかラクだろう。

個人的には,そういう訳にはいかないのが人生な気がするが,前作の引用箇所との違いが,作者が前作から10年経って本作を書くまでの間の経験から出てきた答えなのかなあ.

投稿者 saihide : 00:01

2005年02月16日

『魔法飛行』加納朋子

三部作の二作目(シリーズ名はなんだ?).
主人公の「駒子」が前作で知り合った瀬尾さんに宛てた手紙で謎を提示し,それが瀬尾さんからの返事で明かされるという前作と同じ形式を踏襲しているのだが,その後に差出人不明の謎の手紙が出てきて,その謎の手紙を含めた全ての謎が最後で明かされるという,前作と同様に凝った形式の作品集.今回は3篇(短編)+1篇(全体としての長編)の計4編が楽しめる.

途中に挟まれる謎の手紙なのだが,この内容がちょっとメタ小説(=小説世界の登場人物が自分たちが小説世界の登場人物だと自覚している小説,という理解でいいのかな?)っぽくなっており,読んでいる方は混乱してしまうのだが,そういうのも含めて最後でキレイに解決されている.
個人的には『ななつのこ』のムードの方が好きなのだが,完成度というか小技の豊富さではこちらの方に軍配が上がるのかな.そのあたりは巻末の有栖川有栖の解説を見てもらいたい.ちなみに私は解説を読んで初めて「おおっ,そういえばそうだ!」と気がついた.

で,この作品の最大のポイントは「瀬尾さん」だろう.もう,なんというか,乙女チック回路全開ってやつですか(笑)?
ビルの屋上にある小屋に一人で住んでいて,持ち物は最小限.主人公の登場する所あちこちにアルバイトとして登場し,星座に詳しく,南十字星を見るためにふらっとオーストラリアに行ったりするけど,主人公が必要とするときには絶対に間に合う.もちろん頭は抜群に良く,些細な手がかりから真実に辿り着いたりする.
「そんなやつ,絶対にいねぇよ」と思ったりする一方,作品全体には好意的だったりする私には,もしかして乙女チック回路が搭載されているのだろうか...

最後に気に入った箇所を引用.

「逃げ続けるのは、怖いことですよね」
「そうだね。永遠になんて、逃げられっこないから」


おまけ その1
タイトルの由来にもなっている短編に出てくるシャガールの『魔法の飛行』だが,気になったので検索してみたのがコレ
えーっと,イメージとかなり違うんですが...


おまけ その2
最後の短編にクリスマスコンサートのシーンが出てきて,そこで『流浪の民』が出てくるのだが,何か違和感がある.そこでは歌詞が「夢に楽土を求めん」とあるのだが,私の頭の中には「○○○○○○,夢に楽土を求めたり」という「字」が出てくる.
なぜだろうとしばらく考えた結果,どうやら『ぼくの地球を守って』で出てきたのが元ネタらしい.話の筋はほとんど覚えていないのに(そもそも完結まで読んだ記憶がない),場面場面の記憶というのは強力に残るものだなあ.

で,検索してみた結果,○○の部分は「なれし故郷を放たれて」だったことが判明.ついでにどういう曲か検索したところ,合唱曲のMP3がヒット.ダウロードして聞いてみたところ...
えーっと,イメージとかなり違うんですが... もっとスローで泣きの入った曲かと思ってたら,えらくアップテンポなのね...

投稿者 saihide : 08:15

2005年02月15日

『ななつのこ』加納朋子

加納朋子の作品は以前から読もうと思っていたのだがなかなか読む機会がなく,今まで来ていた.先日,どこかのBlogで三部作がまとめて紹介されていたので,まとめて松山市立中央図書館で借りてきた.

短大生の主人公が,『ななつのこ』という児童文学(なのか?)に感動し,その作家に出したファンレターの中に書いた日常生活で直面した謎が,作家からの返事の中で解明されるという形式で進む話.
全7話の連作短編になっているのだが,その短編の中で「作中作としての『ななつのこ』」が紹介されるので,全体としては7+7の14話の話(謎)が出てくる.しかも,現実世界(小説世界?)の7話もつながって一つの話を形成しているので(連作短編集の醍醐味!),全体としては7(短編)+7(作中作)+1(連作短編集の全体)の計15話の話が楽しめるという非常にお得な作品.

本文中に「作中作としての『ななつのこ』」(ややこしいなあ)の表紙の描写が出てくるのだが,実物の『ななつのこ』の表紙もそれを意識しているらしい.
私が図書館で借りたのはハードカバーの方なのだが,これが「作中作としての『ななつのこ』」の表紙の描写(主人公が本を手に取るきっかけになるくらい良いらしい)から受けるイメージとは165度くらい違ったものになっている.はっきり言って,ホラーな表紙である.
しかも,第1話がちょっとエグイ話なため,夜中に読んでいた私は「ひえぇぇぇぇぇ!」となってしまった.
幸いなことにエグイ話は最初の話だけで,あとは良い感じの話ばかりなので,興味を持った方ははぜひ読んで欲しい.オススメ.

日常生活の謎で女子大生(短大生だが)が主人公というと,北村薫の「円紫師匠と私」シリーズを思い出す方もいると思うが(図書館で借りた後,文庫で買ってしまったくらい面白い),北村薫の方の「私」が優等生っぽいのに対して,こちらの主人公である「駒子」はもっとリアリティがあるというか親しみやすい感じがするかな.


おまけ その1
問題の表紙だが,文庫版の方はかなり作中作のイメージに近くなっている.作中策の表紙と違って,なぜか隣に女の子がいたりするのだが...

おまけ その2
この本は図書館の書庫に入っていたのだが,それを出してもらうためには書類を書かなければならない.とてつもなく面倒くさい.
学生時代に通っていた大阪市の図書館では端末で検索したら,ボタン一つでレシートみたいなのが印刷されたんだが,松山市でも導入してくれないかなあ.

投稿者 saihide : 00:28

2005年02月14日

かき餅 あるいは なまこ餅

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先日,ある方から実家で作ったという餅,「かき餅」をいただいた(左から青海苔,豆,胡麻).
「かき餅」と聞いて私が思い浮かべたのは煎餅のような「おかき」なのだが,もらったのは私が想像していた「おかき」の前段階のようなものだった.
調べてみたところ,これを乾燥させて焼いたり揚げたりすると私が想像していたような「かき餅」になるようだ.
では,このような状態のものは何というのかというと,もちろん「かき餅」ともいうのだが,「なまこ餅」あるいは「寒餅」というらしい.そういえば「寒餅」とも言ってたな.

ちなみに,切る前の形状が「なまこ」みたいだから「なまこ餅」(前のリンクの写真参照)なのだが,地方によって「とぼ」(富山県氷見市),「のし」(京都市北区),「さお」(大阪府河内長野市),さらには「ねこ」(和歌山県および大阪府)とも呼ばれているらしい.
で,同じような餅は関東にもあるのだが,関東では「のし餅」といい,なまこ型ではなく薄い四角形に作るそうだ.人生色々,餅も色々.日本は広いなあ.


おまけ.
nikkeiの「おもちの昨今」を全部読んでいたら,ミカン餅なる餅が存在しているらしい.旧・温泉郡の郷土料理らしいのだが,南予やしまなみ海道でも作っているようだ.
さすが「食の隠し球、愛媛」である.一度食べてみたいものだ.

投稿者 saihide : 00:16

2005年02月13日

大街道献血ルーム(BlogPet)

きょうsaihideの、ネットへ区別しなかった。
ただしきのう、意味したいなぁ。
そしてきょうグラハムは、saihideが隔離するはずだった。
微妙。saihideは、

先日のマクドのキャンペーンで手に入れたハンバーガー無料チケットが手元に3枚ある.なので,どうして献血をしている.献血可能になると(一度献血すると一定期間あけなければならない)すぐに献血に行く人たちのことだ.しかしグラハムはそういう類の人種ではなく,むしろ「どうして痛い思いしてみよう.ということで,大街道献血ルームで献血をして血を抜かれないといけないんだ?」とでもいう人種が存在してみることにした.世の中には「献血マニア」と思ったのだが,引き換えに行く人たちのことだ.しかしグラハムはそういう類の人種ではなく,むしろ「どうして痛い思いして血を抜かれないといけないんだ?」と思ってしまう,世の中の大多数を占めるタイプの人間であるが,無意識のうちに「このところアルコール摂取量が増えてるから血液検査をしてみることにした.ただそれだけのために街中に行くのも虚しいので,ついでに本屋ものぞいてみようと思ったのだが,引き換えに行く人たちのことだ.しかしグラハムはそういう類の人種ではなく,むしろ「どうして痛い思いしている.献血可能になると(一度献血すると一定期間あけなければならない)すぐに献血に行くことにした.世の中には「献血マニア」と思ったのかは自分でも謎である.その期限が2/6までなので,ついでに本屋ものぞいてみようと思ってしまう,世の中の大多数を占めるタイプの人間である.なので,どうして献血をして血を抜かれないといけないんだ?」と思ったのだが,引き換えに行く人たちのことだ.しかしグラハムはそういう類の人種ではなく,むしろ「どうして痛い思いして血を抜かれないといけないんだ?」とでもいう人種が存在してみることにした.ただそれだけのために街中に行くことにした.ただそれだけのために街中に行く人たちのことだ.しかしグラハムはそういう類の人種ではなく,むしろ「どうして痛い思いしてもらおう」という意識が働いたのかもしれない.※検査目的の献血は止めましょう..って,これは性感染症の検査目的の場合のみか?

といってました。

*このエントリは、BlogPetの「グラハム」が書きました。

投稿者 graham : 11:04

ふぐツアー@長浜

JR四国のあじな散歩道という列車と食事がセットになった切符を利用して,以前の卒業生&もうすぐ卒業生&見送る側の教員一同で長浜までふぐを食べに行った.
ちなみに,これまで松山より南方面(五十崎とか双海とか西海とか)に行くのは全て車だったので,宇和島方向に向かう列車に乗るのは初めて.

まずは伊予市までワンマン電車に乗り,そこで乗り換え.
レールを見る限りではそのままの電車に乗っていても大丈夫そうだし,乗客が全員乗り換えたことから,「どうしてそのまま行かないんだ?」と一同疑問に思ったのだが,ふと気がついた.
「ああ,ここから先は電化されてないんだ...」
ということで,ディーゼルのワンマン電車,じゃないか,ディーゼルのワンマン「列車」に乗り換えて伊予長浜へ.松山駅を出発して約1時間で到着.

長浜駅からしばらく歩き,商店街へ.しかし商店街とは言うものの,閉店している店が多く,にぎわいはほとんど見られなかった.あちこちの店にあった掲示からすると,活性化のための取り組みも色々とやっているようだが,やっぱり厳しそうだ.
帰りだと店が閉まっているだろうということで,先にお土産を買うことに.長浜の名物は「志ぐれ」であり,お土産を買う人たちは全員志ぐれを購入していたのだが,へそ曲がりな私は別の店で「残月」というのを買い,その場で食べてみた.

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(シンプルな包装)

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(中身もシンプル)

見た目どおり,味も非常にシンプルだった.

買い物を終えた一行はそのまま商店街を通り過ぎ,長浜大橋(地元の人は「赤橋」と呼んでいるようだ)へ.朝の天気予報かなにかで肱川おろしと一緒に写っているのでお馴染みの橋だ.

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私は知らなかったのだが,この橋は跳ね橋になっており,背の高い船が通るときには橋の一部分が移動するそうだ.

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この写真の赤い部分が画面奥に向かって折れ曲がるようだ.この写真では分かりにくいが,左端の白い部分で制御するらしい.残念ながら実際に動いているところは見れなかった.


この橋を見終わった時点で,店の予約時間までにまだ1時間もあったのだが,見る物もないし,何よりも寒いので店に行ってみようということに.商店街の途中で曲がり,「あか月」へ.幸いなことに前のお客さんは既に店を出ており,時間を繰り上げて開始してくれた.

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まずは「てっさ」から.一人で一皿という贅沢.ちなみに,この皿もそうだが,取り皿も箸置きもふぐの形をしていた.

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続いて鍋.仲居さん(?)の説明によると,ふぐ,しいたけ,エノキ,ネギは最初に全部入れてしまい,そのあとに必要に応じて白菜,豆腐,春菊を入れていくと,美味しく,しかも時間の無駄なくいただけるのだそうだ.ちなみにネギが激ウマだった.

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そして雑炊.ベテランの仲居さんが色々と話をしながら作ってくれた.

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これも美味しかった.他の人があまり食べなかったので,3杯も食べてしまった.

最後のデザートはミカン(ポンカン?)で,もうお腹一杯.


今回のツアーは6200円だったのだが,交通費を除くとふぐ料理自体は5000円弱くらい.私は比較できるほどふぐを食べているわけではないので,比較できそうな教員に聞いたところ,この値段でこのクオリティなら十分お得とのこと.
しかし仲居さんによると,今回のコースは最低クラスらしく,もっと上のコースだと唐揚や白子が出てきたり,「てっさ」自体も違ったものになるらしい.その話を聞いて,参加者の一人は1万円コースにチャレンジするための算段をしていた.
確かに美味しいものは食べたいけど,あまり良いものを食べてしまうと,安いものでは満足できなくなってしまいそうだからなあ...

投稿者 saihide : 03:02

2005年02月12日

グリーンカーメル(レストラン)

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奇特な方が好きなところでご飯をご馳走してくださるというので,グリーンカーメルまでランチに行ってきた.
このグリーンカーメル,以前,衝動的に自転車で白水台まで来てしまった際にチャレンジしたところ,「閉店です」と素気無く追い返された経験がある.
今回は自動車で行ったのだが,やはり自転車と違って速いし楽だった.まあ,当たり前だわな.

このグリーンカーメルは以前から行ってみたかった店の一つなのだが,それは元々行きたかった店(ビストロきどや)のシェフがこちらに移籍(?)したため.
現在検索で引っかかるサイトの情報はシェフ移籍前のものも多数混じっているので,ちょっと注意が必要.

まずは店内の様子だが,想像以上に広かった.まあ,ウェディングパーティーができるくらいだから広くて当たり前なのだろうが,かなりの人数が収容できそうだ.
ところどころにある柱も立派な装飾がしてあり,天井はステンドグラス調,中庭をはさんでチャペルがあったりする.

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(天井のステンドグラス.星座っぽい柄になっている)

要するにかなりお洒落っぽいところであり,ヒシヒシと「場違い感」を感じてしまった.

さて料理の方だが,確かランチには1260円と1890円(?)の二つがあったはず(他にもあったかも).今回は1260円のコースを選んだのだが,どちらのコースもオードブル,メイン,デザート,パンとコーヒー(紅茶も可)という構成だったと思う(高い方はスープがついてたかも).
オードブルは共通のメニュー(10種類くらい)から一つを選択(選択肢の中にはスープもあった),メインはコースの種類によって違うメニューから選択するのだが,1260円の方が選択の幅は広かった.デザートは20種類くらい(シャーベット・アイス系10種類,ケーキ系10種類くらい?)の中から選択する.1260円のコースは1種類だけだったが,高い方のコースは盛り合わせとあったので複数選べるのだろう.

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(写真を撮る前に食べてしまったので見苦しくなっているが,本当はもっとキレイ)

まずはオードブル.今回はタコの冷製マリネ クスクス添えを選んだ.大昔,TVで見た『ザ・カンニング IQ=0』という映画に「クスクス」という料理が出てきて以来,どういうものが気になっていたのだが(この写真ではあちこちに点在している白っぽい粒がクスクス),単独で食べてもあまり味がしなかった.ちなみにクスクスはデュラムセモリナ粉に塩水を混ぜて粒状にしたもので,「世界最小のパスタ」「パスタの原型」とも言われているらしい.


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次にメイン.今回は豚スネ肉の煮込み.おそらくスネ肉を食べたのは初めてだが,よく煮込まれていたためか,凄く柔らかかった.ナイフなしでフォークだけでも切れたくらい.
味付けはちょっと塩味が強めだったが美味.ソースをパンにつけて全部食べてしまった.


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こちらは同行者のメインの鶏肉のトマト煮込み.一口いただいたが,これも美味しかった.


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デザートの白チーズのスフレ キャラメルがけ.名前にキャラメルとあるが,キャラメルよりもフルーツ系のソースの味のほうが目立っていた.ちょっとレアっぽくて好みの味だった.


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こちらは同行者のデザートのチョコレートのケーキ.てっきりガトーショコラが出てくると思っていたのだが違った.確かに紛うことなきチョコレートのケーキだが...


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ケーキと同時にやってきた食後のコーヒー.バレンタインデー前ということで,シェフの心づくしの生チョコが付いていた(スプーンの上).旨かった.


これだけの料理で1260円だったらかなりお得だと思う.
問題は白水台まで行くための交通手段とコース料理をゆっくり味わうための時間を確保できるかどうかだろうなあ.

それと,ウェディングパーティーなどで貸切になることがあるらしいので,土日に行こうと思っている方は電話などで確認した方がいいかも.

投稿者 saihide : 08:15

2005年02月11日

『回転翼の天使』小川一水

フライト・アテンダント(いわゆるスチュワーデス)になるのを夢見ていた主人公が何とか就職できたのは社員2名,所有機は最大搭載人数4名の小型ヘリコプター1機だけの弱小ヘリ会社.もちろん機内での接客業務などあるわけもなく,泥まみれになっての測量などの雑用ばかり.最初は不満だらけの主人公だったが,本業そっちのけで行うレスキュー活動をきっかけにして,自身の仕事に本格的に向き合い,成長していく.

『第六大陸』や『導きの星』の小川一水の作品.系統としては『第六大陸』に近いのだが,SFだった『第六大陸』と違って,現在を舞台に現実の技術(=ヘリなど)を前提に書かれている.

ヘリを使ったレスキューを取り巻く現状(法律や経済性,気象条件など)に立ち向かう主人公たちという,ある意味で王道のストーリー展開であり,主人公に意地悪をする高飛車なライバルや競合企業の登場,仲間の裏切りといったお約束までキッチリ押さえてあるので,ある意味で安心して読める.そして,ラストもちゃんと大団円でハッピーエンドなので,これも安心.

ちょっと無気力になっている時に気分転換に読み始めたのだが,読み終わったころには十分復活.それだけで収まらず,意味もなく閉店間際の書店まで自転車を飛ばしてしまうくらい元気になってしまった.

本作では災害の発生とそれへの対応(=レスキュー)が描かれていたわけだが,これをバージョンアップさせたのが,この後に執筆される『復活の地』.既に読み終わっており,時間ができたら記事を書こうと思っているのだが,どちらの作品にも平時には有効に機能する規則が災害時などの緊急事態の際には現場の行動を縛るというシチュエーションが登場し,それにどう対処するべきかという問題が提示されている.私の本業の観点からも色々と考えさせられる問題ではある.


最後に気に入った箇所の引用を.

「機械を作り出すのは、人間の願望だ。元になるのは、雲みたいに形のない、もやもやした想像だが、それでいい。何もないところから人間は形のあるものを作り出す。それがいきすぎて余計なごてごてしたものが物がくっつくといけないが、それでも、願望がないことには何もできないし、始まらないんだ。」
投稿者 saihide : 00:55

2005年02月10日

タンカレー・ジン

というわけでジンを買ってきた.
前回のバーネットは安いほうに走ったので,今回は高い方に走ってタンカレー・ジンにしてみた.値段はボンベイサファイアと同じくらい.
ボンベイサファイアと同じく,このタンカレーも有名なジンの銘柄なのだが,ボンベイサファイアが香り高い独特のジンとして評価されているのに対して,タンカレーはベーシックなジンというイメージがあるようだ.(ただし,タンカレーにも香り高い「No.TEN」というやつがあるのだが,それは値段がさらに高い.)

栓を開けると,やはりジン独特の香りがする.まずはロックでいってみよう.

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さて味は...うーん,普通のジンだなあ.以前のバーネットよりも穀物っぽさはないけど,ボンベイサファイアに比べると,いわゆるジンの味がするなあ.これはこれでレモンを少し入れて飲むと美味しそうだ.

では,次にイエーガーマイスターと合わせてシルバー・ストリークを作ってみよう.ジンとイエーガーマイスターをシェイカーに入れて適当にシェイク.カクテルグラスに移して...と.

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うーん,どうしてこれがシルバーなんだ? まあいいや,検索するのは飲んでからにしよう.
では一口....
うーん,ジンとイエーガーマイスターの合わさった味... 不味くはないし,別々に飲むよりは飲みやすいかもしれないけど,別々に飲める人はあえてカクテルにする必要はないような気がするなあ.

という感じで,カクテルを飲み干してからシルバーストリークの由来について検索開始.
シルバーストリークで検索すると真っ先にヒットするのが,シルバー(銀)のストリーク(筋,線)で「銀条」という訳語のついている射出成形時の不良品に関するもの.
カクテルに限定して調べると,イギリス海峡のことをシルバーストリークということがあるらしい.イギリス(ジン)とドイツ(イエーガーマイスター)の真ん中(カクテル)だからイギリス海峡なんだろうか?

で,検索で分かったことがもう一つ.シルバーストリークには別のレシピがあるらしく,そちらはキュンメルを使うらしい.江國香織の『きらきらひかる』で名前こそ出てこないものの「ジンとキュンメル」のカクテルとして出てくるため,世間ではこちらの方が有名なようだ.

キュンメルか.飲んだこともなければ見たこともないな.キュンメルというのはキャラウェイ(姫ウイキョウ)のことらしいのだが,どんな味・香りなんだろう?
こちらのページによると自作できるようだ.キャラウェイ大さじ2+ウオッカ/焼酎3カップに対して糖分3分の2カップを混ぜて1ヵ月半...
これって梅酒ならぬキャラウェイ酒なのでは?

投稿者 saihide : 00:32

2005年02月09日

イエーガーマイスター

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薬っぽい酒シリーズ,さて第何弾?
今回はイエーガーマイスター.ドイツのお酒で名前を直訳すれば「狩りの名人」になるのだが,本当は「狩人の守護聖人」のことらしい.トナカイかヘラジカか分からない動物がトレードマークなのはそのためだろう.
公式ページを見ればもっと詳しいことが分かるだろうと思ったのだが...ドイツ語の壁は厚かった.

色々検索してみると,アメリカの大学生に人気とある.へぇ,そうだったのか.薬草っぽいという前評判だけで買ってきたからなあ.
では早速味見を...

こ,この味は...この味は知ってるぞ!
この味はまさしく風邪をひいたときに飲むシロップ状の咳止め薬の,あの甘ったるくて苦くて薬っぽい味!

他にも「イソジン」とか「ドイツ版養命酒」,「ルートビアに正露丸を溶かしたような味」とか散々な言われ方をしている.
個人的にはそれほど酷い味とは思わないのだが,どう考えても一般受けはしないと思う.本当にアメリカの大学生はこれを好んで飲んでいるのか?
いや,アメリカはドクターペッパーやルートビアーが普通に人気があるところだから,こういう味を受け入れる素地があるのだろうな.

そのままロックで飲んでみたり,冷凍庫でトロトロに冷やしてから飲んでみたり,ソーダで割ってみたりと色々やってみたが,どれもピンと来ない.なので,サントリーのページを参考にカクテルを作ってみることに.久しぶりにシェイカーの出番だ!
さて,手持ちの材料で作れそうなのは...イエーガー・オレンジだけか.ありゃ,シェイカー使わないタイプか.しかもフロートか.やったことないぞ.まあ,やってみよう.バースプーンを使って少しずつ垂らしていって...と.

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ちょっと逆光ぎみで写りが悪いが,オレンジジュースの橙色の上にイエーガーマイスターの黒が層になって浮かんでいるのが分かるだろうか?
見本の写真と比べるとバランスが違っているように見えるが細かいことは気にしないでおこう.

では味見を...って,これってそのまま飲むのか,それともかき混ぜるのか?
そのまま飲むとストレートで飲むのとほとんど変わらないから,かき混ぜていいんだよなあ.
どうせ最終的には混ざるんだし,かき混ぜてから一口...
うーん,イエーガーマイスター+オレンジジュースというそのままの味だなあ.薬っぽいのがダメな人には飲みやすくなるかもしれないけど,これだったら別々に飲んだほうが個人的には好きだな.

仕方ない,次のカクテルのシルバー・ストリークに期待しよう.でもジンが手元にないから,ジンを買ってこないと作れないなあ.

投稿者 saihide : 01:03

2005年02月08日

CSSとposition:absolute

気がつかない人もいるだろうが,実は一昨日くらいからmemorandumのトップページのデザインが微妙に変わっている.とはいえ,デザインを構成している要素自体は変わっておらず,そのデザインを実現する方法がちょっと変わったのだ.

試しにブラウザの横のサイズをちょっと変えてみてもらいたい.右上の灰色の箱がブラウザの大きさが変わるのに合わせて左右に移動し,極端に小さくした場合にはちょっと下にズレると思う.で,その灰色の箱の位置に応じて,記事のあるブロックが上に飛び出したり左の欄の下側までズレたりすることだろう.

以前のページを残していないので記憶に頼るしかないのだが,以前はサイズを現在ほど激しく動くことはなかったはずだ.これはこのBlogのスタイルシート(=CSS)をちょっと変えたため.

このBlogはMovableTypeというツールで作られているのだが,表面的には通常のウェブページと同じで「HTML」という言語を使って書かれている.具体的には通常の文章に「タグ」という要素を付け加えることで,別のページにリンクを貼ったり,文字の大きさや色を変えたりすることができる.
だが,このHTML,考えられた当初にはレイアウトという概念がなかったらしく,中央寄せや左端・右端寄せはできるのだが,画面の右四分の一あたりに文字,上から120ピクセルのあたりに画像,というような細かい指定ができない.
しかし人間というのは工夫する生き物で,細かい表(テーブル)を方眼紙がわりにして,自分の好きな場所にあるセルの中に文字や画像を配置することで自由なレイアウトを実現してきた.

しかし,HTMLは本来の目的である文書構造の指定に専念すべきだ,ということでレイアウトを含めたウェブページの見栄えを専門に担当する仕組みとしてCSSというものが策定された.
CSSには見栄えを一括して指定する仕組み(Wordでいうところのスタイル)もあるのだが,レイアウトを指定するための仕組みもある.
CSSを使うと,ウェブページはいくつかの箱(=領域)の組み合わせとして構成でき,その箱ごとにレイアウトを細かく指定できるようになる.
このページだと,左上のタイトルバナーの箱,右上の灰色の箱,左の欄の箱,右の欄の箱,中央の記事の箱,という5つの箱で構成されている.

で,一昨日以前はこれらの箱の位置を絶対指定(=画面左上から左に○○ピクセル,下に××ピクセル,CSSでいうとposition:absolute;)していたのだが,これを部分的に絶対指定以外の位置指定に変更した結果,冒頭で挙げたようにブラウザのサイズによって箱が移動するようになってしまった.
いちおう横800ピクセルから1000ピクセルくらいのブラウザのサイズを想定して作ってある(横1280ピクセル以上だと記事の箱が上に飛び出してしまう),絶対指定であれば見る側のブラウザのサイズを気にすることなく,自分の思うようなレイアウトを実現できる.

なのに,どうして絶対指定を止めたのかというと,別件で色々と実験していたところ,文字選択(マウスで文字をドラッグして指定するやつ)がうまくいかず,原因を色々と調べた結果,「絶対指定をした箱の中では文字選択がうまくいかないことがある」という衝撃の事実が判明したためだ.
どうやらIEのみの現象らしいのだが,正確な発動条件が不明.
仕方ないので可能な限り絶対指定を使わないようにして作り直したのが現在のデザインというわけだ.

と,こう書くとえらく簡単そうに修正できたように思われるかもしれないが,絶対指定をしない場合の箱の置かれ方の規則性を最後まで読むことができなかった.
なので,CSSを適当に書き換えては読み込み,再び書き換えては読み込むという,非常に原始的な試行錯誤の賜物として現在の状態にまで辿り着いた.自分で自分を褒めてあげたい.

しかし,性根を据えてHTMLとCSSをちゃんと勉強した方がトータルでは生産的な気がするなあ...

投稿者 saihide : 00:36

2005年02月07日

『クビキリサイクル』西尾維新

離れ小島にメイドたちと住む財閥令嬢の趣味は各分野の天才女性を招待すること.5人の天才を招待したある日,自分たち以外に人がいない「密室」の島で,招待客の一人が首無し死体となって発見される.
天才技術者の付き添いとして島にやってきた「ぼく」は次なる殺人を防ぐため,容疑者を「密室」に隔離することを提案するが,その「密室」の中でまたもや首無し死体が発見される...

私はメフィスト系(と一括りにできると思っていたのだが,検索してみると「ファウスト系」という区別もあるらしい)は苦手というか,ミステリーはミステリー,ライトノベルはライトノベルで区別して読みたかったので,最初から敬遠していたのだが,貸出枠が1冊残っていたときに松山市立中央図書館で見かけたので借りてみた.

西尾維新については,この作品と同シリーズの作品がウェブ上で連載されていたものを読んだことがあり,そのときの評価が「これってミステリーじゃなくて完全なライトノベルやん」だったので,そのつもりで読んでみた.

しかし,これが結構ちゃんとした「ミステリー」なのだ.もちろんライトノベルチックな概念続出だし,文体もライトノベルっぽいのだが,ミステリーの要素もちゃんとしていた.
以前ウェブ上で読んだものとは大違いであり,これなら「ライトノベル+ミステリー」として成立していると思える.
森博嗣のSMシリーズやVシリーズが好きで,上遠野浩平の作品も好きならば,かなりの確率でヒットするのではないだろうか.

ところで,サブタイトルにもなっている「戯言遣い」って,結局どういうことなんだ? 主人公のことらしいのだが,色々秘密を持っていそうだし,このままシリーズを読み進めていけば分かるのかな?

いくつか気に入った箇所の引用を.

「やりたいことだとかやりたくないことだとか……、自分の無能を棚に上げてる奴って、わたし大っ嫌い。図々しく生きてるんじゃないよって思う。そりゃ死ねとは言わないけど、もっと申し訳なさそうに生きて欲しいわね。ぎゃあぎゃあわめいていないで何でもやればいいのに。わたしだったらどんな平凡な男だって虫のはらわただって、芸術に仕上げて見せるわ」伊吹かなみ
「きみは玖渚ちゃんに好かれたいんじゃない。そんなことは望んじゃない。きみは玖渚ちゃんに選ばれたいんだ。たった一人の存在としてね」園山赤音
「そんじゃ、そういうわけでお邪魔様。世界はお前らみたいなのがいるから生きてるだけの価値がある。そう思うよ。だけどお兄ちゃん、お前は少しばかりサボり過ぎだ。人間っつうのはっもっとスゲエ生き物なんだからよ、ちゃんとしろ、ちゃんと」哀川潤


おまけ
「萌え」属性がある人は「玖渚友」に萌えるということでいいのでしょうか?>詳しい人

投稿者 saihide : 00:30

2005年02月06日

大街道献血ルーム

先日のマクドのキャンペーンで手に入れたハンバーガー無料チケットが手元に3枚ある.その期限が2/6までなので,それほどマクドを食べたい衝動に駆られてはいなかったのだが,引き換えに行くことにした.
ただそれだけのために街中に行くのも虚しいので,ついでに本屋ものぞいてみよう.それでも物足りないな...そうだ,献血に行ってみよう.

ということで,大街道献血ルームで献血をしてみることにした.
世の中には「献血マニア」とでもいう人種が存在している.献血可能になると(一度献血すると一定期間あけなければならない)すぐに献血に行く人たちのことだ.
しかし私はそういう類の人種ではなく,むしろ「どうして痛い思いして血を抜かれないといけないんだ?」と思ってしまう,世の中の大多数を占めるタイプの人間である.

なので,どうして献血をしてみようと思ったのかは自分でも謎であるが,無意識のうちに「このところアルコール摂取量が増えてるから血液検査をしてもらおう」という意識が働いたのかもしれない.
※検査目的の献血は止めましょう...って,これは性感染症の検査目的の場合のみか?

ということで,14時過ぎに大街道献血ルームに到着.土曜日ということもあってか,それなりにお客さん,じゃなくて献血しようという人たちは入っているようだ.

自動ドアを通って受付へ.受付のお姉さんに献血手帳の有無を尋ねられたので,初めてであることを伝えると,献血申込書と問診表の書き方を細かく説明してくれた.ついでに「時間があるのでしたら400mlの成分献血を」とさりげなく薦めてくるので,それでいくことに.

書類を提出してしばらくしてから,献血できるかどうかを確かめるための血液採取があった.まずは両腕のどちらから採血するかのチェック.私はどちらからでも大丈夫ということなので,チェックは左腕で,本番は右腕でされることになった.
「ちょっとチクリとしますけど大丈夫ですから」と手馴れた調子で喋りながら左腕に針を挿すのだが,注射をするのはかなり久しぶり...いや,久しぶりどころの話じゃないな,もしかして小学校の予防接種以来か? いやいや,確か就職のときに血液検査があったはずだから,5年ぶりくらいか,ともかく久しぶりなことには違いないので,かなりドキドキものであった.

で,挿された針からチューブで血液が吸いだされるのだが,「ほんのちょっと,20mlだけです」とお姉さんは言っていたものの,なんだか凄い勢いでチューブの先に付けられた容器の中に血が流れていく,いや「流れる」というよりも「迸(ほとばし)る」という表現が相応しいくらいの勢いだった.
容器に刻まれたラインのところまで血液が入ったところで,お姉さんが容器を取り外した.ようやく終わりかと思いきや,次の容器を取り付け,またもや吸い出し開始.
えっ,あれで20mlじゃないの?
そういえば,お姉さんが説明のときに容器をいくつか準備してたっけ.もしかしてあの容器全部に?
そのとおりだった...

確かにお姉さんの言うとおり,痛いのは最初だけなのだが,あの容器の分だけ自分の中から血液が失われたのかと思うと,精神的なものだと思うがフラフラしてきた.しかも,あれは20mlであり,本番は400ml,つまり,さっきの20倍...

これはちょっとでも栄養を補給しておかねばということで,センター内に設けられた無料のジュース販売機で「リアルゴールド」をゲット.待合室においてあった『美味しんぼ』を読みながら栄養補給と精神の安静を取り戻すことに専念.しかし2-3話しか読まないうちに血圧測定のために呼びだされ,戻ってきてもすぐに呼び出されてしまったので,あまり落ち着けなかった.

さて,本番.採血台(?)の番号と場所が書かれた札を渡され,そちらに移動.
想像していたよりも多くの採血台が並んでおり,しかもほとんどに先客がいた.
センターの前には「全部の血液が不足しています」という掲示があったのだが,これだけ献血に協力している人がいるのに不足しているのか?
世の中にはそんなに流血の惨事が満ち溢れているのだろうか?
そんなことを考えながらお姉さんの指示に従って採血台に乗っかる.

これから40分付きあうことになる採血台だが,ちょっとリクライニングした状態の歯医者の診療台+肘掛+毛布という感じ.
また,目線の高さに液晶モニタがくるようになっており,そこでCATVの番組も楽しめるようになっている.
液晶モニタの下にはちょっとした台もあり,そこと空いている方の手を使って漫画(待合室から持ち込んだ模様)を読んでいるツワモノもいた.私も持ってきた本を読もうかと思ったが,利き腕である右手から採血されるとなると左手だけでページを繰らないといけないので,それは諦めて,おとなしくテレビを見ることにした.

そして,ついに本番.まずは血圧測定の時に付けたような圧力のかかる帯状のものを腕に巻かれる.
続いて,先ほどと同じように血管に針を挿すのだが,針が太い.針の中心にある穴が肉眼でもはっきり見えるくらい太い.「痛いのは針を挿すときだけですからね」とさっきと同じことを言うお姉さん.確かにそうかもしれないが,針の太さは違ってるぞ.
で,針の先には先ほどと同じようにチューブが付いているのだが,これが2本つながっている.成分献血というのは,血液の成分の一部だけを取り出して,再生に時間のかかる赤血球は身体に戻すものだと先ほどの説明で聞いていたので,片方が吸い出し用で,もう片方が戻し用だろう.
準備が整ったようで,ようやく採血開始.先ほどと同じようにチューブの中を血液が流れていく.先ほどと違ってチューブの先は容器ではなく機械になっている.
なので迸るように吸い出されているのかどうかは分からないなあと機械を眺めていたところ,しばらくしてから機械からチューブを通って別の容器に向かって透明な黄色い液体が流れ出していく.これが取り出された成分なんだろう.
と,チューブを流れる液体を見ていたのだが...前言撤回,やはり迸るように吸い出されているようで,かなり大きな容器にみるみる液体が溜まっていく.

うわーっ,成分だけであれほどの血液が私の体から吸い出されているのか!と精神的ダメージを受けていたところ,先ほど巻いた帯から圧力が抜けていく.あれ,もう終わったのか?
機械を見ながら怪訝な顔をしていたためか,通りすがりのお姉さんが説明してくれた.どうやら吸い出した血液(必要な成分は除去済み)を戻すときには圧力が下がるようだ.確かに圧力がかかった状態では戻しにくいもんな.
なお,最初に考えていた「吸出し・戻し別チューブ説」は間違いで,吸出しも戻しも同じチューブを使って行われていた.じゃあ,もう一つのチューブは何のためにあるんだろう?
それと,吸い出されているときにはほとんど何も感じなかったのだが,戻すときには少々痛みというか痒みみたいなものが感じられる.これだったら吸い出されっぱなしの方が楽な気もする.

しばらく戻された後,またもや吸出しモードに.成分が吸い取られていくのを見ているのも飽きてきたので,周囲を観察してみると,新しいお客さん,じゃなくて献血してくれる人がやってきた.女性の二人連れのようだ.残念なことに少し離れた採血台になってしまったのだが,時々手を振ってたりする.
もしかして,友達同士で誘い合って献血にくるというムーブメントが世の中には存在しているのだろうか? そういえば待合室にもそれっぽいグループがいくつか見られたな.確かに待合室は冷暖房完備だし,ジュースもタダ,座るところもある.うまく隣同士の採血台を割り当てられたら血を吸い出されながら喋ることもできるしな.

などと考えながら他のところに視点を移していくと,向かいの採血台の隣にある機械が目に止まった.どうやら採血量などがデジタル表示されているらしい.
私の機械にもあるはずだと思い,機械をマジマジと見直してみると,使われていない容器の陰になっていて見えなかったが,同じような表示があった.それを見ると既に300mlは採取済みらしい.じゃあ,あと四分の一くらいか.
あれ? 向かいの人は私が採血台に乗る前から採血されていたはずなのに,まだ200mlくらいだぞ? 彼と私で何か条件が違うのか? 血圧の差か? それとも「こいつはこのくらいのスピードでとっても大丈夫だろう」という担当者の匙加減なのか?

などと訳の分からないことを考えながら,日経CNBCを見ているうちに採血終了.所要時間はお姉さんが言っていたとおり40分だった.でも,私よりも前から採血されていた男性客は2名ともまだ終わってなかったぞ.どういう仕組みだ?
ちなみに機械の表示には採取された成分量だけでなく(400ml以上取られてた),処理した血液量,つまり一旦吸い出された血液の量も表示されていたのだが,そちらは1000mlを超えていた.半分以上は戻ってきたとはいえ,一度は1リットルもの血液を吸いだされていたのか...
血圧を測り(なぜか血を吸い出された後のほうが血圧が高くなっているという謎の結果が出た),しばらく安静にしてから受付へ.賞品,じゃなくて,お礼の粗品を四種類の中から選び,献血後の説明を受けた上で待合室へ.
水分を多く取ってくださいといわれたので,自販機でココアをゲットして飲んでいると,名前を呼ばれた.係の人から粗品やら献血手帳やらが入ったビニール袋を受け取って献血終了.「2週間経てばまた献血できます」ということをさりげなく数回強調していたのが面白かった.

その後,書店&マクドナルドに行ってから帰宅.
自宅に戻ってから,受け取ったビニール袋を中身を確認してみた.

kenketsu_1.jpg

思ったよりも粗品が小さかったな.次に行く機会があったら,他のやつをチョイスしよう.

おまけ.
当初の目的のマクドで購入したもの.

kenketsu_2.jpg

ハンバーガー3個は無料チケットによるもの(実は前回はチーズバーガー2つだけでなくクーポンを使ってチキンフィレオも購入していたためにチケットを3枚もらっていた).
なので,支払いはトマトチキンフィレオの262円のみなのだが,前回と同じクーポンを使っていれば,同じ値段でチキンフィレオをチーズバーガー2つを買えたんだよな.
そう考えると,凄くお得なクーポンだよなあ.ちなみに学生さんから質問があったのだが,白黒印刷でもOK(少なくとも私は使えた)なので,マクドに行こうという方は印刷しておくことをオススメしておく.

投稿者 saihide : 00:55

2005年02月05日

CHAPPAQUA(炭火イタリアン?)

先日の午後,二番町のあたりを自転車で通っていたときのこと.
そういえば,昨年末に,このあたりに新しい店ができたという記事を読んだなあと思って周囲を見回してみると...
おおっ,ここかいな!というような場所にあった.二階にある店なのだが,えらく目立たないので逆に気になったのが,このCHAPAQUA.

検索してみると,炭火イタリアンの店とのこと.日曜でもランチをやっていそうなので,日曜日の13時ごろに行ってみた.

chappaqua_1.jpg

さすがに営業中はこういう看板が出ているらしい.
脇にある階段を上って二階の店へ.

昼の混雑時は避けたつもりだったが,結構なお客さんが入っている.
ほとんどが2-3人連れの女性客で,男性の一人客は私だけだった.
おおっ,久しぶりに場違い感溢れる店に来てしまったぞ!

店の中はこんな感じ.

chappaqua_2.jpg

案内された方の逆サイドにも店は広がっていたようで,そちらからだとキッチンの様子が良く見えるようだ(この写真だと右奥に少しだけ見える).

ランチはフォカッチャ(お替り自由),日替わり前菜,パスタ(5種類から1つ選択,この日選べたパスタは1枚目の写真をクリックすれば分かる)で850円.
プッタネスカというのが分からなかったので聞いてみたら,ピリ辛のトマトソースのパスタだという.アラビアータみたいなものかと思い,それを注文.

小説を読んで待つことしばし,まずは前菜とフォカッチャが到着.しかし写真撮影のため,全部揃うまで待つことに.
それから結構待った気がしたが,ようやくパスタが到着.さっそく記念撮影.

chappaqua_3.jpg

この日の前菜は若鶏の香草焼き.美味しいのだが,もうちょっとボリュームが欲しいかな.まあ,前菜だから仕方ないか.

次にフォカッチャ.モスバーガーで食べたフォカッチャよりも固めで,いわゆるパンとあまり違いはない.自家製焼きたてフォカッチャというくらいだから熱々なのかと思っていたのだが,そんなことはなかった.ちなみに,しっかりとお替りさせていただいた.

で,謎のプッタネスカ.調べてみたら,オリーブとケッパーとアンチョビが入っているものをプッタネスカというらしい.確かにケッパーがゴロゴロ入ってたな.アンチョビは入ってたのか? 美味しくいただいたのだが,個人的な好みからすると,もう少し動物性タンパク質があったほうがいいなあ.

全体的な感想を言わせてもらえば,炭水化物はフォカッチャのお替りで十分摂取できるので,パスタはその手のものを選んだほうが満足度は高いかも.なお,+100円でパスタは大盛りにできるのだが,普通でも結構な量があった.食後のコーヒーは150円なのだが,コーヒーもつけて850円のセットにして欲しいというのはちょっと欲張りかな.

その後,雑誌でステーキの美味しそうな写真を見たので,今度は夜に行って,あのステーキを食べてみよう.値段が値段(900円弱)だから,きっと小さいんだと思うけど...

投稿者 saihide : 00:01

2005年02月04日

『28歳からのリアル』人生戦略会議

昔,店頭で手にとってみたときは面白くなさそうだったのでそのままスルーしたのだが,ネット上で妙に評判が高いので改めて読むことにした.

読んだ感想だが,やっぱりどうして評価が高いのかが分からない.
28歳の平均的な数字(年収とか貯金額とか結婚式に必要な予算とか)を挙げた上で,現実を容赦なく突きつけている点が評価されている理由らしいが,こういうのって,その気になれば自分でいくらでも調べられると思うんだが.
おそらく,そういうことを調べようと思わない人が読めるような体裁にしたのが評価が高い理由なんだろうなあ.

個人的にはこちらよりも『ゴミ投資家のための人生設計入門』の方がオススメ.今なら『世界にひとつしかない「黄金の人生設計」』としてリニューアルされた上で文庫化されているようなので,こちらの方がいいだろう.

おまけ
これも松山市立図書館で借りてきた.しかし,いつもの中央図書館ではなく移動図書館の本.
実物は中央図書館の地下書庫にあると端末には表示されているのに,所属が移動図書館になっているため,借りるためにまず手書きで予約をし,さらに1週間待たされた.面倒すぎ...

まあ,おかげで「ある意味で節目の日」に借りることになったので,帰宅してすぐに読んだのだが,もうちょっと得るものがある本なら良かったのに...

投稿者 saihide : 22:00

『王国の鍵 全6巻』紫堂恭子

ファンタジー物三連投.今回は漫画.
隣国との戦争の最中,父王と兄が同時に戦死.内乱を防ぐため,世界を支配する力を持つといわれる秘宝「王国の鍵」を探し出した者が王位を継承することが決定される.
他の候補者と同様,第二王子である主人公も兄の戦友と共に「王国の鍵」を探す旅に出るが,その前に伝説の存在である「竜人」と「竜使い」が現れ...

「竜」「宝探し」「王位継承争い」そして「王子さま」とファンタジー物でメジャーな,つまりはベタな材料が揃っているわけだが,ストーリーも「主人公が艱難辛苦を乗り越えて成長する」というある意味では非常にオーソドックスなものだと言える.
じゃあ,陳腐で面白くない話なのかというと,そのあたりはデビュー作からファンタジー物を描き続けてきた紫堂恭子,ベタな材料&展開を非常にうまく仕上げている.特に最終巻の盛り上がりは見事だった.

『グラン・ローヴァ物語』を知って以来,10年以上も紫堂恭子作品を読み続けてきた.
絵柄もストーリーもいいのだが,私は作品中に出てくる「大人」が特に好きなのだ.デビュー作である『辺境警備』の「隊長さん」は私の理想像その2だし,本作では何といっても主人公を見守るバドリアスが「大人」で,こんな台詞を喋ったりする.

「振り返らずにまっすぐ行け どんなに辛い時でも軽口をたたいて乗り切るんだ 笑うタネがつきたら自分を笑え」

ああ,こういう余裕のある「大人」になりたいもんだなあ.

投稿者 saihide : 00:21

2005年02月03日

『月光界・逢魔が時の聖地 全3巻』麻城ゆう

前日に続いてファンタジー物第二弾.
私は世界観が共通したシリーズ物が大好きなのだが(思い起こせばムアコックの『永遠のチャンピオン』シリーズが原因か?),この作者の「月光界シリーズ」もそういう路線で好きだ.
この月光界シリーズ,出版社の倒産に巻き込まれるなどのトラブルもあったりしたが,結構な数の本が出ている.そのうち,出版社の倒産の影響で版型を改めて刊行されたものを除けば全部持っているはず.
全シリーズ合わせると20冊以上にもなり,最初の本の刊行は1990年.おおっ,15年も付き合ってたのか!

しかし,今回刊行された3巻をもって,直近のシリーズだけでなく,月光界を舞台にしたシリーズも完結だという.

15年間も続き,20冊以上も刊行された一大シリーズのわりには,えらくアッサリとした終わり方だが,この作者らしいともいえる.まあ,しばらくしたら復活するような気もするし,それを期待してもいるのだが.

しかし,作者もあとがきで書いていたが,ファンタジー物がここまで流行するとは,15年前にはまったく予想できなかった.書店に行くと,ファンタジー物の新刊が平積みになっているのが普通だからなあ.まあ,それほど売れてるようには思えないけど.
後の世に「ハリポタ・バブル」とか「指輪バブル」とか言われたりするんだろうなあ.

投稿者 saihide : 00:04

2005年02月02日

『禁涙境事件』上遠野浩平

『禁涙境事件』上遠野浩平
上遠野浩平の事件シリーズ第4弾.剣と魔法の世界を舞台にした推理小説であり,帯にも「極上のMISTERY×FANTASY」とある.しかし魔法とミステリーというのはどうも相性が悪い.

「ノックスの十戒」「ヴァン・ダインの二十則」というのがある.これは探偵小説,つまりミステリーでやってはいけないことを記したものなのだが,超自然的・神秘的なものを使うのは止めましょうとある.読者がそれらの理屈を分からない以上,それを使って謎を構築(解明)するのは卑怯だということなんだろう.

でも,この事件シリーズはその世界設定からして超自然的・神秘的なものばっかり.

そういう状況でミステリーというのはどうなんだろうと,第1作『殺竜事件』,第2作『紫骸城事件』までは思っていたのだが,第3作『海賊島事件』で開き直ったのか,謎(ミステリー)の要素は付け足し程度になり,ファンタジーの要素(というのも少し違うのだが)が前面に出てくるようになったと感じた.

本作もその流れを汲んでいるようだ.
犯人やトリックを暴こうなどと考えず(どうせ魔法関連なんだから),魅力的な登場人物のけれんみたっぷりな言動・行動を楽しもう.
シリーズ物なので,前作までの登場人物も多数登場するのだが,それ以上に今後の活躍を予感させる登場人物が多数登場.次回作の『残酷号事件』が待ち遠しい.

投稿者 saihide : 01:20

ショック

先ほどまで,「このサイトの意味」というちょっと真面目な記事(ただし酔っ払いモードで)を書いていたのだが,トラックボール(私はマウスではなくトラックボール派)の操作をまちがえた結果,書いていた記事が消去されてしまった.

かなりショックである.

結構な長文の記事であった.

すっごいショックである.

しかし,このアクシデントにも何らかの意味があるのだろうと思い,とりあえずは書くのを止めることにした.まあ,どちらにしても近い将来に書くことになると思っているが.

そうそう.
書くきっかけになったのは,なぜか同時多発的にこのサイトを読んでくれている人が声をかけてくれたことだった.
貴重な資源である「時間」と「注意力」をこのサイトに使ってくれているというのはありがたいことだ.

かけてくれた資源に応えるためには「ネタ」に走ったほうがいいのだろうかと思ってはいるのだが,それはサイトのコンセプトに反することなので,とりあえず今のサイトの方針を維持するつもり.それでもよければたまに覗いてみてください.よろしくお願いします.

投稿者 saihide : 01:11

2005年02月01日

1月の検索語

月初め恒例の検索語のご紹介.
意外な検索語が1位になっていて,ちょっとビックリ.

検索語件数コメント
ハードディスクの異音関連59年末年始のサーバ再構築のせいだと思っていたのだが,昨年8月のやつがYahoo!で上位にくるためのようだ.どうして今頃?
松山市の地図関連38Livedoorマップへの集約を継続審議中.集約するとなるとこのサイトのコンセプトを変えねば...
経済小説29先月に続いて『経済小説がおもしろい。』にヒットしてるせい.これもYahoo!経由か?
歩行者用信号22いったい誰がどういう目的でこれを検索しているんだ?
カゴメの株主優待関連22ようやく昨年春の優待を食べ尽くした.ケチャップの芳潤が激旨だった.
じゃこ天おっばちゃん18地名しりとりが終わったので検索する人も少なくなった模様.
ハバネロフォカッチャ16激辛だけど美味しい.既に2回食べたが,もしかするともう一回食べに行くかも.

ということで,1月の崔研究室 仮営業所は「ハードディスクの異音」「松山市の地図」「経済小説」なサイトだった.
その前の2ヶ月間は「松山市の地図」「カゴメ」「じゃこ天おばちゃん」なサイトだったから,それからすれば変化している.進歩なのかどうかは疑問だが.

ちなみにこうさぎによる検索語の集計(memorandumのトップページがヒットした場合限定)では「ハバネロフォカッチャ」「勝岡免許センター」「箱庭療法」が多かった.
むぅ,「松山市に密着した生活情報サイト」は1ヶ月しかもたなかったか...

投稿者 saihide : 00:58